11月14日 理由
いよいよ、今日から、合唱練習が始まった。しかし、肝心の新谷は、学校を休んでいた。昨日は、来ていたのにな、、、。
ー11月11日ー
新谷「なんでって、言われてもなぁ、、、」
私 「理由あるんでしょ?」
私たち3人は、なぜ、新谷が合唱がいいかという話題をしていた。
新谷「まぁ、なくはないよ」
私 「じゃあ、教えてよ」
新谷「えー。嫌だ」
どこか寂しそうに机を見ながら、持ってきたお茶を渡してくれた。
私 「教えてよ」
新谷「うーん。まぁ、いいけど」
少し曇った表情を見せた。
新谷「文化祭の日、法事あるんだよ」
私 「法事ってお母さんの?」
新谷のお母さんが亡くなったことは、以前聞かさせれていた。
新谷「うん」
私 「そっかぁ、、、」
人の命に関する話題は、簡単に話せないのが本心だ。
新谷「だから、早く終わらないと間に合わないの。合唱だったら、早く帰れるでしょ?」
私 「あー。そういうことかぁ」
なぜ、新谷が合唱に固執しているのかよくわかった。
新谷「そうなのよ」
私 「だから、ジャンケンもしなかったんだ」
新谷「うん」
ジャンケンだったら負けてしまう可能性がある。それだったら、やらないのも一つの選択だろう。
那奈「じゃあ、合唱でいいじゃない」
ペットボトルを触りながら、那奈は話した。
新谷「まぁ、そうなるといいけどね」
那奈「私が言っといてあげるよ」
こういう時の那奈は、一旦言ったら聞かなくなる。こんなに断言して大丈夫だろうか?少し不安になった。
新谷「ありがとう」
那奈「フフフ」
満面の笑みで新谷を見た。
新谷「どうしたの?」
那奈「いや、直接言ったらいいのになって思って」
この那奈の発言に私も笑いそうになった。不器用な那奈らしい発言だった。
新谷「そんなの言えないよ」
私 「そうかな?私も那奈に同感だけど」
私も那奈の意見に賛同しだ。
新谷「だって、寺崎は両方したいんでしょ。その気持ちよわかるし」
私 「うーん。二つもしなくていいでしょ」
キッパリ話した。
新谷「まぁ、それは楓の意見でしょ」
私 「そうだけど。新谷もそう思わないの?」
新谷「思わないよ。自分の考え押し通しても仕方ないし」
私や那奈より、ずっと新谷は大人だった。




