12月6日 学校鬼ごっこ6
私たちは、いつものように宿題をしてから、自主勉強をすすめていた。今日は、数学の問題集ということもあり、いつもより早く進めることができた。
ー12月1日ー
那奈「そろそろ、動こっかぁ」
私 「どうせなら、時間までここにいたら?」
那奈の案を否定するように話を始めた。学校鬼ごっこが開始して30分。
那奈「えー。そんなの面白くないじゃない」
何が面白くないのかがわからない。
私 「そうなの?」
那奈は、前髪をいじりながら、私の質問に答えた。
那奈「うん。楓のやってることは、ただの"かくれんぼ"になるし」
たしかに、ここにいたら"かくれんぼ"になる。
私 「ダメなの?」
那奈「ダメじゃないけど、捕まった人、助けに行こうよ」
やっぱり、私と那奈では発想が全然違う。どう考えたら、捕まえた人を助けようということになるのだろうか?那奈を見つめながら考えた。
私 「作戦あるの?」
那奈「作戦はないけど」
作戦はないのか。なんだったんだ、さっきの発言は。
私 「ないのかい」
那奈「捕まった人は何階にいるの?」
那奈の言う通り、捕まった人を助けるなら、何階にいるのかは大事だ。
私 「最初の話だと、2階じゃないかな」
始まる前に、沢田が言っていた。ゲームを考えた張本人は、今どこで何をしているのか。まだ、逃げているのか。それとももう捕まってしまってるのか。
那奈「2階かぁ」
おそらく、捕まった人がいるのは2年6組の教室だと思う。あの教室は今は使われていないからだ。今の2年は、5組までしかない。
私 「どうする?いくの?」
那奈「うん。行こっか」
私は、那奈が歩き出すのを待った。那奈は、上履きの紐を軽く閉めたみたいだった。そして、廊下へと歩き出す。ダンダンダン!!明らかに足音が近くになってきているのがわかる。
那奈「楓!!後ろ」
私 「えっ?」
すぐさま後ろを見たが、後ろには何もない。
私 「どうしたの?」
那奈「那奈は、後ろの扉から出ていきなよ」
足音は、さらに近くなってくる。
私 「どう言うこと?」
那奈「早く!!」
那奈に言われるがまま、私は後ろの扉の近くに向かったのだった。那奈は、前の扉の近くに構えた。前の扉から、誰か来ると思ったのか。




