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1月5日 高校生活

 久しぶりに学校に来ていた。基本、那奈が学校に行く日は、私も行くようにしている。それは、那奈が好きだからだけではない。残りの数少ない高校生活を一緒に過ごしたかったからだ。17日をこえたら、私たちはほとんど学校に行かない。そうなると、もうほとんど会わなくなる。それは、寂しくなる。試験までも残り12日。もう、やれるだけやった。まだ日にちはあるのに勝手にそう思っていた。世間のみんなは、まだ粘っている頃だと思う。2週間あれば、英単語だと100個くらい余裕で覚えれる。他の科目においても一緒だ。


 那奈「もうすぐだね」

 私 「そうね。那奈は、受けないの?」


 私の何かを察してくれたようだった。


 那奈「うん。楓を応援しているね」

 私 「そんな応援されてもね」

 那奈「そんなこと言うなよー」


 珍しくツッコんだ。


 私 「那奈は、どうするか決めたの?」


 ずっと気になっていた。おそらく、那奈と一緒にいれるのはもう少しだけ。だからこそ、これからのことを聞きたかった。


 那奈「うん。まずは、自分が何をしたいのかもう一度考えようかなって思ってるよ」


 病院で何があったのか。それは、まだわからない。いつか、那奈の方から直接言ってくれる日がきたらいいのにと思っていた。


 私 「大学に入ってからじゃダメなの?」


 素直な疑問だった。


 那奈「うん。テキトウに入っても、たぶん続かないと思うから。せっかく入院していろいろ考えることができたからもう少し考えてみるよ」


 那奈らしい答えだけど、私としては大学に入っていた。


 私 「そっか」


 少し寂しそうな顔をしていると、那奈が私の方を見た。


 那奈「うん。まずは卒業できるように頑張らなくちゃ、私は」

 私 「那奈だったらできるよ」

 那奈「ありがとう」


 最後は、那奈を信じてあげないと。


 私 「明日も学校行くの?」

 那奈「もちろん」


 今、那奈は毎日のように学校に行っていた。理由としては、入院していた日の分を補填するためだ。


 私 「大変だね」

 那奈「サボってたからね」


 サボってはいない。那奈が苦しんだ日の分だ。けど、幸い那奈が楽しそうに学校に行っていることは嬉しかった。だから那奈の補習が終わるまで、私も付き合いたいと思っていた。


 私 「そろそろ、先生来るよ」

 那奈「そうだね」


 私は、机に筆記用具を置いたのだった。

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