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#23 眠り姫と出待ちの父さん

大変お待たせでヤンス

次はもうちょっと早く出せるよう

頑張るでヤンス



 「姉ちゃんが雷兎さんに再び出会えた

  奇跡に感謝」


 和真君は僕を見て理恵さんがあの日からの

 6年間どのような感じだったのか…

 教えてくれた


 


 「授業が終わると真っ直ぐ家に帰り…

  家族の誰かが一緒でなければ帰宅後

  家から出ない…ソレがいまだに続いて

  います」


姉ちゃんは高学年になるとぐっと

女らしくなってきた

そんな姉ちゃんに気が惹かれる奴らが

下駄箱にラブレターを入れたり

放課後、体育館裏に呼び出しの手紙を

入れたり大人気だった

体育館裏への呼び出しは俺も付いて行った

姉ちゃんからも付いてきてと言われたしね


姉ちゃんに告白してくる奴が現れたけど

俺を見て誰コイツと不機嫌そうに言ってくる

来る奴は違っても出だしは毎回同じ

他の目を気にしている時点で本気度が

透けて見える

俺が理想とする男らしさから程遠い奴ら

ばかりだ


「和真は弟です、面識のない男の子と

 二人で会うのは怖いから付いてきて

 もらいました」


姉ちゃんはそう説明して直ぐに本題に入る


「私は好きな人がいます、ごめんなさい」


相手に喋るスキも与えず、貴方と付き合え

ませんと断言して俺の手を引いて帰るのが

決まり事


校門を出ると直ぐ近くに父さんが車で迎えに

来て待ってる

アノ事件により進級に伴い悪ガキ三人組は

クラス編成で姉ちゃんと同じクラスには

ならなくなったけど…


悪ガキ三人組はアノ事件からも度々、

姉ちゃんに絡もうとしてくるから

安全のために

卒業まで送り迎えを父さんがしてたんだ


姉ちゃんは家から出ないけど、勉強は凄く

頑張ってたんだよ

同じ小学校の同級生が誰も行けない

レベルの高い私立中学校を目指して…


同級生もクラスメートも姉ちゃんに対して

嫌がらせばかりだ

姉ちゃんが振った奴らは姉ちゃんの悪口を

言い出すし、好きな男の子が姉ちゃんに

告白したのが気に入らないから

嫌がらせしてくる女子の集団もいた

そいつ等から離れるために姉ちゃんは

頑張った


「姉ちゃんの心の支えはアノ日…

助けてくれた見知らぬ男の子に瓜二つの

CGキャラクター

ETERNAL✮LOVERSのライト・サイオーン」


当時、ライト・サイオーンにそっくりな

男の子に助けてもらったって言われても

信じられなかった


俺だけじゃなく、父さん、母さんも助けて

もらったから顔が美化されたんじゃないか

って思ってたんだよ


「だってあんなワイルドIKEMENいるはず

 ないよ!」


父さんも母さんも俺もソウ思っていた

けど…いた…本当に姉ちゃんの言った通り

いたんだ…実在していた


「しかも、お互いに好意を持ってて、

なんとミリアのお兄さん!!」


ニカッっと笑い僕を見る和真君


「俺とミリア、雷兎さんと姉ちゃんのダブル

 デートなら姉ちゃんも安心して外出できる 

 と思うけど…」


僕をジッと見る和真君…ミリアまでジッと

見て、えっ母さんまでジッと見てる


「で、デート初心者なのでご指導

 お願いします」


ミリアが以前、後輩…和真君にデートの

お誘いを受けてモジモジしてたから

既にデートの経験があるはずだ

ココはご指導ご鞭撻をお願いします


ゴメン、雷兎さんと和真君の謝罪


「僕達もデートはまだなんだ」


ちょっと恥ずかしそうにする和真君

嘘だろ、あんなにイチャイチャしてたのに


「和真がご両親に挨拶してからだって…」


ミリアは不服そうだが親、兄妹からすれば

安心の一言だ


ヴーンヴーンヴーンヴーンと僕とミリア

そして母さんのスマホのヴァイブ音だ


「「もうすぐしたら帰るって」」


メールを見た母さんとミリアは和真君を見つ

めて…


 「「ファイト」」


なんとなく嫌そうな顔をした和真君


「殴り合いですか? できれば話し合いで…」


避けられないならやりますよっ的な発言に

ミリアに対する気持ちの強さが覗える


「大丈夫、父さんはそんな人じゃないよ!」


僕は慌てて父さんは穏やかな人だから

大丈夫だよと弁明した


「そうですか…でも帰宅は午後七時

 だったんじゃぁないんですか」


確かに和真君の言う通り…まだ午後三時だ

僕はテーブルに置いたままの自分の

スマホを見て…


「ごめんミリア、ちょっと僕のスマホの

 メールを…見てくれるかな…」


泣きつかれて眠っている理恵さんを抱いて

いて手が使えない


僕のスマホのメールを見たミリアと母さんの

顔が強張る


「和真と言う奴を私が帰るまで引き止めて

 おいてくれ!!」


ミリアがメールの内容を教えてくれた

僕だけメールの内容が違うみたいだ…


「本当にあの人ったら…」


ボヤいた母さんが和真君に大丈夫よ、何も

させないから安心してと言う


「俺は大丈夫です、ミリアも茉莉花さんも

 手出し無用です」


例えボコボコに殴られても俺は手を

出しません


「必ず交際を認めてもらいます」


そう言って和真君は僕と母さんを見て


「ずっとアノ日の事を気負っていた姉ちゃん

 が一番欲しかった言葉を掛けてくれて

  ありがとうございます!!」


雷兎さん、姉ちゃんを宜しく御願いします

俺がボコボコに殴られても手出し無用です

ニカッと笑い、ミリアもだぞっと言い

含める和真君


凄い男だ

冗談抜きに和真君は勇者だ


「ワタシは殴ったりしないよ…」


リビングに入るドアから顔を半分だけ

出してコチラを見る父さんがいた




アナゴさんの声マネが上手くできない

ふ~ぐたく~ん、一杯行かないかぁ〜

駄目だ、似てない

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