表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/75

11月8日 涙

 いよいよ明日。私たちは、ホントに再開できるのだろうか?


 ー11月7日ー


 高田「そんなんでいいの?」

 私 「どういうこと?」

 高田「那奈の場所なら、知ってるよ」

 私 「えっ?」


 高田は、何を言っているのだろうか?


 高田「ハハハハ」


 心の底から笑っているようだ。


 私 「なによ」

 高田「どうする?那奈の情報ほしい?」


 私を査定しているようだ。


 私 「当たり前でしょ」

 高田「あんまり、私を安く見ないでよ」


 高田の表情がガラッと変わる。


 私 「ん?」

 高田「別に、新谷の情報なら、他の人に頼めるから」


 さっきまで優しかった笑顔が嘘みたいだ。でも、ここでひくわけにはいかなった。


 私 「お、お、おしえてよ」


 高田は、少し落ち着いた表情に変わっていた。


 高田「じゃあ、次の月曜日までに学校に呼んでくれたらね」

 

 明日から、土曜日だから後2日しかない、、。なんとかなるか?いや、なんとかしないと。


 高田「2日しかないねぇ。どうする?」

 私 「わかった、なんとかする」


 いつしか、相談をもちかけられた、高田と私の立場は、逆転していた。


 高田「なーんて冗談だから、気にしないで。ハハハハ」


 高田は、あどけた笑顔で笑って見せた。まるで、私を騙すかのうように、純粋だ。


 私 「えっ?」

 高田「那奈は、家にいるよ」

 私 「、、、。東京にいるんじゃないの?」


 高田の話に私の理解がついてこない。どういうこと?いつしか、私の感情が溢れ出てしまった。


 高田「月曜日から、学校に戻ってくるよ」

 私 「そ、、、、そうなんだ」


 私は、涙がこぼれ落ちた。


 蒼井「楓、大丈夫?」

 私 「‥‥」


 後ろにいた蒼井が心配そうに駆け寄ってくる。


 私 「大丈夫だから、、、」


 上手く頭が回らない。私のことを察したのか、高田は、1歩2歩と自分の席へと戻ろうとした。


 私 「どこ行くの?」

 高田「ん?用事だよ」

 私 「‥‥」


 高田は、後ろを振り返りながなら話をした。


 高田「まだ、聞きたいことあった?」

 私 「いや、、、、」

 高田「月曜日になったら、全てがわかるからそれまで待てば?」

 私 「うん」


 まさか、とは思うけど。月曜日から、ホントに那奈は来るのだろうか?ポケットから取り出したハンカチで涙をふくばかりであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ