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使い魔登録へ その1

 妖怪学院――。

 大吾は狐白に連れられ、巨大な山門の前に立っていた。


「す、すげぇ……城じゃん……」


「ここが私の学校。あの……その……」


 狐白はもじもじと大吾を見た。


「さっきは……勝手に“買って”しまって……本当に、ごめんなさい」


 尻尾もしゅんと垂れている。


(……この子、本当に悪気なかったんだな)


 大吾は苦笑した。


「いや、まあ……助かったのも事実だしな。

 ……ありがとうな、その……助けてくれて」


「っ……!」


 狐白は驚いた顔のあと、少し安心したように微笑んだ。


「そうだ……お互い、まだ名前を言ってなかったわ」


「そういやそうだな」


 大吾は胸を張って言う。


「俺は後藤大吾ごとう・だいご。ただの人間――だった」


「私は狐白こはく。白家の……まあ、ちょっとだけ名門の娘よ」


「ちょっとだけって」


「ちょっとだけよ!」


 二人は思わず笑った。


 ――そのわずかな和らぎが、

 これからの長い旅の始まりだった。


「ここで“使い魔登録”の許可をもらわなきゃいけないの」


「登録って何すんの?」


緊箍児きんこじって呼ばれる“使い魔と主を繋ぐ道具”を使うの。

 でも……私は召喚に向いてない体質だから……」


 狐白は罪悪感と不安で眉を寄せた。


「本来は“自分で召喚した使い魔”を登録するのに……

 私は、それができない。

 だから……あなたを買って、代わりに……」


「……大丈夫だって」


 大吾は笑った。


「ここまで来たら、付き合うよ。

 しばらく行くあてもねぇしな」


「大吾……」


 狐白は胸を押さえた。

 その仕草は、罪悪感が溶けていくようでもあり、

 ほんの少しだけ嬉しそうでもあった。


・・・・



「ほう……狐白。ようやく使い魔を連れてきたか」


 白髭の教師が現れ、大吾を見て目を丸くした。


「これは……珍妙な生き物だな」


「珍妙って言葉、こっちの世界で流行ってんの?」


「猿のようでいて、毛がない……新種か?」


「せ、先生!この子は東方の島に棲む“霊猿”です!

 希少で、契約性が高くて……その……扱いやすいんです!」


(扱いやすいって言うな!)


 大吾は必死に顔だけは“従順そう”を装った。



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