ダンジョン攻略 怒らないで?
よし!
アンズとクレアが頑張るみたいだし、私も出来る限りサポートしよう!
まずは、あのアンデットの召喚魔法を何とかしないとだね。
あれのせいで、たくさん魔物たちが出てきて、流石に今の二人にはきつすぎると思う。
だから、召喚魔法を封印することにした。
方法は簡単で、このあたりの空間を固定するだけ。
空間魔法の応用で誰でも簡単に出来ると追う。
「いえ、そんなこと、誰でも簡単にできません。
簡単に出来るの何てルー様くらいです」
そうかな?
サーシャもできるよね?
そんな疑問はひとまず置いておくとして、今は空間の固定をする。
召喚魔法は空間魔法の一種。
この空間に他の場所から特定の者を引き寄せる魔法なので、空間を固定すれば、空間に干渉することが出来なくなり、殆どの空間魔法が使えなくなる。
色々考えた結果、これが一番簡単で、確実だと思ったからこの方法にした、
「な、どうなっている!?」
私が空間の固定を実行した直後にアンデットの人が再度召喚魔法を使用しようとしたみたいだけど、失敗。
失敗したことに凄く驚いているみたい。
よし!
うまくいったみたいだね!
空間を固定した状態でも空間魔法を普通に使える人もいるから大丈夫かと少し心配だったけど、良かったよ。
「……ルー様が空間固定をした場合、空間魔法を使える人なんて居ないと思いますけど…‥‥」
呆れたように呟くサーシャ。
その言葉に「そうかな?」と首を傾げたらため息をつかれてしまった。
でも、サーシャにそうやって評価してもらえるのは凄く嬉しい!
「ありがと!」
評価してくれたことに満面の笑みで感謝の言葉を伝えた。
「……」
だけど何故か顔を逸らされてしまった。
気のせいか、少し頬が赤いような。
「?どうしたの、サーシャ?」
「き、気にしないでさい!
それよりも二人です!」
サーシャの様子は少し気になるけど、確かにサーシャの言う通り今はアンズとクレアだ。
二人の方を向て見ると、二人もこっちを見ていた。
「えっと、もしかして、ルーちゃんがしてくれたの?」
「?」
急なアンズの質問に意味が分からず首を傾げる。
「あのアンデットが魔物を召喚できなくなったことですわ。ルーさんがしてくださったのでは?」
あぁ、そのことね。
「うん!そうだよ!
魔物がいっぱいだから今の二人には厳しいかなぁ~って思って、召喚魔法を封印しておいたよ!」
胸を張りながらドヤ顔で二人に答える。
「だから二人とも頑張ってね!」
「うん!ありがと!」
「ありがとうございます!ご期待に副えるように頑張りますわ!」
私の応援の言葉に更に気合を入れなおすアンズとクレア。
もうクレアに怯える様子は見られない。
そんな二人とは対照的に体をぷるぷる震わせて、急に叫びだすアンデットさん。
「ふ、ふざけるな!な、なんなんだ貴様は!
先ほどからふざけたことばかり!」
震えているのは恐怖からじゃなくて、怒りからみたいだ。
何か、少し怖い。
どうしてそんなに怒ってるの?
そんなに怒らないでよ?
骸骨にそんなに怒られたら少し怖いよぅ。
「……」
「さ、サーレイシャ様!?」
私が少し落ち込んでいると、後ろからマリンの焦った声が聞こえて来る。
なんだろうと後ろを振り返って見て見ると、今度はサーシャが身体をぷるぷると震わせていた。
あれ?
サーシャも少し怒ってる?
もしかして、私の為かな?
そうだったら、嬉しい。
「落ち着いて、サーシャ。私は大丈夫だから」
とりあえずマリンの顔色も悪くなってるのでサーシャを宥める。
でも、マリンが焦るようなことじゃないと思うけど。
サーシャが起こってるのはアンデットさんに対してだよ?
「……はい。大丈夫です。
すみません。少し取り乱しました。
クレア、アンズ、私の代わりに頼んだ」
「う、うん」
「は、はい」
落ち着いたサーシャが二人に頼んだと声をかけると、少し動揺しながらも頷いて答える二人。
そんなサーシャを見て、その横でマリンはほっと、一息ついていた。
顔色戻って良かった。
「き、貴様!」
あっ!
ちょっと忘れてた。
「皆殺しにしてやる!」
あ、ますます怒らせちゃったみたい。
骸骨だから表情が変わらないはずなのに、「激怒してます」って言うのが凄く伝わってくる。
だから、怒らないで。
その顔で怒鳴って怒られると少し怖いんだって。
そんな私の心境とは大違いにアンズとクレアの二人はアンデットさんに向き合って、戦いが始まった。




