1月4日 面識
共通テストは、1月17日。それに向けて、残り13日しかない。あの本番試験でとれなければ意味がない。しかし、あの共通テストは難しい。いくら賢い生徒が多い4組であっても、あのテストでいい点数を取れるのは、4.5人くらいだろう。残念だけどその中に、私は入っていない。沢田、中沢、高田、寺崎。そのあたりだろうか。彼や彼女たちには、部活や生徒会もある。それなのになんであんなに頭がいいのか?私には何もない。ただ学校に行って授業を受けるだけ。こんなに勉強してる私と何が違うのか。最近は、勉強しながらそんなことを考える毎日だった。羨ましい、羨ましい。そんなことを考える私の人生はこれでいいのかわからなかった。
ー12月26日ー
世田は、ゆっくりと進んでいく。もう帰るのか。残念だな。那奈は、世田と会いたがっていたはずだ。私は、尚也から離れ世田を追うことにした。ゆっくり進んでいく世田は、どこか元気がなさそうだった。私は、気づかれない様に後ろをついていくことにした。世田は何を考えているのだろうか?那奈は、ずっと幼馴染だったし好きなのかなと思っていた。
けど、那奈の周りには人がたくさん集まる。それに絶望したんだろうな。なんとなく気持ちが理解できる。私もずっとそうだった。近くにいる人が眩しすぎるとその人から目を背けたくなる。それは、簡単なことじゃない。世田が歩いている先に誰かが見えた。あれは、、、、、、、、、、。小野田だ。私は、隠れながら2人の会話を見ることにした。
小野田「おう!」
世田 「うん」
世田の声は元気がなかった。
小野田「どうしたの?」
世田 「いや、もう今から帰るんだ」
小野田「えー、帰るの?」
小野田は、どんな気持ちなんだろうか?
世田 「うん。遅くなるといけないしね」
小野田「真面目だね」
世田 「まぁな」
2人は、どういう気持ちなのだろうか。2人には、それぞれの道がある。そして、もう二度と合わない可能性さえある。そんなことは私でもわかっていた。
小野田「今って時間あるの?」
世田 「ああ、少しなら」
何を話すのか。
小野田「今度さ、二人でどっか行こうよ?」
世田 「えっ?」
まさかの誘いだった。なんで、誘ったんだろう?2人は同じ小学校だから面識もある。もしかしたら、恋なんてもあるのだろう。私は、そんな展開を想像していた。




