12月3日 学校鬼ごっこ3
私たちは勉強に集中をしていた。しかし、今日の数学の問題は、一筋縄では解けそうになかった。
ー12月1日ー
私たちは、理科室の中に入り、椅子に座っていた。
那奈「どうした?」
私 「ここ見てよ」
那奈「どこ?」
私の視線の先を那奈も見た。
那奈「ああー」
学校鬼ごっこが始まって15分が経過した。
那奈「これって、、、、」
何かに驚いているみたいだった。
私 「どうしたの?」
那奈「これって、先輩のだよね」
さっき、私が見ていた落書きの横には、別の落書きが書いてあった。
私 「うん。そうだと思うよ」
那奈「ここに書いてある名前の人、知ってる?」
私 「んー?」
机には、"喜早柚月"。と記されていた。
那奈「知ってるの?」
私 「知らないよ。逆に知ってるの?」
全く、私は知らない。
那奈「知ってるよ」
私 「知ってるの?」
那奈「当たり前だよ。有名だよ、喜早柚月」
有名人なんだ。私みたいな陰キャが知らないんだから、有名じゃないだろ。
私 「そうなんだ。どんな人なの?」
那奈「1つ上の先輩で、バスケ部なんだよ」
私 「バスケ部なんだ、、、、」
バスケ部って、たしか昨年、県大会を優勝していた時のメンバーかな?
那奈「真波の憧れの先輩みたいらしいよ」
私 「高田のねぇ」
あのBIG3の高田にも憧れる人がいるんだ。なんか、思っていたのとなぜか違っていた。
那奈「真波は、もともと他の高校からたくさんスポーツ推薦きてたみたいだけど、喜早先輩がいたから聖徳高校に決めたみたいよ」
そんなに喜早というのは凄いのだろうか?
私 「そうだったんだ」
那奈「真波は、意外なんだよね。そういうところ」
ダンダンダンダン。廊下から大きな音が聞こえる。
那奈「静かにして!!」
私は、声を顰めた。窓を挟んで、向こう側には3人くらいの生徒たちが話しているのが聞こえる。男子と女子がいるみたいだ。何を言っているのかは、完全にはわからなかったが、この教室が怪しいと言っているように聞こえた。那奈の指示で、座っていた椅子から、教壇の下にある空きスペースの中に入って隠れるようにしたのだった。廊下の生徒たちは、教室の扉を開ける音が聞こえた。心臓の鼓動が高くなるのがわかった。




