ダンジョン攻略 注意と祝勝
アンズとクレアが大きなスライム目掛けて突っ込んでいった。
いくらスライムの攻撃が弱いからって凄く心配だ。
防御魔法を張りたいけど、そんなことをしたらサーシャに怒られるので出来ない。
二人とも、大怪我だけはしないで。
もし怪我したとしてもすぐに直してあげるからね。
そうして突っ込んでいき、二人は大きなスライムの目の前までたどり着いた。
「アイスランス」
「ファイアーランス」
それぞれ氷と炎の槍を放って大きいスライムを攻撃する。
それは今までと違って小さいスライムに遮られることなく、大きなスライムに命中した。
「アイスランス」
「ファイアーランス」
ダメージは受けているみたいだけど一度では倒せなかったみたいで、その後も何度か同じ魔法を放つ。
その間も小さなスライムは生まれていたけど、その小さいスライムも倒しながら、大きいスライムを倒すことが出来た。
「二人とも、大丈夫!」
大きいスライムを倒したのを確認した私はすぐに二人のもとに駆け付ける。
その間に残っていた小さいスライムは倒しておいた。
大きいスライムは倒したんだし、いいよね。
「あはは、大丈夫だよ。少し打ち身は出来てるけど、殆どダメージはないかな」
「わたくしも大したダメージは追ってませんので大丈夫ですわ」
二人ともにこっと笑顔を向けてくれる。
良かった。大丈夫そうだ。
でも念の為に回復魔法をかけておこう。
「ありがとう」
「ありがとうございますわ」
また笑顔を向けてくれる。
本当に二人が無事で良かった。
「それにしてもビックリしたよ。いきなり突っ込んでいくんだもん」
「うん、正直少し怖かったかな。でも私たちが攻撃を当てようと思ったらああするしかないかなって」
「わたくしも正直怖かったですが、アンズさんと同意見でしたので」
「そっか。心配したけど、それでもおめでとう!」
二人の頭を優しくなでて上げる。
二人の方が背は高いけど、いつも通りこういう時は宙に少し浮かべば問題ない。
便利だね<浮遊>のスキルは。
「ルー様、何してるんですか」
遅れてサーシャたちもやってきた。
でも何故かサーシャが呆れるように私に話しかけてくる。
何って私、何もしてないよ?
「不思議そうな顔しないでください。スライムを倒したじゃないですか」
「それは大きいのを倒した後でしょ!」
「それでも倒しましたよね」
はぁとため息をつくサーシャ。
え?倒した後でもダメだったの?
大きいのを倒して戦闘も終わったんだし、私戦闘中には全く手を出してないよ?
今回は無意識に何かをしていたなんてことも絶対にないからね!
「あのですね、戦闘は親玉を倒せば終わりと言う訳ではありません。繊維を喪失している残党が居るのならともかく、今回はまだスライムたちが残っていましたよね。それらをすべて倒してようやく終わりなのですよ」
そう言われてみればそうかもしれないけど、それって屁理屈じゃないかな?
「全く屁理屈じゃないです」
「理不尽だよ!」
「はぁ、どこが理不尽なんですか……」
全くサーシャは。
私も少し悪い所があったかもしれないけど、それでも今回のことぐらいいいじゃん。多めに見たよ!
「それと二人にも少しあるぞ」
今度はアンズとクレアに話があるみたいで二人に視線を向けるサーシャ。
お祝いの言葉かな?
「二人とも、少し無茶が過ぎるんじゃないか?」
あれ?お祝いの言葉じゃないの?
「突撃するという決断力は良かったが、それでも少し危険すぎる行動だったな。二人とも近接県はあまり得意ではないのだし、接近するのは危険すぎる。
それと相手がスライムだからと突っ込んだのだろうが、いくら相手がスライムだろうともう少し慎重になった方がいいぞ」
そんなサーシャのお説教を聞いて、二人ともしゅんとしてしまう。
「サーシャ、勝ったんだし別にいいじゃん。そんななこと言わなくても」
「今回は勝てたから良かったですが、毎回こんな方法ではいつか大怪我をしますから」
「それはそうかもだけど!」
うぅ……。
サーシャの言ってることは分かるけど!
でもでも、今は二人が頑張ったんだし!
「分かってますよ。結果として大怪我なく今回は勝利できた。それに関してはよくやったな」
優しい笑顔を二人に向けるサーシャ。
それを見てアンズとクレアも笑顔になる。
「ありがとう。でも次からは気を付けるね」
「サーシャ様のお言葉、忘れないようにします。ありがとうございました」
二人ともサーシャにお礼を言って元気になる。
良かった。みんな笑顔で。
サーシャも少し厳しかったけど、それでもやっぱり二人のことは大切にしてるんだね。
マリンも二人の勝利にお祝いの言葉を言っている。
よーし!後は階段の所まで変えるだけだね!
そこからは私がカッコいい所を見せよう!




