28/31
第27話 説明されない世界
午後の授業は、珍しく座学だった。
朝の騒ぎが嘘だったみたいに、
誰もその話をしない。
笑って、雑談して、帰り支度をしている。
――それが、妙に気持ち悪かった。
俺は机に肘をつき、窓の外を眺めた。
中庭は、いつも通りだ。
何もなかった顔をしている。
帳面を閉じる。
記録は続けているのに、答えは出ない。
「エリオ」
ミレイアが声をかけてくる。
「今日、放課後どうする?」
少し考えてから、俺は言った。
「……寄りたいところがある」
理由は、まだ言葉にならなかった。




