#66 ビックンドゥンとご挨拶!
お待たせでやんす。
よろしくお願いします。
大楼飯店の個室に案内されたワタシ達は、三角形に配置された三卓ある丸テーブルの一角に座る。主要メンバーが勢揃いのテーブルだけど…ムサシのほぼ正面に座る小鳥遊姉弟。アノ女、チラッチラッとワタシのムサシを見てる…。
ワタシ達の両親と柳監督に霞さん古堤さん、そして年配の声優達は別々のテーブルに座る。
ワタシはムサシの隣に座るはずが間に、みっちょん(小学三年生絹谷美琴)が入りこんできた。
古参メンバー子役三人衆の1人で、TVシリーズの役がらは森のフクロウ亭の宿屋の一人娘マロン。冒険者をしているライトとリエンヌと度々絡む元気っ子キャラを演じているが凄く出番は少ないんだよね。
仕事で会うたびにみっちょんはワタシに抱きついて甘えてくるかわゆしチビッ娘。
でもマロンの出番は8ヶ月前に終わって、みっちょんはワタシ達の前から姿を消した。
3ヶ月前に劇場版のオーディションで再び、みっちょんや仲の良かった龍くんにサッちゃんが抜擢されて再会を喜び、そしてワタシの痩せた姿に驚いていたんだ。
今回、劇場版ETERNAL✮LOVERS星の旅立ち激闘編で、腹を減らし行き倒れ寸前の若き拳豪ムサシ・ガンリュウを海浜のシーバス村の兄妹が拾い助ける。みっちょんは気弱な妹のマール役を演じる。
でも肝心のマッチョメ、ムサシが見つからず劇場版制作は暗礁に乗り上げちゃった。
そして昨日、西恩寺家にマッチョメとムサシがやって来た!
で現在に至るんだけど、アノ女がまだチラッチラッとムサシを盗み見ている。
何とかしたい…。
☆
「リエンヌ姉ちゃんはムサシ兄ちゃんと
恋人同士なの?」
前髪パッツンのショートヘアー、クリクリのお目々が好奇心マシマシでワタシを見る。
本社一階でお姫様抱っこを見てるだろうけど、ココに運ばれる時のお姫様抱っこもガンミをしてたもんね。
ふひ〜っ、なんて嬉しいことを良いタイミングで聞いてくれるのだ。みっちょんの問にワタシはアノ女に聞こえる様に、ちょっと大きな声で、
「わかっちゃう、わかっちゃうよねぇ。」
できたてアツアツホヤホヤの恋人だよって言うと、みっちょんはワタシにニコッと微笑み、ムサシをジロリと見る。
値踏みするかの様に、俺をジロリジロリと真剣に見つめるみっちょんと呼ばれる女の子。
俺の顔を見て胸を見てを何度もくり返す
「ムサシ兄ちゃん、男なのにおっぱい?
大っきいね。」
ビチッとしたTシャツがムサシの巨胸をドゥンと強調している。
腕もムキッとして中々の太さだけど、胸の二つの大きな盛り上がりが一番目立つ。
みっちょんは隣に座るムサシの左巨胸をペンペンと気軽に叩く。
いぃ~なぁ〜っ、ワタシもペンペンしたい。
「んっ、スティサムに何か用かい?!」
優しくみっちょんに話しかけるムサシ。
スティサム?
「凄い筋肉してる…さわって良い?」
みっちょんに続いて、返事をまたずに
ムサシの右側に座る龍くんも、ペンペンと
右巨胸叩く。
富坂 龍一君、彼も
古参子役三人衆の1人で小学五年生。
もう一人の子役の山野 沙月ちゃん、小学二年生と組んで孤児兄妹、ロニーとシーラを演じた。
劇場版ではみっちょんと組み、シーバス村の
兄妹の兄リック役で出番マシマシ。
「ジェイスンが気になるのかな?」
ニカッと笑いムサシは龍くんに応じる。
スティサムってなに?
ジェイスンってなんの事?
不思議そうに見つめるワタシに気づいたムサシ。
「ジェイスンにスティサム、ご挨拶だ。」
そう言ってグッと胸を張るムサシ、次の瞬間!?
ビックンビックン、ビクククドゥンドゥンってビチッとしたTシャツ下の巨胸が激しく上下に動き震える!
「「うわっ、動いた生きてるぅ?!」」
みっちょんと龍くんの声がハモリ、そしてムサシの正面に座る小鳥遊姉が、飲んでいた水をプ〜ッと勢い良く吹き出し、ゴッホゴッホとむせりまくる。
ムサシのビックンビックンドゥンドゥンと動く巨胸に気を取られていたワタシ達に、勢い良く飛沫が降りかかってきた。
「うわっ、キチャナいよ〜っ!」
そう言ってみっちょんは、手前に置いてるオシボリで顔を拭う。もちろんワタシ達、ムサシに龍くんもオシボリで顔を拭う…。
☆
「アッチに座らなくて良かった。」
でも男の胸があんなに動くなんてボクは知らなかったよと、隣の僕の胸を見て言うリーン姉さん。
僕の胸は動かないけどね。
「危なかったね、ムサシの隣に座って
たら僕らも浴びてたね。」
って隣のマッチョメに言ったら
「ゴメンね、ムサシがヤラカシちゃって…」
苦笑いを浮べ、こっちに側座って良かったと
言うと、僕達の話を聞いていたのか
「じゃな、こっち側で良かったわい。」
小角さんはそう言って隣を見る…。
顔を真っ赤にしてゴッホ、ゴッホ、ゲフッと
むせる小鳥遊姉の姿。
気管に入ったんじゃろうな。
鼻まで垂れている…見なかった事にしようと
したが、ワシとマッチョメの間に座っている
サッちゃんがポシェットから
テッシュを取り出し、スッと小鳥遊姉に差し出す。
「鼻垂れてんで、拭きやっ!」
豪腕ストレートでテッシュをグイッと
差し出したサッちゃんであった。
午後1時15分
宜しくお願いします。




