表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/75

11月19日 煽り

 昨日に続き、合唱練習は続いていた。


 高田「那奈、最近どう?」

 那奈「うん。大丈夫だよ」


 休憩中に、指揮者の高田はソプラノパートの私たちのところにやってきた。相変わらず、今日も高田の髪はツヤツヤしていた。私の髪とは大きな違いだ。


 高田「そっかぁ。安心だよ」

 那奈「ありがとうね」


 那奈は、とても穏やかな目をしていた。


 高田「いえいえ。那奈が来るまで大変だったんだから」

 那奈「えっ、どういうこと?」


 ドキッとさせられた。あの日のことを高田から晴れてくるとはな。


 高田「ねぇ、山川さん?」

 私 「う、、、うん」


 上手く言葉にできない。


 高田「いろいろあったのよ那奈」

 那奈「そんなの言われると気になるじゃない?」


 たしかに、あの日のことはあまり言えない。


 高田「ダメダメ、ひみつ」

 那奈「えー」


 "那奈"。向こうから、寺崎や林たちが呼んでいた。那奈は、文句を言いながら、前に向かった。机の椅子に座りながら那奈の姿を見ていると、高田が話しかけてきた。


 高田「まだ、言ってなかったの?」

 私 「何が?」


 那奈は、いなくなったが、変わらず私に話しかけてきた。


 高田「あの日のこと」

 私 「なんで言わなきゃいけないのよ」


 相変わらず、私を煽ってくる話し方は、あの日のままだった。昔から、こんな感じだったのかな?


 高田「あっ、、そう」


 どこか寂しそうにしていた。


 私 「なに?」


 弱みを出さないように強めに言い返した。


 高田「いや、意外とおとなしいんだね」

 私 「どういうことよ?」

 高田「那奈がいなかったら、あんなに怖かったのに」


 どうやら、那奈がいる時といない時で、私の態度が違うといいたいのだろうか?


 私 「それ、どう言うこと?言いようによったら、ケンカ売ってることになるけど?」


 机の角を持ちながら、高田を見つめた。


 高田「そんなこと言ってないよ、怒んないでよ」


 何を言っていいかわからない。


 私 「‥‥‥‥」


 私は、話せなかった。


 高田「別に、山川さんに恨みがあるわけじゃないし」

 私 「じゃあ、なんで突っかかってくるのよ?」

 高田「突っかかってきてないよ。暇なのよ」

 私 「は?」


 話が噛み合わない。


 高田「山川さんみたいに、あんま関わっていない人と関わりたいのよ」

 

 高田が何を言いたいのか全く理解できなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ