表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/75

12月16日 秘密

 揺れる電車が、止まった。電車の扉が開くと、ホームから賑やかな声が響き渡っていた。その中で、2人の女子高生が微笑みながら入って来た。私は、無理矢理、電車に乗せられたはいいものの、何をしたらわからず、窓の景色を眺めていた。連れて来た本人である那奈は、なぜか寝ていた。30分くらい経ったら起こしてと言われたけど、、、、。よくわからなに那奈に今日も振り回されていた。

 さっき入って来た女子高生は、私たちの向かい側の席に座った。一人は丸眼鏡をかけた可愛らしい女の子。もう一人はポニーテールをして優等生のような印象を与える女の子だった。二人ともキャッキャ話をしている。同じ女子高生なのに真逆だった。彼女たちは、どこの高校だろうか?白いブラウスとネイビーのスカートを合わせた制服に身を包んだ2人。あれは、海美高校かな?それとも淮南高校か?すると、優等生らしき女の子の定期カードがポケットからスルリと落ちるのがわかった。定期は、彼女の足下の奥に迷いこんだ。二人は気づいていないみたいだった。

 いずれ気づくだろう。私は、そんなことを考えながら、二人の様子を見守っていた。そろそろ30分くらい経過しそうだった。そろそろ那奈を起こしてもいい頃だとは思ったけど、このままどこかに行ってしまいたい気持ちでもあった。今日は、放課後ということもあり、いつもより疲れていた。そんな私とは、対照的に向かいにいる女子高生たちは、まだ元気にはしゃいでいた。こんなにはしゃいでいるということは、まだ、2年生か1年生なのだろうか?

 よくわからないけど、二人は、とても周りから目立つ存在になっていた。二人ともただ、うるさくて目立つという感じではなく、何かオーラのようなものが出ている感じがしていた。それにしても、このまま那奈を起こさなかったらいつまででも目的地につかないんじゃかとすら思えてきた。

 私が乗っている電車の終点到着時刻を確認すると、残り30分後。ここで起こしても起こさなくても30分後に止まるのか。なんとも言えない判断を迫られていた。まだ、目の前の女子高生たちは楽しそうに話している。すると、目の前にいた優等生風の女子高生が定期がないことに気がついたようだった。慌てながら探す。私は、言うかどうか迷った。言いたくないわけじゃないけど絡まれるのはめんどくさかった。けど、言わないのも違うかな、、、、。迷ったあげく、おそるおそる声をかけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ