表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/75

11月9日 登校

 昨日は、不安で眠れなかった。今日、那奈が学校に来るかが気になって、、。高田の発言とは、裏腹に那奈は、来ていなかった。時刻は、12時30分を過ぎようとしていた。私は、いつものように、一人で母が作ってくれた弁当を食べていた。気になるのは、那奈だけではなく、新谷もいなかった。あれから、新谷にはまだ連絡をしておらず、那奈が登校するか待っていた。

 すると、後ろの扉が開く音が聞こえた。後ろにいた、寺崎や林が騒いでいた。私もゆっくり振り返る。そこには、私がずっと待ちわびていた顔があった。そして、すぐさま私の方に近づいてくる。ダメだ、、、苦しい。いろんな感状が湧き上がってくる。自分が自分じゃなくなるようだった。私は、よくわからなくなり、机に俯いた。

 "おはよう"。私が、机から伏せた顔を起こすとそこには、いつもの彼女がいた。目から、一滴の涙が滴り落ちる。


 那奈「どうした?」

 私 「どうしたじゃなぁい、、、」


 上手く言葉が話せない。この日をどれだけ待ったことだろうか。彼女には、会うのは約6ヶ月ぶり。


 那奈「ごめんね、フフ」

 私 「うん」

 那奈「今から、屋上行こうよ」

 私 「わかった」


 私たちは、教室から出て、階段を上がっていく。

 

 私 「今まで、何してたの?」


 那奈の顔を真っ直ぐ見た。


 那奈「病院よ。検査長引いちゃってね、、、」

 私 「そうなんだ」


 やっぱり、私が思っていた通りだった。


 那奈「でも、他の人から聞いてると思ったよ」

 私 「他の人って?」

 那奈「うーん。定本くんとか真波とか」


 確かに、この二人から前情報はあった。


 私 「二人は、知ってたの?」

 那奈「知ってたっていうより、偶然知ったっていう感じかな」

 私 「どういうこと?」


 二人もたまたまなのかぁ。


 那奈「定本くんも真波も、たまたま私がいる病院に来たの」

 私 「うん」


 那奈は、段々私より前の方を歩く。


 那奈「二人が来たのはね、私の友人のお見舞いだったの」

 私 「友人?」


 那奈の腰の辺りを見ながら返事をした。屋上の扉を開けると冬寒い風が吹いていた。


 那奈「たぶん、楓は知らないと思うんだけど、八代南中の子なの。私もたまたまその子と仲良くなってね」

 私 「そうだったんだ」


 私たちは、屋上においてあるベンチに座った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ