入学式へ
初投稿です!
今年高校生になるので稚拙な文章だと感じるかもしれませんがお手柔らかにお願いします!
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道はずっと続くかに思われた。翔駒はまるでこの道がこの先続く自分の進路の輝かしさを暗に示しているものなのかもしれないという妄想に陥った。
こんな錯覚が起きるのも、温暖化により早咲きしていた桜がちょうどこの日満開だったからだろう。翔駒はそう確信していた。
一人で登校するという行為がここまで寂しくて緊張するものだとは予測していなかった。
小石を周囲の生徒に気付かれないように蹴りながらただ黙々と前に進む。
それにしても、朝飯を抜いたからか知らないが翔駒は甚大な空腹感に襲われていた。
このままじゃ校門に着く前に行きだおれになってしまいそうだ。
『あの桜まで10秒以内に到着できなければ即死』
そう自身に縛りを設けながら、ただ無理やり足を前後に動かし続ける。
どれくらい歩いただろうか。ふと、先程乗っていたバスにスマホを忘れた気がした。慌てて背負っていたカバンを肩から外して来た道の反対側を向きながらしゃがんで中身を漁る。その様は周囲の生徒が見れば明らかな挙動不審だろう。
ふと、振動を感じてパッチポケットに手を突っ込むとスマホを発見した。翔駒は安堵の溜息をつく間もなく、目の前から声をかけられた。
「ねぇ、ズボンのチャック…空いてるよ?」
顔を上げると、青がかったショートヘアの小柄な少女が膝に両手を置いて覗き込むようにこちらを向いているのがわかった。
「あっ!え?!あ、ほんとっすね!アハ、ありがとうございます!へ、へ」
最悪だ。
よりによってこんな大切な人生の門出の日に、初めて家族以外からかけられた言葉が社会の窓だなんて。
羞恥により耳たぶが赤く染まり、冷静になろうとしても制御が効かない。
恥ずかしさに今にも走り去りたくなった。でも、彼女はイタズラっぽく笑い、
「そしたらさ!私、一人だし一緒に登校しない?朝からずっと喋ってないの。」
予想外だった。まるで、ストレートがくると顎を守って身構えていたら意識外から不意打ちでフックを食らったかのような感覚だった。
「…え?……俺と…?」
呆然としながら、必死に脳内で言葉を探り声を捻り出す。
「あのさ!アタシ白玉茜。白玉までが名字で、あかねが名前なのね。君は??」
「お、おれは榊翔駒って言います!榊までが名字っす!」
興味津々、といった目つきで見つめてくるので反射的に答えてしまった。
自分の言った言葉を思い返して彼女の自己紹介を無意識に模倣していたことに気付くと、またしても羞恥で顔が赤く染まる。
「ねぇ大丈夫…?顔真っ赤だよ?りんご病?」
「いや、これは違うんで大丈夫です!」
「そう?ならいいんだけど…」
「てかさ、登校時間早くない??アタシ全然この調子で毎日間に合う気しないんだけど…」
「そう…っすよね。俺も朝ご飯抜いて来たんで結構キテるかもしんないっす」
「大丈夫〜?この後普通にずっと座るし寝ちゃあかんよ??」
言葉のひとつひとつに純粋さが滲み出ている。
いつのまにか手を繋がれている。
空腹感が嘘のように消えていた。まるで魔法でも使われたような感覚だった。
何年ぶりか忘れてしまっていた。
俺は、女子と、手を繋いで校門をくぐった。
毎日更新します!
誤字があるか心配ですが、精進して参ります!




