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#10 理津子さん雷兎君に感謝する

宜しく御願いし〜マッスル


 理恵さんと和真君が帰ってくるまで

 理津子さんは僕と話しをするために

 リビングに移動

 

 「なにか飲み物はいかがかしら」


水か麦茶はありますかと聞くと

コーヒーと紅茶もあるわよと言われたが

麦茶でお願いしますと頼むと


 「あいよっ、麦茶一丁」


寿司屋の職人さんみたいな感じで良く冷えた

麦茶が出てきた

 

    「いただきます」


うっ、旨いよこの麦茶…純粋に香ばしさと

甘さがまろやかに醸し出されてごくごくと

飲めちゃう

思わず一気飲みしてしまった 


「そっちの麦茶で正解だったみたいね!」


もう一杯、いかがかしらと陶器製のポット

を冷蔵庫から出して注いでくれた

 

 「ありがとうございます」


今度はゆっくりと味わいながら飲む


「ニ種類、麦茶作ってるのよ」


理津子さんはもう1つ冷蔵庫から薬缶を

取り出した


「コレは旦那と和真用なのよ」


あの二人はトレーニング後、必ずコレを

飲むのよ

そう言って小さな湯呑に少し入れ差し出して

きた

飲んでみろ、そう言うことだよね

一口で飲める量、口に含むと……

田舎のばあちゃん家で出てくる麦茶みたいな

なんとも言えない、ノスタルジックな味だ

この味を好きだった時って

メチャクチャ遊び回ってヘトヘトな時だ!


「どっちも美味しいですけど…今、飲んだの 

 は走り回ったあとに飲みたいです!」


理津子さんは僕の事をジッと見て本当に

ジッと見て


「雷兎君は何か運動してるのかな?」


ソレナリに筋肉が発達しているし

何もしてないならあの体脂肪の少なさは

オカシイよ

理津子さん鋭い、間違いなく夫の恵さんも

わかっているんだろうな


「理由があってパーソナルトレーナーを

 雇ってキックボクシングを習ってます」


えっ、モシカシテ猫背なのはいつでも

どこでも戦える様に臨戦態勢をとってたって

こと?


「……勉強ばかりしてたのもあると思います」


幼稚園時代はまだソコまでひどくは無かった

小学校入学してからイジメられるように

なり始めました……


 「その頃から、あのヘアースタイル?」


僕は首を横に振り


 「髪もそれほど長くなくて普通です」


女子がヤタラとまとわりつく様になり

男子は嫌がらせしてくる様になりました

テストで100点取ると先生が答案用紙を

返す時に


「西恩寺は凄いな、また満点だよ」


先生がクラスメートに大きな声で笑いながら

僕を褒めると一段と女の子達が寄ってくるし

男子は嫌がらせが酷くなるし……



 

「女子の気持ちは良く分かるよ、男子の

 気持ちは分かりたくないけど…わかるよ」


理津子さんはワイルドイケメンで勉強も

デキるし気遣いできてオ・マ・ケに

お家が裕福層だって知ってたら

女子が群がるのは当たり前の事よ

本来なら自身の中身も知ってもらって

恋愛するのが当たり前なんだけどね

幼いからしょうが無い部分はあるよね


「男子はタダのやっかみだね」


多分、自分の好きな子が雷兎君の取り巻きに

なってたケースもあると思うけど…



理津子さんの言葉にですよねと相づちを打ち

麦茶を一口飲んで一息つく



「理恵から勉強で分からない箇所を教えて

 もらってる子がいると聞いてるけど…」


もしかして、雷兎君の事かしら?!

親ばか発言するけど理恵、かなり頭が良くて

学年で4位何だけど…どうなのかな?


理津子さんの問いに答える


「教えているのは僕です」


理津子さんの目が大きく開かれ恐る恐る聞い

てくる


「学年3位かな?」


コレって順位を1コづつ上げて聞いてくる

パターンだよね…

面倒だから言ってしまおう


「学年1位です」



は〜っと驚きの息を吐き、凄いねっと

マジマジと僕を見ると理津子さんは

理恵も男を見る目があるねぇっと笑う


「1年生の時から教わっているって言ってた

 からソコカラ二人はお互いをしっていった

 訳なのね」


 によによと微笑む理津子さん



う〜ん、どうしよう…ココはありのままを

話した方が良いかな


「そうだったら、ソレでも良かったんで

 すけど…」


はっ、ナニソレみたいな感じで僕を

見る理津子さん

僕は喋り続ける


「僕は小学校3年生の時に公園で3人の

男の子に虐められている女の子をたすけ

ました」


何とか逃がしたんですけど…

ちょっとしたやり取りしかしてないけど

僕にまとわり付いてくる女の子と全く違って

凄く気になって…どこの誰だかも分からず


時は流て

中学生になり、クラスメートに似てると

言うか面影があるとゆうか…

そんな女の子を見てたら数学の問題で

分からない部分があったから教えて欲しいと

ソノ女の子が来ました

それが理恵さんです


「モシカシテ助けた女の子って…理恵?」


ぐっと握りしめた両手をテーブルの上に置き

目を見開き答を求める理津子さん

凄く怒っている…僕にじゃない


「そうです、理恵さんでした」


僕が答えると


「当時、理恵が泥だらけの洋服が血塗れで

ジムに飛び込んできて、私をイジメっ子から

助けた男の子が殴られてる助けてぇぇって」


理恵の体を調べたけどどこも怪我してなくて

夫とジムの会員さんが公園まで見に

行ったけど誰もいなくて、だけど血痕が

かなりあったって言ってたの


イジメっ子3人は理恵のクラスメートだった

から直ぐに学校に連絡して子供を連れて

学校で話し合いになったわ


3人の親達も息子の服に血がかなりツイてて

最初は息子が怪我をしてるのかと調べたら

無傷だし、学校から親子ともども呼出しが

アリ、息子が仕出かした事を知って

ビックリしていた


後、悪ガキ3人は何もしてないと

言い張ってたけど、その血はナンダって

事に言い訳出来ず

ヤりましたって認めたの


助けてくれた男の子はどこの誰かも分から

ないし、怪我の程度も分からないから…

悔しいけど厳重注意で終わったの


そこで終われば良かったのに悪ガキ3人は

理恵が卒業するまでチョコチョコ嫌がらせ

してくるから夫が送り迎えしてたのよ


中学校は別の所に行ったから一安心だけど

雷兎君、理恵を助けてくれてありがとう


頭を下げる理津子さん


「男として当たり前の事をしただけです」


「それでもありがとう!!」


頭を上げると理津子さんは泣いていた

そして怪我は大丈夫だったのかと聞いてきた

言いたくないけど…いずれ近い内に僕の親に

会うだろうから言っといた方が良いかな


「じゃぁ…教えますけど理恵さんには

教えないで下さい、終わった事なので

気負わせたくないです!」


絶対にと念を押して教えると…理津子さんの

顔は苦渋に溢れていた


家の親に合ったら絶対にこの話が何処かで

出るから親同士で治めて貰いたい

理恵さんは被害者なんだから…






読み手が増えてありがたいです!!

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