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#1 見た目で判断される世界

宜しく御願いします!


 「ごめんなさい…私、彼氏いるので」


中学生になってずっと同じクラスの女子

坂巻理恵さんに三年生の夏休み前に想いを

募らせて告白したのだけれど…結果はご覧の

通り見事に玉砕しました


「こちらこそゴメンね…話、聞いてくれて

 ありがとう…」

 

坂巻さんは丁重に断ってくれたので

ダメージがあっても僕の心のは意外と

落ち着いてる

本当にいい人なんだよ坂巻さんは…

いじめられては無いけどクラスで

浮いてる僕に普通に挨拶を交わして

くれるし勉強で解らない所があれば必ず

僕に聞いてくれて…

好きな娘が頼ってくれて凄く嬉しかった

別け隔てなく接してくれる坂巻さんを好きに

なって本当に良かった

 

 「僕はもう行くよ…」


坂巻さんに一礼して行こうとしたら突然に


 「ちょっと待って西恩寺君!」


坂巻さんに呼び止められビックリしたよ

まさかのワンチャンありなのか?

僕はもう一度、坂巻さんと対峙した


「あのね、西恩寺君の此れからの恋愛に

ついてアドバイスしたいのだけど…聞く?」


へっ、なんの事か分からないけど

間違いなく僕の為のアドバイス

みたいだ…だけど


 「流石に直ぐに次の娘なんて…」


少し、不機嫌になってしまったけど

坂巻さんは動じる事なく僕の顔を見て

力強く言葉を発した


「好きな相手に告白するのにボサボサ頭は

有り得ないよ! 前髪がメガネの上から

かかって目がよく見えないから

表情が読み取れないし、ソレだと不気味に

感じるよ!

私はクラスメートととして2年間の

つき合いで西恩寺君が誠実で

頑張り屋さんなのを知ってるから

呼び出しに応じたけど

好きな娘と話しをするのだから

自分を良く魅せる工夫をしないと駄目だよ」 


「ごっ…ごめん、髪型を変える事は許されて

 無いから…」


義妹のミリアに雷兎(らいと)お兄ちゃんは

この髪型が1番だから変えないでと言われて

いるから駄目なんだと坂巻さんに伝えた


「嘘でしょう…そのボサボサ頭の目隠し

前髪が似合うなんて有り得ないよ?」


だって清潔感が無いし眼と眉が見えないと

感情が読めないから不気味だよと教えてくれ 

たけど駄目なんだよ…


「流石に僕だって好きな娘に告白するのに

このボサボサ頭は無いなと思っていたから

朝、洗面所でワックスを使って前髪を後ろに

流したらミリアがメチャクチャ怒って頭を

無理やり猛烈に洗うんだよ…」


間違いなく僕は坂巻さんに失礼な告白をした  

のだと今ならハッキリと判る


「ゴメンね…僕…やっぱり失礼な告白してるね」


駄目だなぁ…勉強ばかりしてたから

好きな娘とのやり取りさえマトモに

できないなんて…


「何故、メチャクチャ怒ったのかしら?」


坂巻さんは首を傾げながら僕をジッと見つめ

言い放った


「西恩寺君、メガネ外して前髪上げてみて」


胸の下で腕を組む坂巻さん破壊力バツグンだ

組んだ腕の上にミシッと大質量のミートが

のし掛かって…眼が吸い寄せられてしまう

見ちゃ駄目だ見ちゃ駄目だ見ちゃ駄目だ

必死に視線を外すと


「私の胸が気になるのはわかるけど…今は

 西恩寺君の前髪が問題なんだよ」  


顔を紅くしながら恥ずかしそうに言う

坂巻さんの物言いに僕の顔も恥ずかしさで 

真っ赤っ赤になってしまった

胸を見たのがバレバレだった

 

「ゴッ…ゴメンねっ…本当にゴメンね」

 

兎に角謝るしかない…だけど眼が

吸い寄せられてしまう


「義妹のミリアに僕の顔を女の子に

見せたらビックリして嫌われるから…

見せたら駄目だって言われてるのだけど…」


僕が戸惑っていると坂巻さんから厳し

指摘をされた


「素顔を見せずに好きになってくれる

人なんているのかな? 

それに付き合ってからも顔を見せないの?」


西恩寺君は妹の言いなりになり過ぎだと

言われ、そんなんじゃマトモに女の子と付き

合えないよっとさらなるダメ出し

 

 「ぶっブサイクでも驚かないでね…」


僕は眼鏡を外して前髪を上げてみた

坂巻さんの反応を確かめたかったけど眼鏡を

外してるから良く分からない

坂巻さんが何も答えてくれない…

取り敢えず眼鏡を掛けて前髪を下ろした

 

何だかさっきより顔が赤い坂巻さん

黒髪ロングストレートの艶々で天使の輪が

いくつも見える美髪だ

パッチリ二重のアーモンドアイ

きれいに通った鼻筋

何時もは閉じてる口が何故か半開き

だけど相変わらず美少女だ

 

目を大きく見開き、ポカンと口を開いたまま

反応しない坂巻さんがちょっと心配だ


 「坂巻さん、大丈夫?!」

 

声を掛けてみたが未だにフリーズ状態 

ミリアの言う通りに僕の顔がビックリする程

ブサイクでショックを受けたのだろうか?!

 

「さっ西恩寺君…も一度、かっ顔みせちぇっ」


 坂巻さん…耳まで真っ赤っ赤にしながら

 も一度、顔を見せてってどうしたんだ?

 しかも噛んでるし…


 「こっ…これで良いかな?」


言われた通り眼鏡を外して前髪を上げた

坂巻さんは僕の顔を見ながら小声で

ぶつぶつと何かしら言ってるけど…

よく見えないから眼鏡をして前髪を下ろした

 

「西恩寺君…私、判ったよ…妹さんが貴方に

 頭ボサボサヘアーに前髪下ろしを強要した 

 のか」


 「えっ、本当?」


僕の顔を2回見て理由が判るなんて名探偵

みたいだ

理由を教えて欲しいとお願いしたけど…

教えてくれなかった?



「私…西恩寺君に嘘付いたので謝ります…

  ごめんなさい!! 」


いきなり謝る坂巻さんに何事なのか、戸惑っ

ていると…


 「彼氏はいません、嘘です!!」


どうしてそんな嘘を付いたのか説明して

くれたが原因はやはり僕だった

僕の人柄は理解してるけど…前髪で目が隠れ

表情が余り分からないからちょっと

不安だったそうだ

それに中学生になって1年生の時から、僕に

対する女子のイメージはストーカー行為し

そうに見えると思われ続けているとショックな

情報を教えてもらった


「私はクラスのグループチャットで偶に

西恩寺君の事が話題に上がると必ず、さっき

話したストーカーの話しになってしまうの」


坂巻さんの心の片隅に皆が言い続けた

ストーカーのイメージがこびりつき自分を

守る為に彼氏がいると嘘を付いたのか…

本物のストーカーは彼氏が居ようが家族が

居ようがお構いなしだと思うけどね


「坂巻さん、気にしないで良いよ、自分でも

鏡見た時、そんなイメージ持った事あるし」


僕の見た目が原因なのがハッキリと判ったよ

中身が良くても見た目で判断される事も…


「原因のヘアースタイル変えるとミリアに

 怒られるから無理だよ」


僕の義妹ミリアは正確には

西恩寺ミリアン・ロボロフスキーが正式名称

名前から判る通り元、ロシア人


僕の母、西恩寺香苗と8年前にミリアの父

ヴァンジュ・ロボロフスキーと再婚

帰化して今は日本国籍だ

僕は4歳の時、父親を…ミリアは2歳の時に

母親を共に交通事故で亡くしている

母とヴァンジュ父さんの出合いは僕が作った

偶然なんだけどね

義妹ミリアは同い年で僕の方が誕生日が

早いから義兄になった


 「私に考えが有るのだけど…」


坂巻さんがいつの間にか直ぐ側にいた、エッ

さっき迄、ずっと2メートルほど距離を取って

いたのにいつの間にか直ぐ目の前にいる


「えっ、何かアイデアがあるの?」


 髪型イジれないから手詰まりだと思うよ

 そう言ったけど…坂巻さんは大丈夫だよと

 他にも改善すべき事が有るからそこら辺を

 直せば結構イメージ変わると言ってきた


「最初に片付けたい問題は夏休みの宿題!」


坂巻さんの誰もが思う当たり前の発言に理由

が有るのだろうか?


 「普通でしょう、ソレって?」


僕の発言に坂巻さんは不思議な事を

言ってきた


「私は大丈夫だけど、西恩寺君が暫く

 苦しむから先に宿題をデキるだけ進める

 方がいいと思うよ?」


坂巻さんが何だか不安になる様な事を言っ

てくる

僕に何をさせる気なんだろうか


 「僕は何をさせられるのかな?」


僕をジッと見た坂巻さん

一瞬、ニチャッと汚い笑みを浮かべた様に

視えたけどきっと気の所為だ…だってほら、

僕のイメージ改善を手伝ってくれるのだから


「先ず西恩寺君がヤラなければ成らない事は

姿勢を正す事です」

 

スビシッと僕を指差す坂巻さん

凄く簡単そうな事を言ってくるけど何故か

僕の本能が今すぐ逃げろと危険を感じて

勝手に身体が動きだす

 

だけど坂巻さんは桁違いに速かった!!

僕がピクッと動いた瞬間、既に僕の事を

正面から抱き締めていた?!


 「捕まえた〜っ」


ちょっと鼻に掛かった甘い声に何故か

ぼっ、ぼっ、僕は恐怖した

おかしい…僕は坂巻さんとラブラブに成った

ら、こんな風に鼻に掛かった甘い声で

キャッキャウフフを想像してたのに…

まるでお腹を減らしたメスライオンに抱き

倒されているイメージしかない

 











 

他の連載もちゃんと書こうと思ってます 

新しいのを考え始めると其処に集中しちゃって中々書けないです

スイマセン、駄目野郎ですね俺

気長に待ってもらえると有り難いです!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 予測できる謎と予測できない謎の両方があり、次の展開が気になります! あと、最初は点や丸がなくて、文章が途中で改行されるので変わった書き方だと思いましたが、独特のリズムにこの書き方が合ってい…
[一言] 設定が大変興味深いです。 義妹がイケメンの義兄に女が寄ってこないようにするのがうかがえて、これからぢうなるか楽しみです。
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