11月22日 依存
明日は、文化祭。午後からは、授業をせず、文化祭の飾りつけや合唱練習が行われていた。慌ただしく、高田や寺崎たちが動いていた。私は、机からみんなの様子を見ていた。やっぱり、那奈が戻ってきてから、教室の雰囲気が違う気がする。これまでは、殺伐とした雰囲気から楽しい雰囲気へと変わった。それが、那奈の影響かどうかはわからない。
それでも、このクラスの状態がとても嬉しかった。でも、自分で何もできなかった悔しさもあった。私は、遠くから那奈の姿をずっと見つめていた。那奈は、寺崎や林たちといっしょり輪飾りを並べていた。
高田「どう、那奈は?」
私 「どうっていわれてもね、、、。普通だよ」
私は、回答に困った。
高田「そっかぁ」
私 「何よ?」
目の前にいる高田の姿は、どこか不機嫌そうだった。
高田「てっきり、山川さんだったら、那奈のこと、もっと知ってるもんだと思ったよ」
この発言は何を意味するものだろう?
私 「そんなに知らない風に見えるの?」
高田「見えるというより知らないのよ」
なるほど、、、、。彼女の言うように、もしかしたら、私は那奈のことを知ったきになっていただけなのかもしれない。彼女のことを自分の思い通りにしたかっただけなのかもしれない。
私 「えっ、そんなとこない」
とっさに口から出た発言は、自己防衛した言葉だった。
高田「私たちとそんな変わらないよ」
彼女の目は真剣だ。
私 「‥‥‥」
だんだん、何も言い返せなくなる。
高田「いつまでも、そんな感じだったら変わらないよ」
たしかに、彼女の言う通りだ。でも、彼女の言うことを簡単に受け入れることはできない。
私 「どういうことよ」
必死に言い返すが、、、、。
高田「いつまででも、那奈がアナタにかまってくれるかどうかってことよ」
私の心が少しずつ、砕けそうになっていく。
私 「じゃあ、高田さんは違うの?」
言い返す自分でいっぱいになってきた。
高田「私は、那奈に依存してるわけじゃないし、七海や颯希みたいに高めあえる仲間がいるから」
たしかに、彼女は、惰性で友だちと連んでいるわけではない。
私 「あっ、そう、、、、」
もう、何も反論することはできない。
高田「大事にしなよ」
そう言って、高田は、寺崎と再び教室の飾りつけを手伝い始めた。




