11月8日 涙
いよいよ明日。私たちは、ホントに再開できるのだろうか?
ー11月7日ー
高田「そんなんでいいの?」
私 「どういうこと?」
高田「那奈の場所なら、知ってるよ」
私 「えっ?」
高田は、何を言っているのだろうか?
高田「ハハハハ」
心の底から笑っているようだ。
私 「なによ」
高田「どうする?那奈の情報ほしい?」
私を査定しているようだ。
私 「当たり前でしょ」
高田「あんまり、私を安く見ないでよ」
高田の表情がガラッと変わる。
私 「ん?」
高田「別に、新谷の情報なら、他の人に頼めるから」
さっきまで優しかった笑顔が嘘みたいだ。でも、ここでひくわけにはいかなった。
私 「お、お、おしえてよ」
高田は、少し落ち着いた表情に変わっていた。
高田「じゃあ、次の月曜日までに学校に呼んでくれたらね」
明日から、土曜日だから後2日しかない、、。なんとかなるか?いや、なんとかしないと。
高田「2日しかないねぇ。どうする?」
私 「わかった、なんとかする」
いつしか、相談をもちかけられた、高田と私の立場は、逆転していた。
高田「なーんて冗談だから、気にしないで。ハハハハ」
高田は、あどけた笑顔で笑って見せた。まるで、私を騙すかのうように、純粋だ。
私 「えっ?」
高田「那奈は、家にいるよ」
私 「、、、。東京にいるんじゃないの?」
高田の話に私の理解がついてこない。どういうこと?いつしか、私の感情が溢れ出てしまった。
高田「月曜日から、学校に戻ってくるよ」
私 「そ、、、、そうなんだ」
私は、涙がこぼれ落ちた。
蒼井「楓、大丈夫?」
私 「‥‥」
後ろにいた蒼井が心配そうに駆け寄ってくる。
私 「大丈夫だから、、、」
上手く頭が回らない。私のことを察したのか、高田は、1歩2歩と自分の席へと戻ろうとした。
私 「どこ行くの?」
高田「ん?用事だよ」
私 「‥‥」
高田は、後ろを振り返りながなら話をした。
高田「まだ、聞きたいことあった?」
私 「いや、、、、」
高田「月曜日になったら、全てがわかるからそれまで待てば?」
私 「うん」
まさか、とは思うけど。月曜日から、ホントに那奈は来るのだろうか?ポケットから取り出したハンカチで涙をふくばかりであった。