12月4日 学校鬼ごっこ4
今日は、図書館での勉強。シャーペンを立ち止めると、周りの視線が気になる。だから、できるだけ手を止めないように集中し続けた。
ー12月1日ー
3人ほどの足音が聞こえる。バレそうだ。ゆっくり歩きながら、誰かいないか確認しているみたいだった。声から、定本、辰巳、寺崎がいる様に感じた。低い声の辰巳は、何やら手を叩きながら、俺たちが出てくるのを待っているみたいだ。
心臓の鼓動が高くなる。段々、足音が高くなってきている様に感じた。見つからないようにと祈るように心の中で唱えていた。すると、なんだか、気持ちが悪くなる。なんだか、不思議な気分だった。
定本「やっぱり、いないんじゃない?」
辰巳「まぁ、そうかもな」
定本は、歩きながらみんなに話しかける。
定本「なんで、理科室だったの?」
辰巳「いや、寺崎が入るなら理科室しかないって言うから」
辰巳の言う通りだ。那奈が理科室に決めたのは、他に入る部屋がなかったから。それだけだ。でも、このままだったら、騙せそうだ。
定本「寺崎!!」
近くにいた私は、ビックリした。
寺崎「なに?」
定本「なんで理科室なの?」
定本たちは、理科室に入った理由が気になるらしい。
寺崎「理科室以外は全て鍵がかかってるから」
定本「ああ、そういうことね」
もし、ここでこの三人を騙せたら、このまま勝ちきれそうだ。なんとなく、そんな気がしていた。
寺崎「でも、後ろにもいなそうだよ」
後ろにいた寺崎は、歩いてくる。
定本「はー。疲れたな」
寺崎「ホントだよ」
三人は探すというより、雑談をしているみたいだった。
定本「あと、何人残ってるの?」
寺崎「あと、7人くらいじゃないの」
あと、7人かぁ。私と那奈を除いたら、あと5人。沢田や中沢たちだろうか。さっき、別れた高田たちも捕まってなければいいけど。
定本「だいぶ捕まったね」
寺崎「いや、相当走りまわったからね」
私たちが知らないだけで、鬼は、相当体力を削られているみたいだ。
定本「たしかに」
寺崎「あとは、林と藤岡が捕まえてくれるでしょ」
まだ、他にも鬼がいることを忘れていた。
定本「そうだな。休憩しようよ」
寺崎「じゃあ、また違うところ探しにいこう」
定本「おっけぇー」
すると、3人は、教室を出ようとしたみたいだ。




