11月17日 合唱練習
今日も文化祭の練習が続いていた。アルト、ソプラノ、男性パートの3つに別れており、それぞれのパート別で練習をつんでいた。同じソプラノには、那奈、新谷、蒼井たちがおり、楽しそうに歌っている。
少し離れたところには、アルトの寺崎、林、藤岡たちがいた。まるで、この前、新谷とかとのいざこざがなかったのような笑顔だ。切り替えが早いのか、思っているけど口に出さないのか。私にはわからなかったけど、彼女たちの凄さは見習いたいものだった。
アルトの奥には、男性パートの男子たちがいた。しかし、アイツらは全く練習をせずダベっていた。それもそのはず。クラス中心の沢田や中沢たちが率先して遊んでいたからだ。他の男子たちも真似するように、話していた。今は、部活も引退しているし、勉強しかすることがない彼らにとって、いい休憩になっているのだろう。でも、彼らが本気出したら凄いんだろうななんて考えてしまっていた。
そして、男子の前方の方には、指揮者の高田がピアノ担当の西野と合わせながら指揮の練習をしていた。高田といえば、那奈が帰って以来、話していないな、、、。気にしていないと言えば、嘘になるが、あんなにケンカ腰の高田は始めただった。あれが、本性で普段の高田は、偽りなのか?あれから、どこか彼女にビビっている自分がいた。しかし、那奈や新谷は平然と話している。二人はおかしいのか?それとも自分か?
ピアノ担当の西野は、3年連続とかだった気がする。私もピアノは弾ける。高校1年、2年と弾いてきたからだ。私は、別に弾きたかったわけじゃないから、いい。しかし、なんで西野が立候補したのかは知らない。これまでの2年間で弾いていたらわかるのだけどな。不思議で仕方がなかった。西野は、小さなピアノを軽やかに弾いてみせた。
私も、那奈に〈なんで、ピアノを弾かなかったのか?〉と問い詰められた。もしかしたら、那奈は私に弾いてほしかったのかもしれない。昨年も私が弾いてるのを見ていたし。そう言ってもらえるのも嬉しいけど、西野たちみたいな陽キャには敵わないのが本音だ。
ヘタに余計な一言を言ってしまうと、それこそ敵になってしまう。中学校の頃から、人と関わるのをやめた。そうしてしまえば楽になる。そんな中で、那奈と出会ってしまった。そして、もう一度人と関わる人生にも戻ってしまった。嬉しいけど苦しい道に入ってしまったのだ。どうしたらいいのだろう?私はわからないでいた。




