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#16 過去から追ってくる天敵

ラブコメのキャッキャッうふふぅ

のはずだけど途中途中で生き残りたくば

戦えぇぇぇぇってなるのかならないのか


 「姉ちゃん、アノ事も言っといた方が

  いいからね」


 和真は真剣な顔で私を見て雷兎君を見る

 やはり、言っておいた方が良いのだろうか

 

 「須賀山猛・水戸清志・木暮雅夫の3人の

  事かな、大丈夫だよ」


理津子さんに聞いているから、その件は

メールで親に伝えてあるからね


早ければ今夜にでも理恵さんのご両親と

話し合いがあるかもしれない

仕事中でまだ返信が返って来ないけど

午後7時には遅くても返事は来るから


「連絡先の交換お願いします!」


僕達も連絡出来るようにアドレスと電話番号

の交換をしようと雷兎君がスマホを出した


全員で連絡先の交換をしてから今後の

夏休みの過ごし方に計画を立てる


四人で勉強会をやることになり

分からない問題は雷兎君が解き方を教えて

くれるから学力アップのチャンス


天敵の三人と今後の学校でのトラブルに

備えて四人でトレーニングをすることに

なった


「俺と姉ちゃんが筋トレとボクシングの

 練習をしてるのもアノ三人が原因だ」


姉ちゃんの事があって学校側の配慮で

アノ三人は違うクラスになったけど…

卒業するまで奴らは姉ちゃんと俺にも

他の人に対してもトラブル連発で

学校側でも対処しきれなくて他の親との

話し合いが連日行われていたんだ


「トレーニングを自衛の為に始めたんだ」


今じゃ趣味になっているけどねと笑う和真


「僕も同じ理由だよ、理恵さんを救った

 事は凄く褒められたよ」


今度、スパーリングやろうよと雷兎君

意外と戦闘民族な発言にミリアンさんは


「お仕事があるから顔は手加減してね

 和真君」 


和真がそう言えば雷兎さんは声優だったね

と言うとミリアンさんは他の人には

ナイショでお願いしますと頼んできた

身バレ防止をしないと熱狂的ファンの

付きまといがあるからヤバいそうだ

リエンヌの声優は思った通りミリアンさん

「ウン、誰にも言わないから安心して」


雷兎君の正体を知られたら……

絶対に女の子達が群がってくる

だってリアルワイルド王子だから

黒く艶々した長い眉、女性で言うところの

柳眉ってやつだよね…眉尻がピンと跳ね上が

り、大きなパッチリ二重のアーモンドアイ

目尻が少し釣り上がりネコ科の野生動物を

連想させる

これだけで既にワイルド系

鼻筋の目元に近いトコロに傷がある

これがさらなるワイルド感を出して

いるけど…・モ・シ・カ・シ・テ……


人気大絶頂のCGアニメーション

ETERNAL LOVERSの主人公

ライト・サイオーンがヒロインの

リエンヌを三人組の盗賊から守るために

戦い傷を追った場所と同じだ

私は気づいてしまった

原作者が雷兎君の身内で、雷兎君の怪我の

理由を知っていて…


「雷兎君の鼻筋の傷…私のせいで…」


「違うよ、悪いのはアノ三人だ!!」


理恵さんは被害者なんだよ

悪いのは加害者なんだ!!

理恵さんは助けを呼ぼうにも

呼べない状況だった


僕は呼ばれてもないのにしゃしゃり出て

怪我しただけだから理恵さんに責任は

ないんだよ

それに大好きな人の過去を助ける事が

できた証なんだ

両親にも褒められたよ


一生懸命に私に罪悪感を抱かせないように

語り、見つめてくれる雷兎君

幼きあの日、もみくちゃにされ…血だらけに

なりながらも私を救うカレ…

アノ日からずっと私の心に焼き付いたカレ

中学校生活に入り2年間そして三年生に

なってもずっと同じクラスで見続けた

西恩寺君の人柄、誠実さが溶け合い一つに

なった!!


私の鼓動がドンドン早くなり勝手に筋肉が

パンプアップ!!

雷兎君を想う気持ちがエネルギーとなり

心が燃え盛り気がついたら


雷兎君の顔を胸に抱きしめて


「助けてくれてありがとう

 大好きです雷兎君」



私はギュゥーッと雷兎君の顔を力の限り

抱きしめ、ありがとう、ありがとうと

連呼しながら大粒の涙を雷兎君の頭に落とし

続けて


「姉ちゃん駄目だ! 雷兎さんが」

「理恵さん落ちついて!」


和真とミリアンさんの声に気がつくと

胸に抱きしめた雷兎君が動かない?

そっと胸から雷兎君の顔を離すと

私のライトブルーのパーカーの胸から

お腹まで血だらけで雷兎君の顔も鼻血で

血だらけに…

でも赤ちゃんの笑顔みたいな微笑みを

浮かべて雷兎君は気絶していた


「またヤッちゃった!」


テーブルの端に置いてあるテッシュを取り

寄せ、私のポシェットに入れている

ウエットティッシュでまずは顔を拭く

和真がテッシュを丸めて雷兎君の鼻の穴に

テッシュINする


私のライトブルーのパーカーは直ぐに

洗うとミリアンさんに脱がされて

持って行かれました


水平に寝かして置くと気管支に血が逆流

して入るかもしれないから、私はソファー

の下に脚を広げて間に雷兎君を入れて

後ろから抱き寄せて固定


だけど私の胸が邪魔で上手く行かない


「姉ちゃんの胸が出っ張りすぎて駄目だ」


しょうがねえなぁ、俺がやるよと和真が

動く


今度は上手く行ったけど、暫くして

和真が慌てだす


「チョチョッ、止めて下さいミリアン先輩」


ミリアンさんがダイニングの方からスマホで

動画撮影をしていた


「ミリアン先輩、マジ止めて下さい」


和真の悲壮感丸出しの声に流石に可哀想と

思ってしまう


だって今、雷兎君はカチューシャで前髪を

後ろに流して固定

素顔全開のワイルド王子何だけど…

鼻テッシュの全開状態

それを後ろから抱きしめた和真

和真の顔はある種の誤解を招く顔立ち

流し目細目の頭が切れる知将風…

この組み合わせ…腐女子、貴腐人の大好物

おかわり無限無双

ミリアンさんは撮影しながら小声で

呟き続けている

耳を澄まして聞くと


「尊い尊い尊い尊い〜っ」


和真が私を見る…ジッと見る

何か言いたそうにジッと見る


「大丈夫! ミリアンさんは和真に

 惚れてる」


たとえ腐女子だろうと貴腐人だろうと

好きなんだから和真…問題なしだよね?











12月21日

 

「この間、坂巻見たぜ、あいつ外人の 

スゲェー美人と二人でめっちゃ

ボインボインだったぜ」


「ゴリラの子のお友達だから

 人間様が好きにして

 良いんじゃねぇのぉ」


「一狩りいこうやぁ」


悪意は動き出す慾望のままに…







夏休みの始まりの日


「私達の息子にした事は絶対に許さない」


「私達の娘にした事は絶対に許さん」

 

愛ある善意が動き出す





宜しく御願いし〜マツモトキヨシ

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