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#51 I am a マッチョメ

遅くてゴメンでやんす。

宜しくでやんす!


俺は料理の手際良さと美味しさにガチの

料理好きと思われたみたいだ。

まぁ…そうなんだけどね。


「僕も気になってた、微塵切りのスピードが

 速くて驚いた!!」


レタスに手を伸ばしながら僕も和真君に

聞いてみるが…

対面に座る理恵さんも手を伸ばしてレタスを

取ろうとしていたから、レタスが入って

いるプラボールを僕は差し出した。


「あっ、ありがとう雷兎くん…」


あ〜やっちゃった…モリモリ食べちゃった。

だって大好物なんだもん!

雷兎君に見られちゃったよ!!

恥ずかしい…だけど本当に大好物なんだもん

あ~~っ恥ずかしい、顔が熱くなる。

最近、和真が作らないから飢えていたせいで

こんな事に…でも止まらない、止められない

レタスを掴み引き寄せてキーマカレーを

ポテテッと乗っけてシャクシャクシャクリと

咀嚼する。


キーマカレーのハヒッとなる辛さの為か

薄っすらと顔を赤らめてシャクシャクと食べ

進める理恵さん。

とても良い食べっぷりにちょっと驚いたけど

理恵さんの新たな一面を知れて嬉しい。

僕もレタスにキーマカレーをポテンと乗っけ

がぶりと咀嚼、うん旨い!


「和真の趣味は、筋トレとオセロに植物の

 育生だよ! 姫之城中学校って園芸部が

 無いから富士中学校に入学したって和真が

 言ってたよ!」


俺の事をよく知るミリアが、サラッと情報を

流す。


「それとクラスに頼りになる男子が

 一人いるから大丈夫だよって、姉ちゃんが

 言ってくれたから富士中学校に入学して

 ミリアに会えたんだ!!」


俺がそう言って雷兎さんを見ると


「えっ、ぼっ僕の事っ〜え〜っ」


狼狽える雷兎さんは姉ちゃんを見ると


「一年生の時から、私が他の男子に付きまと

われていると、然りげ無く間に入ってくれるし…

美化委員の仕事も凄く真面目だったし、他の

男子と違って胸よりも顔を見て言葉を

掛けてくれる、常識ある信頼できる人って

感じだったよ。」


姉ちゃんはそう言ってプラボールからレタスを

取って顔の前で広げて顔を隠してるけど、耳が

はみ出て……真っ赤になってる耳、丸見え!


「俺は、常識ある男子はきっと姉ちゃんの事が

 好きなんだろうなぁって…ずっと思ってた」


俺は雷兎さんを見てニカっと微笑った!

雷兎さんもニカっと微笑み返してくれた。


「うん、良き良き、青春だね!」


茉莉花さんはそう言って最後の一枚のパンを

サッと取り、お椀の中の残り僅かな

キーマカレーを塗る。


ヴァンさんはレタスを取りキーマカレーを

乗っけて齧りついている。


俺は空になった大皿とキーマカレーの入った

鍋を手に取り席を立つ。


「次のパンを取ってきます、それと少し味変を

 してきます!」


「僕も手伝うよ!」


雷兎さんも席を立ち、一緒にキッチンに向う。


「和真君、味変って何するの?」


雷兎さんは味変に興味があったみたいだ。


「キーマカレーにトマトを混ぜると酸味が

 プラスされて美味しいのだけど、水分を

 飛ばすのに時間が掛かるので、時短技を使い

 ます!」


俺は冷蔵庫からトマトケチャップを取り出す。


「おお〜っ、元々トマトだもんね!!」


凄く感心してくれる雷兎さん。

ちょっと恥ずかしい俺です。




和真の趣味のオセロについて私は


「あ〜っ、オセロね! 昔は和真に勝ちまくっ

 てって言っても、1日だけだったけど…」


私の11才の誕生日にお父さんがオセロを

プレゼントしてくれて、直ぐに家族で

オセロ対抗戦になった。

兎に角、和真は弱かった。

和真は負け続け50連敗したところでお開きに。


和真はオセロを惨敗した日の夜に

熱を出して2日ほど寝込んで目覚めたら、家族

の誰も勝てなくなる程にオセロが強くなって

いた和真の事を私は話した。


「うん、私も部室で和真とオセロをしたけど

 全く勝てなかったよ!」


半分もマスを埋めない内に、全てのコマの色を

変えられて終了したとミリアが語る。


「和真が角を取るためのポイントを細かく

 教えてくれたけど難しくって…」


色々とパターンがあるけど、大まかには角から

3マス目に自分のコマがある事が条件って

教えてくれたんだよってミリアが言う。


「お待たせです、トマトキーマカレーです!」


ホカホカと湯気をたてるトマトキーマカレー

薄く色が赤茶けて見えるキーマカレーを皆の椀に

和真はお玉で取り分けていく


「はーい、パンです!!」


大皿に盛られたパンを雷兎がテーブルに置くと

次から次に手が伸びる。


皆がまた無言でトマトキーマカレーをパンに

塗り付けて口に運ぶ。


「酸味が、さらなる食欲と辛さを引き立てて

 いる…旨いぞ和真!!」


べた褒めのヴァン、そして茉莉花も


「うん、本当に凄く美味しいわ

 ありがとね和真君!!」


皆は新たな食欲をみなぎらせて食べ進む。

朝食も終わり皆で食後のティータイム。

雷兎に目で合図を送る和真

うなずく雷兎。



「昨日、寝る前に話を少ししたんだけど、話の

内容はミリアを口説こうとしてる他事務所の

若手俳優兼声優の小鳥遊瑠衣(たかなしるい)さん

そして付き人の女性マネジャーの事。」



理恵さんと和真君を声優にスカウトしてる時に

ミリアが迷惑してる人がいるから、和真に側に

いて欲しいって言ってたアレだ。


「悪い人ではないんだけど…私は好きな人が

 いるので無理です、諦めて下さいって言っ

 ても、まだその人と付き合ってないんだろう

 僕にもチャンスをくれないかって…諦めて

 くれないの」


そう言ってミリアがじっと俺を見る…。


「俺が小鳥遊さんと話をするよ、俺とミリアは

 相思相愛で親公認の恋人同士って

 ハッキリ言う!!」


俺がそう言うと、真っ赤な顔したミリアが

うんうんと激しくうなづき続ける。


「女性マネジャーは小鳥遊瑠衣さんの姉で

弟の恋を応援しててね、ひたすら小鳥遊さんを

私に売り込んで来るから困ってて…」


女性同士だからって楽屋にまで押しかけて

来るから、和真が側に居てくれたら心強いと

チラリとヴァンと茉莉花を見てミリアが言う。


「それなら四人とも一緒の楽屋にしよう!

 理恵さんもミリアと居たほうが安心だろう」


そう言ってヴァンは和真と理恵に会社に来て

もらったら、両親を交えて契約してもらう事に

なると言う。


「もう、許可は頂いているが守秘義務も

 あるからキチンと書類作成しなくちゃなら

 ない。

 こちらが許可するまではミリアや雷兎と

 同じ様に仕事場ではキャラクター名で

 名乗ってくれ!」


 えっ、えっ、キャラクター名で名乗って

 くれって雷兎君はライト、そのまんまだし。


ミリアはリエンヌ、見た目からして違和感なし。


和真はムサシ…身体は既にムサシだし

細目もムサシだし、和名だから可笑しくない…


ワ・タ・シ……マッチョメ!?

マッチョメ役のマッチョメって名乗るの?!


「現実世界、日本ではバリバリ違和感アリアリ

 の名前じゃん!」


私を見てファンタジーなら問題無しなのに

なって和真が言う。


「理恵さんはリアルマッチョメだから大丈夫…

 将来、許可が出て理恵さんが本名名乗っても

 きっと仕事仲間はマッチョメってしか呼ばな

 いよ…うん、間違いない!!」


そう言って優しく微笑み、私を見る雷兎君。

雷兎君の中で既に私は、I am a マッチョメ…


「プライバシー保護になるし、役名を

 印象付けるのに役立つし!」


って言うど正論のミリア。


「世界的に有名な小説の超人気アニメの

 声優なんてバレたら、普通の生活は送れなく

 なっちゃうわね。

 それに発表するなら最も効果のある時に

 した方が良いわよ!」


やはりもっともなご意見の茉莉花さん!!



「「大丈夫、恥ずかしいのは最初だけ!!」」


雷兎君とミリアが声をハモらせて言う。

やっぱり恥ずかしいのね…


「理解したから大丈夫だよ、ちゃんと

 マッチョメって名乗ります!」


私がそう言うと、ヴァンさんと茉莉花さんは

大きく頷き、後は個人が特定されるような

言動はしないようにと締めくくる。


「社員とスタッフ達にも守秘義務の契約は

しているが、情報を与えないのが1番だからね。

雷兎とミリアが義兄妹ってのもナイショに

しているのよ!」


っと茉莉花さんが教えてくれた。

そこまですればバレないよね、バレたら…

きっとファンが押し寄せてくるんだろうな。



出発は9時40分だからそれまで自由に過ご

してと言われ、雷兎君の部屋で勉強会をする

事になった。



雷兎達がリビングから出て直ぐにワタシの

スマホが着信音を鳴らす。


顧問弁護士の八坂さんからだ。

スピーカ、オンにして茉莉花にも聞かせる。


「おはようございます!」


「うむ、おはよう」


ワタシが返事を返すと


「trialtubeの動画の件でtrialtubeの

 日本支部長が本日の話合いに出席します。

 被疑者が未成年なので親御さんの勤める

 会社に、朝イチで内容証明郵便が届くように

 しました。」


ワタシと茉莉花は頷き合いそして


「昨日、伝えた通りの手筈を頼む…」


「心得ました、失礼いたします」




まだまだ続くでやんす!!

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