11月23日 合唱コンクール
3年3組の生徒たちは、ステージの上に上がっていく。
一番前に矢田がたった。身長は、155センチくらいあるだろうか?合唱コンクールは、聖徳高校の文化祭で毎年必ず行われており、優勝すればトロフィーがもらえるのだ。昨年度も、3年生が優勝した。優勝が発表された時、3年生は、涙して喜んできたのを見ていた。それほど嬉しいものなのか?私にはわからなかった。
私たちの座席のはるか後ろには、保護者席が設けられており、BIG3の矢田や3年3組の生徒を一目見ようと多くの保護者が座っていた。中には、写真撮影をしようと一眼レフのカメラを持っている人もいる。
3年3組。曲は、『きずな』。指揮者、矢田颯希。伴奏、湊谷渚。座席からは、大きな拍手が鳴り響いた。生徒会長による曲の紹介が終わり、ピアノの湊谷が座った。指揮者の矢田がお辞儀をする。再び、大きな拍手が。指揮棒の矢田は、構える。みんなは、笑顔で歌の体形に開いたよ。ピアノの湊谷と矢田は視線を送り合う。そして、ピアノの音が体育館に聞こえ始めた。
この曲は、数年前の学園祭ドラマの主題歌。たしか、クラスみんなで爆発事件を止める話だっけな?すごく感動した記憶だけはあった。3組は、とてもいい曲を選んだなぁと勝手に感心をしていた。すごいな。きちんと三部合唱になってるており、女子パートも迫力満点だ。
そして、ようやく1番パートを歌い上げた3組の生徒たちは、満面の笑みだった。男女三部合唱で、他のパートにつられそうになないのか?変な疑問が思いついた。
体育館は、暗く、スポットライトがあたっていた。約35名ほどの生徒が大きな口を開句。指揮者の矢田は、楽しそうに腕をふっていた。私は、席に座りながら、みんなを見つめていた。ここまで、9クラスが歌い終えていたが、その中でも、この3年3組の合唱はすごかった。
曲も後半。勢いと歌声は徐々に大きくなる。聞いていた私たちも3組の歌声に飲み込まれていく。指揮者の矢田も付随するように指揮の動作も大きくなる。このクラスの一体感は、すごい。私だけでなく、横にいた那奈や前方の高田や寺崎たちも圧倒されるように聞いていた。
曲は、クライマックスに。前列の生徒はまるで揺れるように体を動かしているみたいだ。指揮者の矢田は、だんだん指揮の棒を振るのが遅くなる。そして、体育館からは大きな声援に包まれてた。歌い終えた生徒たちは、達成感に満ち溢れていた。




