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ボくらのひめゴト  作者: 狐火キュウ
9/11

勉強

二話の部分を少し変えました

 週明けの月曜日、いつものようにカフェオレを近くのコンビニで買ってきていた。

 前の席に武人の登校カバンが机にぶら下がっているのを見るに先に来ているのだろうが、肝心の武人の姿が見えない。


「あいつ、どうしたんだろ」


 そう小さく呟きながらカフェオレにストローを刺す。 

 スマホを見ながらカフェオレを飲んでいると思いっきり背中を叩かれた。


「おはよ」

「ゲホッ、器官に入った」

「そこまで強く叩いてないぞ」


 胸を軽く叩きながら深くせき込む、器官に何か詰まった不快感が消えると武人のほうを見る。

 

「驚かすのは違う」

「悪い悪い」


 悪びれもなくそう言う武人の横腹を強めに肘うちをする。

 

「何してた」

「ちょっと待って」


 思ったより深く刺さったらしく、横腹を押さえている武人を横目に残ったカフェオレを飲み干す。


「んで、何してたんだ」

「昨日、先生に呼ばれてた。 それ、無視した」

「それで、朝一に呼ばれたのか」


 バカだろと思いながら深くため息をついた。

 

「それで、その放課後にさ! 有紗さんが勉強会開くってさ!」

「行ってこい」

「バカ言え、俺一人で行けるわけないだろ!」

「それを自信満々に言うことではないと思うんだが?」


 ほんとにバカだろと今度は口にした。 武人にも聞こえたはずだが、武人は気にした様子はなかった。


「だから、一緒に行こうぜ!」

「嫌だ」


 きっぱりとそう言った。 絶対に行かない、晩飯も作らないといけないのにわざわざ、帰りを遅くする気はない。



 早く帰れる。 そう思っていた時期が僕にもありました。 武人に僕が力で勝てるわけが割りませんでした。 

 だって、武人は学年一力が強いんだぞ、カバンを掴まれたままずるずると、有紗が勉強会を開くという教室に連れてこられた。


「ここに座ろうぜ」

「真ん中じゃなくていいのか?」

「は? 俺に死ねと?」


 武人が陣取った場所が教室の一番端っこだったから、そう聞くと真顔でそう返してきた。

 この会を開くきっかけとなった有紗は前に立って、一グループずつ教えていくようだった。

 男子のグループも数個見受けられるが、どれも端のほうによっていた。


「僕はお前を教えればいいんだな」

「おう、よろしく頼む」


 早速、数学の教科書とノートを広げながらこちらを見ていた。

 

「なになに、二次不等式ね」

 

 僕は武人を教えながら有紗のほうをチラチラ見る。 どうしても、有紗がうまく教えられているかが不安だった。


「えっと、ここはこの計算で出てきた数を代入して……」


 そう、教えている声が聞こえてきたのにうまく教えられているんだなと安心しながら、武人を教えていく。

 武人にある程度教えた後に、澪用のテキストも並行して作っていく。

 自分の勉強をしないのかと言われそうだが、僕は家でゆっくりしながらのほうが覚えられる。


「なぁ、ここ。 どれ使えばいいんだ?」


 不意に武人からそう声が聞こえて答えようとすると、僕と武人の横から声が聞こえた。


「ここは、この数式を使えばいいんですよ」


 そう言ったのは、有紗だった。 武人はまさか教えてもらえるとは思わなかったようで鳩が豆鉄砲食らったようになっていた。

 固まっている武人にペンで軽く突っつく。 それで、正気に戻った武人があぁ、なるほどと呟きながら解いていく。

 それを見ながら僕は苦笑した。


「石村さんは何かわからないところはありますか?」

「ないよ、武人の付き添いで来ただけだし」

「そうですか」


 そう言った瞬間から周りからの視線が痛い。 主に、じゃあ帰れよという視線だった。

 その視線に気づいてか、俺だけに見えるようにフンッと笑っていた。



 5時半を回り、先生たちの校舎見回りが始まったタイミングでお開きになった。

 結局、有紗は全員に一回わからないところを教えるだけで終わってしまった。


 「ただいま」


 買い物して家に帰るとリビングのソファーでスライムのように溶けている有紗がいた。


「疲れた、もう動きたくない~」

「お疲れ様、これ食べな」


 有紗の目の前の小机にプリンを置く。


「これ食べていいの!?」

「おう、糖分取らないとな」


 あとがき


 二話の部分を少し変えました

配信楽しい+ネタが思いつかなかったのダブルパンチで更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした

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