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12月18日 秘密3

 今日は、図書館で勉強をしていた。受験が迫っているせいか人も多い。


 ー12月16日ー


 私たちは、いつの間にか意気投合していた。私の目の前にいる堂上杏と古谷心音。どちらも、とても楽しそうだった。


 私 「今から、どこに行かれるんですか?」

 堂上「今から、心音と一緒に海に行くんです」


 海。こんな真冬に行くのか。なんとも言えない。もう一度聞き返した。


 私 「海?」

 堂上「終点近くにあるんですよ。知りませんか?」


 私の二度聞きも意味をなさなかった。


 私 「まったく知らないです」


 すると、斜め前から古谷が話に入ってきた。


 古谷「山川さんたちはどこへ?」

 私 「私は知らないんですよ」

 古谷「どう言うことですか?」


 古谷は、興味津々だ。


 私 「この子の行きたいところに行くことになってて」

 古谷「ハハハハ。面白いですね」


 笑い事ではない。本来なら、さっさと降りて帰っているはずなのに。那奈が起きないから、私は身動きがとれない状況になってしまっている。


 堂上「じゃあ、起きるまでわからないということですね」

 私 「起こそうかなって思うんですけど」

 堂上「これだけ、爆睡されたら難しいですね」


 堂上は、私の気持ちを汲んでくれたようだ。


 私 「そうなんですよね」

 古谷「もしよかったら、一緒にトランプでもしませんか?」

 私 「いいですよ」


 二つ返事で話にのっかった。どうせ、今のまま過ごしても外を眺めるかスマホをいじるしかない。だったら、よくわからないこの二人と楽しくしている方が自分にとっては有意義な時間だと思った。


 堂上「いいね。トランプ。心音持ってきてたんだ」

 古谷「もちろん。何がいい?」


 バックから青色の箱に入ったトランプを取り出した。


 堂上「やっぱり、ババ抜きじゃない?」

 古谷「いいよ。負けたら、この子起こすのはどうですか?」


 私は、一瞬答えに詰まった。


 堂上「そんなの失礼だよ。ね?」

 

 失礼といえば失礼なのだけど。もう、この際どうでもいい気がしてきた。


 私 「フフフ。いいんじゃないですか?」

 古谷「ホント?」


 なんとも言えないけど、そんなんで那奈は怒らないだろう。


 私 「起きないこの子が悪いから」

 堂上「じゃあ、心置きなくできるね」

 古谷「やったぁ」


 古谷は、トランプを配り始めた。

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