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#55 ありふれたクズ達はゆっくりと転がり落ちていく

宜しくお願いしますでやんす!

ブックマークありがとうでやんす!

元気が出るでやんすよ!!


会社宛ても読み終わり、私は崩れ落ちる。


「そんな所にしゃがみ込んでる場合じゃない

 だろが!」


社長に言われたが立ち上がる気力がない…

取り引き停止に販売中の品、全て廃棄処分に

そして賠償金推定30億円だと…

会社が潰れてしまう。


「君はやらねばならん事があるだろ、直ぐ

家族に息子に連絡して関係者と動画のデータを

確保しろ、急げ!!」


会社宛てにも私の息子がした事が記載してあり

ラビット社との契約の中に、いかなる理由が 

有ろうとも自社の社員、又は関係者が

ラビット社のイメージを悪く減ずるならば

取り引き停止に賠償金を支払うと、契約した

旨が書かれてある。


百も承知だ、だって契約の場に私と社長も

居たんだから…渋るラビット社の代表取締役の

西恩寺茉莉花社長に此の条件で如何ですかと

こちらから提示した条件の1つだから反故は

絶対出来ない。


「なに座り込んでるんだ、しっかりしろ!

 話し合いの場があるんだぞ、まだ望みが

 あるかも知れないんだぞ!!」


社長が怒鳴り私は正気に戻る。

あぁっ、そうだ望みはまだあるかも知れない。

失礼しますと言いスマホを取り出して、妻の

香織に電話する。

ぷるるるぷるるるっと直ぐに繋がる。


「あらっ? どうしたのあなた?」


手短に話すが、動揺した香織はなにかの間違い

じゃないのかと取り合わない。


「兎に角、勇気を捕まえろ!」


家に居ないのか? って聞くと朝早くに友達と

映画を見に行くから居ないと…


「勇気に繋がるまで電話とメールをし続けろ」


こっちも家に向かいながら、勇気と連絡を

取り続けると言い電話を切る。


「佐々本常務、後の事はこちらでやっておく

 取り敢えず自宅に帰れ…私も1時30分に

 そちらに行く」


早く行けと言われ、失礼しますと社長室をでる。

自分のデスクに寄り、鞄を持ち社を出て

タクシー捕まえる。

普段は電車だが一刻も早く帰らねばならない。

私はタクシーの後部座席で勇気に電話をかける

駄目だ、留守録になってる。

ひたすらメールを勇気に送り続けた。



今日、悪友4人と映画を見に上野の東京シネマズ

に来ている。

現在の時刻午前9時5分で映画が始まるまで

後、30分ある。


「今の内、マナーモードでバイブは切っとけよ」


勇気が四人に言う。

以前に映画を見に行った時、映画の場面が

静寂でシーンとしてる時にブブブーブブブー

ってバイブ音が鳴り、周りからやな感じで

見られたからだ。

真也に靖男と康二はスマホを出して設定する。


「悪い、ちょっとトイレ行ってくる」


博史が腹を押さえながらトイレに向かう。

康二が急げよって声を掛けて


「何か飲み物買っとこうぜ!」


「まだ早くね、温くなっちゃうぜ?」


「ポップコーンどっちにしようかな?」


「悩め悩め、それがお前を大きくする」



アホな事を言いながら映画のグッズショップを

見て回る。


「おーい、大変だ!!」


博史が血相変えてコチラに慌てて来る。


「なんだよ~また流れないブツ出したのか?」


茶化す真也に笑う康二。


「流れないブツなんか出した事ねぇよ

 勇気、直ぐにスマホみろ!!」


ヤバい、ヤバいぞっと呟き泣きそうな顔の博史。


俺はスマホを起動させると


「なんだよこれ?! 父さんと母さんから

メチャクチャ着信とメールが受信されてる??」


父さんからまた着信だ…出るしかない。


「勇気、trialtubeに動画を出したか!?」


怒りに震える低い声で父さんが言う。

出したけど、もう2ヶ月前だし

今更そんなにマズイ事になってんの?


言い淀んでいると


「もういい分かった、動画の関係者すべてに

 連絡して家に呼べ直ぐにだ!

 2時迄に絶対くる様にだ!!」


勇気が父親と話してる間に博史は何が

合ったのか3人に伝える。


「俺、バイブ切ってなかったからメールが

 入ったの分かってさ、見たら母さんからで

 勇気君と一緒なら今直ぐにお家に帰るよう

 言いなさい! 勇気君のママに言われたけど

 あんたはtrialtubeは無関係なのかしら?」


何の事か分からないけど、大変な大事に

なってるみたいだから俺にも帰ってこいって…

ほぼ泣き顔の博史、俺は止めた方が良いって

言ったのにとぼやき出す。


「どうすんだよ勇気? 巻き添えは止して

 くれよマジで?」


真也が俺を睨みつけながら言ってくる。


「お前達だってアテレコする時、家に来て

 たじゃないか!!」


英雄兄貴が彼女と動画にアテレコする時に

一緒に見て、笑ってたじゃないかって俺が

言うと


「何言ってだよ、お前が俺達を呼び出したん

 じゃないか、忘れたのか?」


康二が赤鬼かって言いたくなるほど顔を赤くし

険しい表情で怒鳴ってきた。


怒鳴り合う俺達を周りの人達が迷惑そうに

ジロジロ見てくる。


「一旦でよう、映画見てる場合じゃない!」


真也の提案に外に出る。

博史が勇気の親は英雄さんの事知ってんのかな

って、知らなかったら、俺達だけの責任に

なっちゃうんじゃないのかな?



そうだよ!? 

元々は英雄兄貴の動画じゃん!

父さんは怖くて電話したくない…

慌てて母さんに電話をかける。


「あっ勇気、アンタ何したの、お父さんが

 trialtubeの動画がドウとかコウトカ

 言ってたけど…えっ、俺よりも英雄を探せ

 ホントに何なのよ?!」


通話を切る前に、早く帰ってきなさいって

聞こえた。


「おい、一緒に俺んち行くぞ!」


俺が声を掛けるが4人とも返事もせず、動こう

としない。


「勇気、さっきも言ったろ…巻き込むな!!」


真也に靖男に康二は俺を睨みつけ、博史は

地面に視線を落としてこちらを見ない。


「あのさー、お前ら勘違いしてない?

 あの動画は英雄兄貴のだって言わないと

 兄貴のコトだから、絶対にお前達にも罪を

 ナスリ付けて来るぞ!」


俺の兄貴はかなりヤンチャな人だ。

中学2年の時に3年生のヤバい先輩達と嘘告

遊びをはやらせた張本人。

ターゲットは当時、1年生の外人でぶ女

その時に撮った嘘告動画に手を加え俺にくれた。

俺達5人を立ち会わせ、リビングのテレビに

キャストで動画を映し、画面の外人でぶ女の

口の動きに合わせて英雄兄貴の彼女(かなで)さんの

吹き替えと、モザイクが顔に入った朽木先輩の

の吹き替えを英雄兄貴がする。

俺はテレビに映る映像を録画。

吹き替え済みの動画の完成、アプリを使わない

簡単編集だ!


ただちょっと焦った、録画が終わる直前に


「ただいまーあれっ靴多いね、奏さんの靴だ!」


妹の由香里の声が遠くから聞こえ慌てて録画が

終了。


「ヤバい、ヤバいギリギリセーフだなぁ!」


ニヤニヤしながら英雄兄貴は俺達を見下す様に

見つめ、後は勇気の部屋で話そうやと移動する。


俺と英雄兄貴は妹の由香里にヤンチャな

トコロを見せていない。

俺の1つしたの由香里は出来が良くて

進学校姫之城中学校の1年生。

英雄兄貴と俺は妹の由香里を溺愛している。

だから俺達の悪い所は見せられない。



俺の部屋で英雄兄貴は、今回お前らの手助けを

するのは鮫島が坂巻って2年のガキにボコボコ

にされたからだ…お前達も1年生の時に

ボコられたんだろ!



「鮫島がさぁ~外人でぶ女が痩せて綺麗に

 なったから…ブブブーハッ、告ったんだとよ」


ゲラゲラ笑う英雄兄貴に奏さん。


「だって痩せたからって元豚だったんでしょ!」


セミロングの茶髪にブルーのカラコンの奏さん。

クラスに1人か2人いるかどうかの可愛子ちゃん


鮫島さんは3年生の先輩で英雄兄貴の後輩だ。

後輩男子に優しく頼りになる先輩だ。

女子に対してはかなり厳しく、恐れられている。


「告ったのに…えーと、西恩寺って豚女が

好きな人がいるから付き合えませんって鮫島の

事を振りやがった」


で俺をフルなんて舐めんじゃねえって

ワカラセル為にシバコウとしたら、勇者って

呼ばれてる2年のガキにボコボコにされたって

言っててな。


「お前らも仕返ししたいだろ?」


コレがtrialtubeにアップロードした

経緯だ。

しかも、この動画は僕たちが作った創作劇で

同意の上で作った物だとコメントを入れておく。


「これでtrialtubeにアップロードしても

 削除対象にならねえかな?」


英雄兄貴は悪知恵が回る!



そして今現在、削除対象にならなかったから

取り返しがつかない大事になるなんて、俺は

家に着いてから知る事になる。


俺は必死に考えた。

どうせ叱られるなら、大勢で叱られた方が

気が楽だ。

こいつら4人、絶対連れていく。

英雄兄貴の名前をだして脅しを入れる。

勇気も兄、英雄に劣らないクズだった。


しばらく勇気と言い争うも

真也、靖男、康二、博史は勇気から逃げる事は

できず家まで行くことになる。


時刻午前10時7分

読んで頂きありがてぇ、ありがてぇでやんす。

この先も宜しくでやんす!!

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