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12月7日 学校鬼ごっこ7

 私は、いつものように那奈の姿を後ろから眺めていた。後ろから見る那奈は、病気前に比べると、とても元気みたいだ。実際、何を考えているかはわからないけど、那奈がいるだけで私は安心してしまう。高校卒業した時、私はどんな感情で大学にいるのだろうか?


 ー12月1日ー


 私と那奈は、それぞれ前後の扉へと別れる。那奈からは、教室に入ってきた瞬間、廊下に出るように告げられた。もし、後ろの扉からも入ってきたら、、、、。そう考えると、どこか不安になっていた。でも、那奈は、そんな私と真逆だった。何かの不安を抱えているというのは一切感じられない。むしろ、楽しんでいるように見える。

 捕まったらどうしよう?逃げきれるのか?不安は考えれば考えるほど募っていく。私は、心臓の鼓動が高鳴るのを感じる。私たちの教室に近づく足音は、小さくなっていく。そして、扉前で止まる。扉前には、おそらく2人。ガラス貼りの扉からシルエットが見える。

 前方には、満面の笑みの那奈がいた。廊下にいる2人は、鍵を開けようとする。実は、さっきの定本、辰巳、寺崎たちが教室を出て行った後、内側から扉が開かないように机をすぐ横に置いていたのだった。当然、外からは開かないと思っているだろう。

 外からは、鍵を開けている音となかなか開かないという声が広がっていた。でも、開かないのもそのうちですぐに終わってしまう。あっ!!!どうやら、力ずつで開けようとしている。もう、ダメだ。必ず前の扉は、開く。私は、扉が開いた瞬間、教室を出ていくイメージをした。おそらく、教室を出て右に進むと、すぐに階段がある。左に行くと、前方にいる二人に捕まる可能性が出てくる。

 そうなると、階段の方に行くしかない。この階は、4階だから、降りるか上がるか。3階に降りたら、みんながいる2階に近づく。しかし、その分、人が多くいる気がする。でも、5階に行ってもただ逃げるだけの気がする。その分、他の人もいないとは思うが。捕まらないためには上がった方がいい。

 いろいろ考えた結果、一旦捕まらなそうな5階に上がることにした。ガン!!!!!!大きな音が鳴って扉が開き二人が入ろうとしてきた瞬間、私は、扉を開け、階段方向へと走り始めた。後ろを振り向くと、他の人がいない。誰も来ていないということは、もう、那奈は捕まったのだろうか?那奈のことは気になったけど、まずは、誰もいない5階に向かうことに決めた。

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