#32 初めての…
サビの部分だけ作詞して知人の前で
歌ったでヤンスよ
カッコイイからフルで作ればと言われたけど、サビだけで頭パンクでヤンスよ
リビングでの話し合いは、理恵さんと和真君
のETERNAL✬LOVERS第三期魔大陸大冒険編
の声優参加の許可を坂巻夫妻から、頂く事だ
った。
「理恵さんにマッチョメ、和真君に
ムサシ・ガンリュウの声優をして頂きたい」
ヴァンさんと茉莉花さんが理恵さんと和真君
じゃないと出来ない役柄だと熱弁を奮う
「へっ、本当に理恵と和真じゃないと駄目で
すか?」
恵もETERNAL✮LOVERSの大ファンだから
まさか自分の子ども達が…
ETERNAL✮LOVERSに関わることになるな
んて、理解が追いつかない
だって、国内だけでなく世界を熱狂の嵐に
追い込んだ、神書なのだ、アニメなのだ
しかも未だに熱狂中だ
ココに来るまでにある程度の事は聞いてい
るが、ふと横を見ると…隣の理津子は
ニコニコしながらミリアさんを見つめている
「ちょっと良いかしら? 理恵さんと
和真君にアテレコをやってもらいましょう」
茉莉花さんからの要請で
私と和真は言われるままやりました、勿論
なりきってやりました
私はライト一行にクッキーで餌付けされ
仲間になる時のセリフ
「甘い甘いよ!! 森の果実よりも甘いよ♪
サクサクして香ばしくてチョッピリ苦くて
コンナの知らないよ〜っ…フグゥゥッ、もう
なくなっちゃった…」
和真も私のセリフに合わせて演技しながら
【コレも食すが良い】
私に手を差し出してくる和真
私は何度も手のひらと和真の顔を見て
「いっ、いいの? だって最後の一枚だよ?」
【かまわん、主が笑顔になるならそれで良い】
私は和真の手からクッキーを取る
すると和真は心の声を
《しまったァァッ、半分に分ければ
ヨカッタァァ、食べたかったよぉぉ》
低音ハスキーヴォイスからの変声
普段よりも高く若干汚い声でセコさ満タンの
セリフを言い切る和真
この後、緊急参加したミリア(リエンヌ)が
材料が揃えばまた作ると言い、
又々参加した雷兎君が一緒に
来ないか、飯なら
食わせてやるぞと誘う
薄汚れた小さな少女マッチョメを孤児と
勘違いしているライト一行が人攫いと
間違われてマッスルフェアリー族と揉めるが
誤解が解けて正式にマッチョメが仲間に
なる流れである
静寂がリビングを支配し、刹那の時が過ぎる
恵の喉がゴクリと鳴り、目を見開き
「マッチョメとムサシが見えたぞ?!」
「どうでしょう、ウチの事務所に預けて
いただけないでしょうか!」
真っ直ぐに坂巻夫妻を見て言うと頭を下げる
茉莉花さんとヴァンさん
「理恵と和真はやりたいのか?」
私と和真を見据えるお父さん
「やってみたい…今までの私よりも良い私に
なれると思うから」
一番は雷兎君と一緒に居られるからと心の
中で…
私は真っ直ぐにお父さんを見返す
「和真はどうなんだ?」
「俺もやりたい、ミリアと一緒の時間が
増えるし、制作サイド直々のしかも
最高責任者からのオファーだし!」
ミリアまっしぐらの和真だね
ミリア、真っ赤かだよ
「西園寺さん、二人をお願いします」
「ありがたい、こちらこそ宜しく」
和やかな雰囲気に変わり、一段落着いた所で
茉莉花さんが雷兎君に
「後は大人同士の話だから部屋へ行って
良いわよ!」
何故か、私とミリアにサムズアップをして
微笑む茉莉花さん
「僕の部屋に行こう!!」
ミリアを和真君がお姫様抱っこで
僕と手を繋いた理恵さんの後を着いてくる
…… …… … …… … ……
…… … …… …… … ……
握りあったその手〜ッ離さない♫
光纏い♪ 風を纏い♪ 共に進め〜っ♪♪
光照らし♪ 風が疾走り♪
闇を晴らす〜っ♪♪
光と風のマリアァージュゥ~♫
マリアァージュゥ~♫
70インチのモニターに歌詞と背景画像が
映し出されている
SOUNDSTICKからの音も素晴らしい
今、僕とミリアが歌い上げたのが
ETERNAL✬LOVERSのアニメ第1期の最初の
オープニングテーマ曲で題名は
光と風のマリアージュだ
私と和真がお願いしたら、雷兎君とミリアは
うん良いよ、最初の一曲に1番相応しいねっ
て歌ってくれた、私と和真は興奮して
「しゅごいぃぃ~っ、本物だァァッ」
「最高ダァーッ、タマンねぇ〜ッ」
私と和真は大興奮してしまった
だって、初めて聞いた時から心を鷲掴みさ
れた神曲!!
オリコン初登場で1位の大快挙、しかも40週
連続1位の歴代最高の記録を大幅に更新
僕とミリアは顔出しを一切してないので
謎の声優歌手として大騒ぎになった
当時から今でもだけど、テレビ局からの
オファー、特に音楽番組と年末の歌合戦は
断り続けているのに諦めることなく、未だに
オファーが尽きない
「「ありがとう!!」」
大興奮して、僕とミリアを褒め称え
る理恵さんと和真君に二人で御礼の言葉を
返す。
「「初めてのLIVE、応援ありがとう!!」」
僕とミリアがそう言うと
「「初めて?? 本当に??」」
理恵さんと和真君が驚きの声を上げる!!
「本当だよ…ワタシが顔出し嫌で拒否して
たから」
悲しそうに微笑むと和真にピトッとひっつく
ミリア
今出たら出たで大騒ぎになるだろうねと、他
人事の様に言う雷兎君
自覚してないからそんな事言うけど、ライト
・サイオーンの顔、雷兎君何だけどね…
和真も同じ事を思ったのか、私の顔を見る
兎に角、話を変えよう
「私達がVIRGIN✯LIVEって最高だね!」
私達全員が、家族以外とのカラオケが初めて
だから記念に自分達のスマホを其々位置に
置いて動画撮影をしている
「今、撮影してる動画って貴重過ぎて価値が
付けられないな…プライスレスって奴か…」
和真が神妙な顔でフムフムと頷き
「色々とフラグが立った気がする…」
妙なことを呟く和真に呆れつつ、私は雷兎君
が用意してくれたタブレットのENJOYSOUND
のアプリを使って選曲を始めた…
宜しくお願いでヤンス




