#22 悪い事だけではなかった
応援ありがとでヤンスよ
茉莉花さんの問い掛けに顔を赤くしながら
でもハッキリと雷兎君は答えた
「僕の大切な人です!」
雷兎君の返答に茉莉花さんは顔をシカメて
「そこは俺の女だとか彼女だぜとか言おうよ」
茉莉花さんは気品ある良家の奥様みたいな
佇まいだけど中身はワイルド系だった
「ねっ、理恵さんもそう思うよね」
ひゃっ、私に振ってきた…え〜と
「そう言って貰えるよう頑張ります」
私の返答に茉莉花さんはクワッと目を見開き
「その心意気や良し!」
私の両片肩をバンバンと叩きアッハハと笑い
和真とミリアの方へシフトチェンジ
「君が和真君かぁ…やっと会えた」
姿勢を但し綺麗なお辞儀で和真に頭を下げ
「私の娘をミリアを助けてくれて感謝する」
茉莉花さんの行動に皆が驚き、和真は
慌てて茉莉花さんに頭を上げて下さいと頼み
「ご挨拶が遅れてすみません、ミリアと
真剣な交際をさせて頂いてます」
和真の真剣な交際宣言にミリアの顔と耳が
真っ赤に染まり、モウモウモウっとモウを
連発した後、フグゥゥゥッと泣きだして
お姫様抱っこされた状態から和真に
しがみつき首元へ顔を埋め…
「あダダダッ、ミリア強く咬み過ぎだよ」
母親にしっかりと真剣な交際宣言をした
和真に嬉しすぎて、訳の分からない衝動を
抑えるために和真に咬みついているミリア
咬まれていても決してミリアを落とさない
和真
ウム、カズマガンバレと心の中でエールを
送る私
フグゥゥゥッフグゥゥゥッと唸り
和真に咬みつき続けるミリア…捕食者だ…
ミリアって獣性が高いのかな?
「何故、ずっとお姫様抱っこなのかしら?」
茉莉花さんの疑問に私が答える
「部活で足を挫いたので和真がサポートを
しています」
えっ、とビックリしてどっちの足なのと
茉莉花さんは狼狽え聞いてくる
「右足首です」
私が答えると
「ミリア、ちょっと足を見るわよ」
和真に咬みついたまま返事が無いけど
お構いなしに茉莉花さんは右足首を触る
「ふぅ~大丈夫…挫いただけ」
一安心する茉莉花さんに
「わかるんですか?」
って聞くと
「あ〜聞いてないのね、私、外科医なの!」
私をジッと見て
「え〜っとモシカシテ旦那の職業も聞いて
ないのね?」
困惑気味の茉莉花さんに私は
「聞いてませんが知ってます…
私と雷兎君の出合いは
特別でそこからずいぞぐでぎまじだぁ」
ETERNAL✮LOVERSの通りなら、鼻元の傷
だけでなく左腕の骨折もしている
泣かずに話すつもりが我慢できなかった
私は泣きながら雷兎君が私を助けるために
負傷したことを話し謝罪すると
「理恵さんが雷兎が助けた子だったんだ」
茉莉花さんはそっと私を抱きしめて
「悪いのは盗賊…じゃなくて悪ガキ三人組!」
理恵さんは被害者なのだから、何も悪く
ないのよと雷兎君と同じ事を言ってくれた
茉莉花さんに抱きしめられ大丈夫、大丈夫と
背中をトントンっとされて…され…て…
「あ〜泣きつかれて寝ちゃったわ
可愛いいわねこの娘…雷兎
理恵さんをお姫様抱っこしなさい!!
家に連れてくわよ!」
母さんは理恵さんを気にいったみたいだ
だけど…お姫様抱っこ?!
したことないんだけど…どうしよう
「遠慮なく、しっかりと抱き上げて
下さい、それがコツです」
和真君からのアドバイスだけどハードル高い
しかし、やるしかない!
「理恵さん…ゴメンよ」
母さんに抱きしめられ、泣き疲れ寝落ちし
た理恵さんの脇下に左手を入れて胸元に
しっかりと理恵さんを密着させて
膝下を遠慮なくグイッと右腕ですぐ上げる
「うそ…以外とお」
「雷兎さん、それ以上言ってはいけない」
和真君からのご指摘を受けて慌てて口を
閉じる
もっと鍛えなければ駄目だ
和真君の様に軽々とお姫様抱っこ出来る様に
ならなければ…
「ほらっ、行くわよ」
スマホで僕達を撮影をしながら移動する
母さん
「か、母さんちょっと撮影を止めてよ」
恥ずかしさMAXだ
「嫌よ、ほらしっかりと抱きしめて
ふらついてるわよ!」
撮影中止を頼んだけど即刻拒否…
兎に角、早く家に行かねば腕と腰が…辛い
「雷兎さんもっと体に押し付けるように
抱かないと、腕と腰が辛いですよ」
そんなこと言われても理恵さんの山脈が
腕と胸に触れて…
「姉ちゃんのボインボインが気になるのは
分かるけど、しっかり持たないと
危ないですよ」
和真君に気づかれていたか…恥ずかし過ぎる
お姫様抱っこってオンブより、遥かに大変だ
和真君…尊敬するよ
君は凄い奴だ
トレーニングルームを出て廊下突き当りまで
何時も歩いている距離が遠く感じる
「こんなに大変だなんて思わなかった」
ちょっと泣き言を言う…ヤバい腰が…
「ほら、着いたわよ」
そのままソファーへ行きなさいと母さんに
言われて何とかソファに到着
え〜っと、どうしよう…このまま座った
方が良いのかな?
「そのまま座った方が良いですよ」
和真君の指示に従った…眠ってる理恵さんは
なぜだか幼く見える
学校での理恵さんはスキを見せない人だった
今日は知らない理恵さんを知った
泣いたり鼻血出したり笑ったり…
「姉ちゃん…あの日の事を…ずっと悔やんで
いたんです」
和真君の方を見るとミリアも正気に戻り
恥ずかしそうに和真君の横に座っている
「雷兎さんに助けられ、逃がしてもらい
親のとこまで逃げ帰った事に…」
公園そばのパン屋か、カレー屋に助けを
求めれば良かったって…
和真君の話に
「いや、あれは僕も悪い」
僕が最初に大声出して人を呼べば良かった
焦ってて気がまわらなかった
「ハイハイ、そこまでっ!」
母さんは人数分の冷えた麦茶を
持ってきた
母さんはミリアの隣に座り
「悪いのはの悪ガキ三人組だけだから!」
母さんは力強く言い放つ
「だけど悪ガキ三人組が居なかったら
理恵さんと今みたいな関係なかった
かも知れない」
理恵さんの寝顔を見て僕の口から
そんな言葉が出た
宜しく御願いし〜マイクラ




