#67 興味深々
遅くてすいません。
柳監督の指示で私達、小鳥遊姉弟は
主要メンバーテーブルに着くことになった。
気まずい事にムサシとリエンヌのホボ正面。
☆
嘘でしょう…なにアレ。必死に頑張ったけど
視線が強引に引き寄せられちゃう!?
ビチッとしたTシャツ?はムサシの上半身の
ラインをくっきりさせて、締まった腹部と
ウエストが一段と胸部の盛り上がりを
目立たせてる。
右胸左胸の間の布地がパーンっと張って
浮いている…ちょっとペンペンって、叩いて
みたい。それにしてもどこで売っているの
だろうか、あのTシャツ?
さっきのコスプレも激ヤバだったけど
いま着てるTシャツ?も激ヤバ!
ヤバっ、気づかれた、見ちゃ駄目なのに…。
あの娘が無表情でグリーンアイを
少しだけ細めて私を見つめる。
絶対に怒ってるよ、控え室の時もムサシの
胸のメキメキに視線を向けたら一瞬だけど
私を睨んでた…。
ヤバイ、これ以上機嫌を損ねる様な事は
絶対に駄目だ。
瑠衣の芸能人生が破滅しちゃう。
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。
目をそらさなくちゃ駄目なのに、それでも
ムサシの巨胸に目が吸い寄せられる。
胸板が厚いどころではない、本当に左右の
胸がもっこりしてるの!!
ヒッ、リエンヌさん?ちゃん?目が怖い。
私は向けられた視線に気が付かないふりを
して顔を背けるしかなかった。
ホントに私はムサシに恋愛感情は無い。
例えるなら週刊少年漫画雑誌のアイドルの
グラビアを見てるみたいな…そう言えば
瑠衣もやったね。
☆
隣の瑠衣が話しかけて来るが内容がどうにも
頭に入らない。
適当に返事を返すが、どうしても私の正面に
座るムサシの巨胸に視線を向けてしまう。
ムサシの胸の小玉スイカ反則だよ、私よりも
大っきいなんて…。
さっき見た胸ぐりが鳩尾の服の時は谷間の
メキメキ、今度は胸の出っぱりの張り出しが
視線を、ダメよダメダメぇ抗えない。
悪魔の双丘が私の目を引き寄せる。
☆
「ムサシ兄ちゃん、男なのにおっぱい?
大っきいね。」
「凄い筋肉してる…さわって良い?」
ナニヤッテンノあの子供達は、ムサシの
両隣の子供達がムサシの巨胸を気軽に
ペンペンしてる、ペンペンしてるぅ!
クゥ〜ウラヤマ、ゲフフン、落ちつけ私。
手元に置かれた、コースターに置かれたコップ
に結露が浮くほど冷えた水が入っている。
とりあえず水を一口含み飲む瞬間、チラっと
ムサシを見た私の目に飛び込んできたのは
神の御業か悪魔の所業か!!
巨胸がビックンビックンと交互に上下に動き
次にドゥンドゥンと同時に上下に動いたのだ!
「プ〜ッ、ゴッホ、ゴッホ、カヒュー」
あまりの衝撃光景に飲みかけの水が気管に
入り、盛大に吹き出しむせてしまった。
「うわっ、キチャナいよ〜っ!」
ヤバイヤバイよぶっかけちゃった、でも
対処できる状態じゃない。
ゴッホ、ゴッホ、ゲフーとむせ続けていると
心配した瑠衣が姉さん大丈夫?!って背中を
トントンってしてくれる。
「鼻垂れてんで、拭きや!」
声が聞こえると同時に、目の前にテッシュが
差し出されビックリしたが
「あじがどう。」
何とか声を絞り出してテッシュを受け取り
鼻と口を拭う。
関西弁の優しい娘は山野沙月ちゃん、今回の
劇場版で魔大陸開拓村の雑貨屋の娘役で
所属事務所は小角さんと一緒だ。
プロフィール紹介されている劇場版関係者
だからチェックしてある。
黒髪ツインテールで顔立ちは整ってるけど
度の強い眼鏡を掛けていてちょっと勿体ない。
着ている黒のTシャツ正面は威嚇するかの
様にライオンの顔がプリントされて、大阪の
おばちゃん達みたいだ。
「女はな、男の前で鼻垂らしたらアカンでぇ!」
ウチのママが昔よう言うとった、きおつけや〜っと
言い、小角さんとマッチョメの間にピョコッと
引っ込んだ。
この発言にどうやら山野沙月ちゃんも昔、男の
子の前で頻繁に鼻を垂らしていたと皆が知った。
呼吸の落ち着いた私は直ぐに立ち上がり
前方に向かって頭を下げて謝罪をする。
「申しわけありません、すいませんでした。」
まぁ、ハプニングはあったけどサッちゃんの
自爆発言と小鳥遊姉の謝罪で、無事揉める事
なくプ〜ッ事件は解決。
僕だって水を飲ん出るときにビックンドゥンを
見たら、まぁ吹き出したと思うよ。
☆
「劇場版製作委員会発動だぜ!
好きな物食ってくれ、
オススメの麻婆豆腐マジで旨いぞ。」
兎に角、麻婆豆腐押しの柳監督。
「そうね、好きな物は食べて良いけど
お酒は駄目よ。」
お酒の席は近い内に用意するから、今は
我慢してねって言う茉莉花社長にパチパチと
贈られる拍手。
各テーブルごとに3台のタブレットが
置かれていて、それで注文を送信。
「大皿とハーフサイズがあるね。」
多種類を食べるならハーフサイズ、でも皆で
取り分けすれば大皿でも良いねとライトが提案。
全員がその案に賛成したから、ライトが
代表して注文をすることになった。
「コーラ2つにオレンジジュース2つ、後は
アイス黒烏龍茶を6つ…」
手際よくタブレットに打ち込み送信。
柳監督が一押しする麻婆豆腐も取皿10の
セットで送信する。
「海老マヨに海老チリ、棒々鶏サラダ…」
皆の意見で追加注文をセット、ライスは
小ライス2つに中ライス8つを注文。
後は食べ進めながらの注文となった。
いっぺんに頼んで食べ切れなかったら
駄目だよね。
☆
「「「うわぁ~いい匂い!やな!」」」
次々と運ばれてくる料理の薫りが、育ち盛り
の小学生組の食欲を刺激する。
丸テーブルの中心に添えられターンテーブル
に麻婆豆腐と海老マヨに海老チリ、棒々鶏の
サラダが置かれ取皿がデデンと山積みされる。
取り分けられた料理の小皿を各自手元に
置き、紙エプロンをするといただきますの
合図を待つ。
皆の視線が僕を見つめる…僕待ちだったの?
「いただきます!」
恥ずかしいけど大きな声で言うと、僕の
いただきますに続いて皆もいただきます
と声を上げる。
☆
「美味しいけどごっつう辛い〜っ。」
隣のサッちゃんはハヒハヒしながらも、小皿の
麻婆豆腐をライスと一斉に平らげていく。
「コレの辛さ、ピリピリ感強いね!」
「うん、ピリピリ感かなり強い!」
でも、「「美味しい!」」 ってハモる私と
ライト。
「アラ仲良いわね、リーンお姉ちゃんも
混ぜて欲しいわ。」
猫屋敷リーンさんがライトの隣から
ピョコッと顔を出して話しかけてきた。
栗色のショートウルフヘアーに青く大きな瞳。
シュッとした鼻筋、キリッとした口元に
笑みを浮べ、私とライトを興味深々で
見つめる人気シンガー猫屋敷リーン。
あ〜コレは私達の関係をイロイロと
聞かれるやつだ。
私はそっとライトを見つめた。
午後1時35分
宜しくお願いします。




