カエルぴょこぴょこ 三ぴょこぴょこ
それはどこからどう見てもカエルだ。まあ、軽自動車よりひと回り小さい大きさのカエルは地上にはいないだろうが。
「あの表面には特殊な液体が噴き出て来ている。火炎瓶を投げつけても燃えないし、上手く当てないと刃が滑って入らない。あと、魔力防御で打撃は防いでくる──と聞いた事がある」
聞いた事がある知識を取り敢えず言うと、ハルが声をあげた。
「絶望的じゃないかあ!?」
「だから、上手く刃筋を立てて切るのよ」
イオがそう言って、刀を一閃する。すると、ぱっくりとカエルの体に赤い線が入った。
俺にはそんな達人みたいな真似はできないぞ。
「もうひとつ。やつらは口の中に獲物を入れて、巣に持ち帰るらしい」
「巣でゆっくりと食べのか?」
「そうだ」
イオは肩を竦め、そして気付いた。
「あれ?傷口が」
「まあ。再生するんだわあ」
チサが感心するように言う。
「囲まれてるよ!転移石までも行けない!」
周囲にはそんなカエルが3匹おり、俺達を不気味に取り囲んでいた。
ハルが死にそうな顔になったが、やるしかない。
俺達はカエルとの戦いを開始した。
「イオ、斬れそうか?」
「行けると思うわよ」
「チサ、どうだ」
「そうねえ。舌が狙い目ね」
「なるほど。舌を切断してみるか」
「わかったわ」
言うなり、イオとチサが飛び出し、俺も舌に火でも氷でも風でも打ち込んでやろうと待ち構える。
カエルは舌を俺達に向けてびよーんと伸ばして来た。それをひょいとかわすと、俺の横にあった木がへし折れて、舌に巻き取られて口の中に巻き取られて行った。
「舌の力じゃないだろ、あれ」
「呑気な事言ってる場合じゃないよ!」
ハルは喚きながら、伸びて来た舌をかわし、シャベルを振り回した。
それがザクッと舌を斬り、カエルは黒に近い茶色から紫色に変わった。
「チアノーゼか?」
「シュウ!いいから!」
ハルが半泣きになる。
俺は再度伸びて来た舌に向けて、氷を放った。
つららのような氷が喉の奥に入り込み、舌が入らずにベロンと外に垂れ下がった。そこでイオが舌に刀を振り下ろす。
舌が落ち、カエルは地響きを立ててその場に崩れ落ちた。
紫色になったカエルの方は、やたらとビョンビョンと飛び跳ね、ハルを狙う。
ハルはそれを傘で防ぎ、跳ね返ってひっくり返った所を、忍び寄ったチサの牛刀で仕留めた。
「危ない!」
ハルの悲鳴じみた声に、俺は背後を振り返った。
同時に、チサの悲痛な声が響き渡った。
「シュウ!?」
物凄い力で何かが胴に巻き付いた、と思ったら、視界がグルッと回りながら体が浮き上がり、気付くと、カエルの口の中を覗き込む形になっていた。
「あれ?」
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