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65/72

#65 続 度が過ぎた仕出かしは叱られるだけでは済まない。

短くてごめんなさい。


 「たかが子供のやった事なのにここまで

  大事にするのか?!」


鴨志田社長に吠えかかる鮫島潔は、子供達が

仕出かした事の拙さを理解していないようだ。


「子どもだろうが大人だろうが、やっちゃあ

 イカンことををやったんだ!」


私が大事にしたんじゃないぞ、ソコに

座る子達が大事にしてしまったんだぞっと

正座している子らを指差し、ガツンと

言い返す鴨志田社長。


 「後、勘違いしてもらっちゃあ困る、呼び

  出したのは私じゃない。」


説明をしてやってくれと秘書の桑山千秋に

頼むと言って、鴨志田社長はリビングの

ソファーに力尽きたかのように座る。


「こちらは、ソコに居られる佐々本部長が

 勤める会社、鴨志田食品工の代表取締役の

 鴨志田徹(かもしだとおる)社長です。」

 

今回の出来事で弊社に、如何ほどの損害が

発生するかを冷静に簡潔に述べる桑山秘書。


ラビット社との契約に、鴨志田食品工の

全社員及び一等親によるラビット社へ

対する業務阻害にイメージダウン等などの

損害を与えた時の取り決めを話す桑山秘書。


「遺憾ながら、佐々本部長の息子さん達が

今回、仕出かした出来事が契約内容に該当し

ております…」


そう言って、ちらりと正座する子達を一瞥し

鴨志田社長の座るソファーの右側に立つ。


「そして動画に関する人物を全員集めろと

 ラビット社からの指示だ。」


鴨志田社長が感情を感じさせぬ声音で

桑山秘書の後を引き継いで語る。



「佐々本部長、オリジナル動画を

 見せてくれ!」


 私はスマホにオリジナル動画を

 再生して、鴨志田社長に差し出した。



「私はもう行くが、午後2時にラビット社

 からの迎えの電話が来る…」


そう言ってオリジナル動画を見て、ゲンナリ

した顔の鴨志田社長は私のスマホを指差す。


「すまないが、動画投稿の当事者の親である

 君の電話番号をラビット社に伝えた。」


連絡が来たら皆を連れて行ってくれと

言い、ソファーから立ち上がり行こうとする

鴨志田社長。


「私は一足先に行ってるから後を頼んだぞ…

 佐々本部長!」


玄関まで見送りに行こうとすると、


「私の事よりも子供達と話をしなさい!」


そう言って鴨志田社長と桑山秘書は

出て行った。



どうしよう、どうしよう…大勢の中の1人に

なれば何とかなると思ったのに、そんな事な

かった。

帰ってから聞かされたのは、坂巻が守るあの

デブ外人女が父さんの働く会社の取り引き先の

社長令嬢だった事。

ヤバイヤバイヤバイ!!

父さんの言う通りに、コッチから手を

出しちゃいけなかっんだ。

1年前の坂巻の時の様に学校での話し合いで

終わると思ったのに…

何で父さんの会社の社長まで来るんだよ?

焦る勇気は隣に並んで正座している兄英雄を

見ると、真っ青な顔に紫色の唇でガタガタと

小刻みに震えていた。


綺麗な秘書さんが、こっちをチラっと見る…

ゾッっとした、目が凄く怖い。


秘書さんの説明を聞いてヤバイどころで

はないと気づいた。

払えるわけ無い借金をする事になると…



「もう時間が無い、大切な事を言っておく。」


そう言って父さんは皆を見ると、


「コレから行く場所で聞かれた事は正直に

 話しなさい、決して自身を庇う発言は

 するな!」


どんなに不利になる事でも正直に話せ、そして

心の底から謝罪しろって言うと、ドスンと

リビングの床に座り込んだ。



今になって俺たち兄弟と皆は

馬鹿な事をしたんだと自覚した。


父さんのスマホが着信音を響かせる。



午後2時00分




 宜しくお願いします。

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