11月11日 新谷穂波
那奈の問題は、解決したが、それと同時に今度は、新谷が来なくなっていた。一難さってまた一難ということだろうか?文化祭の出し物も何も構っていない。今日、教室には、私と那奈、そして勉強をしていた高田が残っていた。高田は、勉強をやめ、私たちの会話に入ってきた。
高田「那奈、新谷に連絡とった?」
那奈「いや、全然。それより、なんでいないの?」
私は、宿題をしながら、二人の話を聞いていた。
高田「山川から、聞いてないの?」
那奈「うん」
高田から、私の名前を出した時、少し手が止まった。
高田「この前、美桜とモメたんだよね」
この前の新谷の姿が思い浮かんだ。
那奈「へぇー、そんなことあったんだ」
高田「そうなんだよ。よかったら、新谷に連絡してくれない?」
この前、私に言われたことと同じだ。
那奈「いいよ。というか、今日会いに行こうかな」
高田「会えそう?」
那奈「無理矢理会いに行くよ。フフフ」
那奈の行動力は、私とかけ離れすぎていた。
高田「さすが、那奈。そんなの言えるの那奈しかいないよ」
こう言えば、高田も納得してくれたのだろうか?
那奈「そうなのかな?」
高田「そうだよ。もう、クラスのみんなもさ、文化祭でやきもきしてるんだよね」
確かに、今、3年4組のみんなはバラバラだ。せっかく、那奈が戻ってきたのに。このままだと、、、、。
那奈「そんなに今、大変なの?」
高田「もう、大変だよ。美桜と新谷はもめるし。佐々木とか世田とかは勉強で文化祭の練習は放棄するって言ってるし」
那奈「そんなことなってるんだね」
那奈は、ガッカリした様で、ため息をついていた。
高田「おまけに、沢田くんや辰巳くんは、サッカーの選抜で放課後は、練習しに行ってるのよ」
那奈「なるほどね。じゃあ、さっさと新谷と美桜仲直りさせて、文化祭進ませようよ」
高田「だね。じゃあ、そっちは任せたよ」
那奈「おっけぇ。楓、いけるよね?」
那奈は、私の顔をみた。
私 「あっ、うん」
もう、那奈を離したくない。私が、那奈に襲いくる全ての攻撃の壁になれたら、、、。もう、彼女がいなくなることやんてないんじゃないか。そう思ったら、自然と宿題のノートや筆記用具をしまっていた。
私 「那奈、今から直撃しにいこう」
那奈「おっけい」
私たちは、高田に別れを告げ、教室から飛び出した。