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第26話 居場所と目的
― ユイ視点 ―
図書室は、今日も静かだった。
窓から差し込む光は柔らかく、
埃の匂いがわずかに漂っている。
人の気配はない。
それでも、ここは学園の中だ。
完全に切り離された場所ではない。
私は書架の間に立ち、数冊の本を机に積んだ。
謹慎という言葉が、頭をよぎる。
でも、それは理由じゃない。
ここなら、
誰にも見られず、
誰にも説明しなくていい。
頁をめくる。
血族、魔法式、女神信仰。
どれも答えにはならない。
けれど、断片だけは残っている。
学園は、守ってはくれなかった。
説明もしなかった。
ただ、処理しただけ。
それでも――
終わったとは、思えない。
私は手を止め、視線を落とした。
黒い紙。
あのとき、確かに見た。
帳面の頁に、文字が浮かび上がった瞬間。
見間違いじゃない。
魔法とも、少し違っていた。
あれは、
「記録されるべき何か」に反応していた。
――確かめなければ。
ここが、
本当に居場所じゃなくなる前に。




