#2 僕は君が好きなんだ
かき小屋で愛する妻と食事して来ました
「あのっ、坂巻さんできればハグュゥゥ
ユュメテェェェッ」
余りの圧迫に呼吸が苦しすぎる
振りほどこうとしてるのだけどビクとも
しないどころか増々、圧迫が凄くなる
僕のみぞおち辺りに坂巻さんのBIGバインが
めり込んで息ができないなんて
おかしすぎる
本来なら嬉しすぎる状況の筈なのに何故か
死をイメージする程の状況だ
「イキュガ…デキュ…ナ…イヨ…」
僕の胸に顔を埋めてクンカ、フンス、フゴ
っと間違いなく匂いを嗅ぎ、メキメキと
僕を絞り上げていく…
坂巻さんって…こんな人…だったけ?
段々…とい…し…き…が…
気がつくと知らない天井ドコロじゃない
知らない筋肉ムキムキのおっさん多数と
知らない細マッチョな若いお兄さん多数が
坂巻さんに膝枕されている僕をガン見して
いた
状況を確認する為に左右を見て見ようと
首を傾げながら見ると
あっフゥん、ファァン…
と艶めかしい声を上げる坂巻さん…
「衆人環視中で頭擦りつけプレイだと…
玄人か」
一際ゴツいおっさんが坂巻さんに膝枕さ
れている僕を覗き込んで呟く
まったく状況が掴めないケドこれだけは
言える…僕はSM道の玄人じゃ無い
ノーマルな一般人です
「ごめんなさい西恩寺君…絞め落とし
ちゃって」
上から覗き込んでくる坂巻さんだけど顔が
BIGバインの頂に鼻から下が隠されている
なんて素敵な風景なんだよ…
僕じゃ無い誰かがいつか此の風景を
独り占めするんだろうなぁと考えたら
胸が苦しくまだ坂巻さんの事が好きだと
気がついた
彼氏はいないと言っていた
だったらまだチャンスはあるはずだ
「ここは何処なの?」
聞きながら起きようとしたけど坂巻さんの
両手が僕の肩を押さえて起き上がれない!
「ダメっ、もう少し休んだ方が良いよ」
坂巻さんはそう言って、良いよねパパと
一際ゴツいおっさんに声をかける
「オウ、その方がいいぞ!」
パパぁぁぁっだってぇぇっ?!
寝てる場合じゃないぞ!!
起きなきゃ起きなきゃ起きなきゃ~っ
ダメだ、坂巻さんに押さえられた両肩が
ビクともしない、アレっなんかデジャヴュ
「坂巻さん離してよ、お父さんにご挨拶
しなくちゃ!」
「娘から聞いたから大丈夫だ西恩寺君
悪いのは理恵だしな」
イヤイヤイヤイヤっ礼儀って物が…
頑張ったけど頭が僅かしか上がらず
坂巻さんの膝枕に再び軟着陸
ポテチンと頭が乗った瞬間、あっファッと
艶めかしい声を小さく上げる坂巻さん
勘弁して坂巻さん!!
ヒッ、お父さんが俺をガン見してるよ
「凄いなぁ西恩寺君は…君の存在に感謝す
るし…親の前でもイチャイチャできる
覚悟と肝っ玉のデカさ、気に入ったぞ」
ゆっくりしてくれ、此れからも娘を頼むよ
そう言って他のマッチョ達と散らばって
行った
なんだか分からないけど…気に入られた?!
視線だけ動かして落ち着いて周りを見ると
んんん〜っ、アレって何してる??
「坂巻さん、ここって何処なの?」
さっきの方が坂巻さんの父親なのは間違い
なくても此処って家じゃないよね
「私のパパが経営するトレーニングジムだよ」
何故、僕はここに居るのかなと聞いたら
校舎裏で僕を絞め落とした事に気がついた
坂巻さんは不味い事になったと感じて
学校にバレたら大騒ぎになっちゃうから
僕を背負っいカバンも2つ持って裏門から
でてすぐにスマホで電話をして車でパパに
来てもらい僕をここに運んだと教えて
くれた
話を聞いて思ったのは西恩寺君が気分が
悪くて倒れたと言えばいいだけだと
思うけど…
そうすれば保健室に……
あっ、もしかして僕が坂巻さんのハグで
気絶したと喋ったら恥ずかしいもんね
それに学校の女子達の僕に対する
イメージはストーカーだから…
騒ぎになればストーカーしたと僕が
思われちゃうからか
間違いなく僕を守る為に坂巻さんは頑張って
くれたんだ!
ありがとう、坂巻さん
そんなに食べてない筈なのに
腹いっぱいです