#34 天才奇謀戦略家その名は茉莉花
ヨロシクでございますでヤンスー!ふ
午後七時半ぐらいから始めたカラオケも
九時で残念ながら終了時間だ
とても楽しかったし、マイクのデュエット
機能も中々の物だった
「カラオケ中毒になりそうだね!」
理恵さんの一言に全員がウン、ウンと頷き
「デュエット機能が良かったよね!
マイク内臓の両面スピーカが左右で曲を
流すと、音に包まれて二人の世界って
感じになるしね!!」
っとミリアが言い、和真君が
「普通ならBluetoothは複数同時作動は出
来ないけど、マイク同士のリンクシステム
で音源を分かち合えるから、バッチリ、
デュエット出来て良い!」
「本当、このマイク買って良かったよ!!」
Bassも五段階でビックリ
Echoも五段階だし、ハイスペックでビック
リだ!
ミリアが言って様に両面スピーカがとても
良い仕事をしてくれる!!
同じ音に包まれた僕と理恵さんの世界…
最高だァァァッ!!
ナントカして明日もカラオケに持ち込みたい
「雷兎さん、そろそろ風呂入らないと!」
和真君が焦っている…大丈夫ダヨ
まだ1時間アルカラね!
「それじゃあ、九時五十五分にミリアの
部屋に行くから出迎え宜しくね!」
僕がそう言っている間に、和真君は持って
来てる、デカいスポーツバッグから、着替え
を取り出している
「ウン、時間厳守ダヨ!」
そう言って、何故か赤い顔して和真君を
見るミリアと僕を見る理恵さん…
どうしたのだろう?
「姉ちゃん、ミリアをヨロシク!」
「任しといて!!」
和真に任されたけど、コッチに来る前の
メールのやり取りで一緒にお風呂に入る事
になっているのだ…他人とお風呂に入るのは
小学校の修学旅行以来だ
恥ずかしいけど、ミリアは足首を痛めてい
るから介助してあげないとね!
ミリアをふんわりと軽やかにお姫様抱っこす
る理恵さん?!
「?!…?!って凄い!!」
驚きの声を上げるミリアと別の意味で
驚き過ぎて声が出ない僕…お姫様抱っこの
為、理恵さんの胸とミリアの胸が横と縦で
押し合い、ムニョンムニョンしている
視線が固定されそうナノを全集中で逸らす
見てると気づかれる前に逸らすんだァァッ
「肩を貸して貰うツモりだったんだよ…
ビックリだよ!」
ミリアがワタシ、重いから無理しないでっ
て言うと
「そんなコトないよ? 雷兎君より軽いし!」
えっ、今の理恵さんの発言は僕の重さを知っ
ているみたい何だけど…
あれっ? ソウイエバ、僕って
どうやって理恵さんの家に行ったんだ?
抱き締められたトコから膝枕迄の記憶が
ない?
「私達、髪を乾かすのに時間が掛るから
行くね!」
理恵さんはチラッと僕を見てと苦笑いを
浮かべるがミリアと部屋を出ていった
「雷兎さん、僕達も行きましょう!」
急かす和真君…風呂の後、ミリアの部屋に
集合だから舞い上がっている
「僕達はトレーニングルームに行こう」
理恵さんとミリアは家のお風呂に、僕達は
トレーニングルームのお風呂に入る
トレーニングルームには男女別の
ロッカールームが有り、シャワーと
ジャグジーが備わっている
スマホで操作できるからジャグジーはすでに
お湯を溜めてある
お家のお風呂も同じだ
トレーニングルームは専門の清掃員を雇って
要るから、常に清潔で綺麗にしてある
僕達が使用した後、掃除する必要が無いので
楽だ
部屋を出るとヴァン父さんと母さんに
坂巻夫妻がリビングルームから出てきて
「呼びに行こうとしてたから、丁度いい!」
ヴァン父さんにそう言われたが、何の用だ
ろう?
「済まない和真、勝負してくれないか!」
ヴァン父さんが和真君に勝負をしてくれと
頼んできた?
「ちょっと父さん? ナニ言ってんだよ」
ヴァン父さんにそう言って僕は和真君の
前に立ち庇うと
「平和的な勝負だから…」
何かな、ヴァン父さん…しょんぼりしてる
「申し訳ないけど、和真君…ヴァンと勝負し
てもらえないかしら」
そう言ってニヤッと微笑む母さん
「報酬も出すわよ! 」
TOKYOバビロンホテルのプール貸切り3時間
と最上階の展望レストラン天空の宴で
昼食のセットを勝負を受けてくれるだけで
報酬として出すわよって微笑む母さん。
報酬に上がったのは今話題の高級ホテルだ
「4人分ですか?」
和真君が聞くと、当然4人分よと返す母さん
「勝負…お受け致しますが理由を聞かせて
もらえますか?」
和真君と一緒に僕も聞いたが…
ミリアを初めてお姫様抱っこした時の事が
理由だった
助けてくれた和真君の事を、正確には和真君
のお姫様抱っこの事を貶したヴァン父さんは
和真君の事をあれ以来、ミリアから一切聞か
されてない
僕も聞かされたのはつい最近だし、名前は
教えてもらえなかった
母さんはミリアから逐一報告(和真自慢)と
相談(お惚気)と部室からタクシー迄の、お
姫様抱っこの動画の鑑賞会(ほぼ毎日)してい
る
動画は和真君がミリアをお姫様抱っこし
たのに驚いた部活顧問の先生が撮影
校門でのミリアに対する和真君の告白を
見ていた数人の先生の一人で、ミリアと和真
の事を応援してる
撮影もキチンとミリアと和真に許可を取って
いるし、撮影は先生が和真のスマホを
借りてしている
先生がこの動画は二人の大切な宝になると
言った通りにミリアと和真の大切なお宝に
なった
和真君がミリアをタクシーに連れて行く迄の
間に、ミリアを必死に口説いて連絡先の交換
に漕ぎ着ける様も動画に入っている
コノ時に動画のコピーをミリアのスマホに
転送、ミリアは更にコピーして母茉莉花に
転送してある
西園寺家と坂巻家の話し合いの時にミリアと
和真の事を話し合っていたら、母さんが
動画の事を話した為に、ソレをヴァン父さん
が見たくて見たくて、見せてとせがんだが
ミリアの許可が無いと駄目だと拒否
その時、和真の父親の恵がだから和真は
アンナ特訓を始めたのかと呟いた
「「特訓ですか?」」
母さんとヴァン父さんは何の事か分からず、
恵さんに尋ねると、和真君は中学生になっ
て暫くすると恵さんをお姫様抱っこして
歩く特訓を始めたと話し、何故こんな特訓を
と和真に聞いても大切な事だからとしか
教えてもらえなかったと…
「恵さんをお姫様抱っこして歩いたんで
すか??」
ギョっとして恵を見つめるヴァンと茉莉花
身長186センチ、体重115キロのガチムチの
筋肉おじさん恵をお姫様抱っこして歩く…
ミリアの為にトンデモナイ特訓を当時の和真
君がしていた事が分かり、感涙してしまう
茉莉花と必死に泣くのを堪えるヴァン
「ワタシは何も知らないくせに、大変失礼な
事をあの時、言ってしまった…」
そう言ってしょぼくれるヴァン
「私も動画を見て凄く驚いたの…当時の
和真君はミリアより10センチ程、背が低く
身体も細くて」
ミリアの為に凄い努力をしてたのねと言い、
ヴァンに和真君の努力を実感してくれたら
ミリアに許可をもらって上げると
母さんが言った為にヴァンは恵を
お姫様抱っこする事に、そして和真と勝負し
て見たらと母さんが提案
恵さんは嫌だ! お姫様抱っこナンカされた
くない、そう言ってヴァンを見るが理津子
さんが言い含めて了解させたらしい
そして今に至ると母さんが和真君に告げる
和真君はチラリとスマホで時刻を確認して
「雷兎さん、お風呂の前に勝負して良い
ですか?」
その方が良いよねって僕は即答
だって自分の父親の体臭を付けてミリアの
部屋に行きたくないだろうしね…
僕達と両家の両親でトレーニングルームに
移動した
茉莉花は両家の話し合いでヴァンと和真の
勝負で賭け事をしている事を雷兎と和真に
話していない…勿論、ミリアと理恵にも話さ
ない
あの件についてヴァンが勝ったら
ヴァンの意見を尊重するし、和真君が勝っ
たらヴァンは私達の意見を尊重してもらうと
両家の親同士での秘密の決め事…
先頭を歩く雷兎と和真、その後をヤル気満々
で続くヴァン…多分、自分が勝つと思ってる
体格差がかなり有るからね
私はミリアと和真の動画を見てるから
和真君の勝ちは当たり前だと思っている
絶対に和真君が勝つだろう
私、勝てない賭け事はしませんの
オォッホッホッホッと心の中で爆笑し
理津子さんにケツを叩かれながイヤイヤ
トレーニングルームに向かう恵さんに少し、
本当に少しだけ悪い事したなと思った
茉莉花だった…ゴメンねッ!
ブックマーク増えて嬉しいでヤンスー!
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ありがとうでヤンスー!!




