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12月19日 秘密4

 あの日、遊んだ古谷や堂上は今頃何をしているのだろうか?また、会いたいな。那奈以外でそう思わしてくれる人はほとんどいなかっただけに、とても嬉しかった。一息つき、再び勉強に取り組み始めた。私は、とても苦しい日々からなんとなく抜け出している気がしたのだった。これからのことを考えると、いつも不安はあるけどこれまでとはどこか違うものだった。


 ー12月16日ー


 気がつけば、私は古谷と堂上とトランプでババ抜きをする流れになっていた。私たちは、ジャンケンをし、誰が最初にカードを引くか決めた。横にいる那奈は、まだ起きようとしていなかった。このままだと、確実に終点までいくだろう。ジャンケンの結果、古谷、堂上、私の順番でカードを引いていくことになった。

 私たちは、古谷がくったカードを見ながら、同じペアを探していた。思ったよりも、私のカードは少ない。5枚からのスタートなった。古谷と堂上は、とてと楽しそうにしている。今は、那奈のことは忘れて、私も自信満々にババ抜きに挑んだ。早速、始まったババ抜きだった。カードをめくるたびに、私の手札から一枚が減っていく。

 私は、あっという間に残り2枚になった。古谷と堂上は、私の嬉しそうな様子にニヤニヤしていたのだった。私が堂上にカードを引かれ、残りの手札が1枚となった。そして、古谷のカードを引こうとした時、古谷は、私に声をかけてきた。「楓、このカードがババだよ。だから、とりなよ」と興奮気味に話してくる。どうしようか迷う。おそらく、古谷の2枚の手札の中にあることはわかる。しかし、どちらが、ジョーカーなのかはわからない。

 古谷が指示したカードをとることに決めた。私は、彼女のカードをつかむと、心臓がバクバクしていることを感じた。本当にババなのだろうか?勇気を振り絞って力強くカードをめくった。そこには、普通の数字と模様は書かれていなかった。クソッ!!私が引いたのは紛れもなくジョーカーだった。

 私が落胆しているのを古谷と堂上は、笑っていた。すると、古谷は堂上から引いたカードがペアとなり一抜けとなった。さらに、堂上は、私のジョーカーは引かずにカードを揃えてしまったのだ。結局、私が負けるというオチか。それでも、初めて出会った人とババ抜きをしてこんなにも楽しいものだとは思えなかった。その後もしばらくの間、私たちはトランプで遊び続けた。そして、そろそろ終点が近づいたので、那奈を起こすことに決めた。

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