11月7日 高田真波
昨日の影響か、新谷が学校を休んでいた。蒼井は、朝からずっとその心配をして、私に話しかけてきた。
蒼井「楓、ホナ休んでるだけど、大丈夫かな?」
私 「うーん。昨日、何があったの?」
昨日のことを、深く聞くことにした。
蒼井「なんか、文化祭のことでもめてるらしくて」
私 「だろうね。新谷は、なんて言ってるの?」
出していた教科書をめくりながら、答えた。
蒼井「怒ってるっていうより、めんどくさいらしくて」
私 「そりゃあ、そうよね。新谷の性格ならそうなるよね」
新谷は、こだわりすぎるところがよくある。
蒼井「どうしたらいい?」
私 「本人が来ようと思うまで無理じゃないの」
蒼井「そうだけど、休んでたら文化祭の出し物決まるんだけどね」
私たちが、新谷の話をしていると、後ろから、声が聞こえてきた。背が高くショートカット。可愛らしい顔。声の主は、高田真波だ。
高田「いつ来るの?新谷は」
私 「知らないよ」
いつ来たんだろ?頭の中で、高田のことを考えていた。
高田「わからないと、こまるんだけど」
私 「本人に聞いたら?」
私たち、3年4組の女子は、大きく2つのグループに別れていた。1つ目は、寺崎、林、西野、藤岡、竹原がいるいわゆる陽キャのグループ。2つ目は、新谷、蒼井、佐々木、そして私もいるいわゆる陰キャのグループ。3年生になってから、常に私たちは敵対してることが多かった。その原因はシンプル。2つのグループをつなぐ那奈がいなかったからだ。
高田「私、連絡とることないから、難しいよ。楓たちから連絡してほしいの」
私 「ふーん」
高田「してくれるの?」
私 「してくれたら、なんかメリットあるの?」
珍しく、私は、高田を煽ってみた。
高田「なによ、それ」
私 「てか、なんで、そんなに新谷に来てほしいの?」
高田「クラスメイトなんだから、来てほしいに決まってるでしょ」
私 「天才のあなたも、そういう嘘はつくんだね」
蒼井「楓、もういいでしょ」
私は、蒼井の方をチラリと見た。嫌味を言われた高田だったが、嫌な顔を見せなかった。
高田「何してほしいの?」
私 「うーん。じゃあ、那奈がどこにいるから探してきたよ」
高田「‥‥」
何も答えられず俯いてしまう。
私 「あなたみたいに有名だったら、少しは情報入ってくるんじゃないの?」
高田「ハハハハ」
急に、高田は笑いだした。なぜ、笑っているのか私には、わからなかった。




