表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/82

ダンジョン攻略 別の心配?

 結局、影の魔物のことはよく分からなかったので、ひとまず置いておいて私たちは先に進んだ。


 「あっ、まも、の……?」


 一番前を歩いていたアンズが声を上げる。

 だけど、いつもとは違う反応だ。

 何かあったのかな?


 私も通路の先に目をやり、魔物の姿を確認する。


 「あれ?」


 そこには魔物の姿はなく、いたのはローブを被った人だった。


 何でこんなところに居るんだろ?

 もしかして、冒険者かな?

 私たちと同じように訓練で潜っている学園の生徒じゃ無いだろうし。生徒なら、パーティ組んでるはずだからね。

 

 そんな事を考えていると、クレアがローブの人物に話しかけた。


 「あの、冒険者の方でしょうか?」


 そう声を掛けつつも、どこか警戒しているようなクレア。

 

 どうして、そんなに警戒してるのかな?

 魔物じゃ無いならそこまで警戒しなくていいよね?


 首を傾げて疑問に思っていた私に、サーシャが答えを教えてくれた。


 「ルー様。たとえ魔物ではなかったとしても警戒は大事ですよ。

 こういったダンジョンには盗賊なんかも出ますし、冒険者だったとしても素行の悪い奴らは存在するので、こう言った場所では注意が必要です。

 特にクレアは王女、それにアンズも含め美少女なので、別の心配もありますし。

 それと、あいつは……」


 最後の方は謎の人物に視線を向けて、どこかふくみのある言い方で説明してくれたサーシャ。

 気になってもう一回、視線を送るけどよくわからない。

 フードを目深に被っていて、顔もよく見えない。


 それとサーシャの説明にひとつ、分からないことがあった。

 前半の方の人でも警戒は大事って言うのは分かった。

 私もこんな見た目だから、私のことを知らない人に絡まれたことも何度かあるしね。

 だけど美少女だからっていうのはよく分からない。

 クレアは王女だからっていうのはわかるけど、二人が可愛いのは関係ないよね?

 どうして二人が美少女だったら心配になるんだろ?

 それに別の心配って何?


 「……ルー様は気にしなくて良いことです」


 ?

 ホント、どういう意味だろ?

 すごく気になる。

 それから、可愛い子に心配が必要ならサーシャも気をつけないといけないと思う。

 サーシャなら強いから大丈夫だろうけど、別のって言い方が心配だ。


 「だから、気にしないでください。

 ルー様には全く関係しなくていい話ですから」


 気になるのでごねて何度も訊いてみるけど全然教えてくれない。

 

 「でもでも、サーシャも可愛いから危ないかもだし、私も警戒しないとかもだし」


 気になるので尚も食い下がる。

 自分で言うのも何だけだ私もそれなりに可愛い自信はある。

 みんなにも「可愛い」って言われてたし。

 だから、危険なことがあるなら知っておきたい。

 皆の事も心配だし。


 「……本当にルー様は関わらなくて良いことですから。

 そんな顔で見ないでください」


 必死の上目遣いでもダメだった。

 これでダメな時はもう絶対に何をしても無理だ。

 私に教えないのにはサーシャなりの何か考えがあるのかもしれない。

 気になるけど、我慢しよう。


 サーシャはいつも私のことを考えてくれてるから、きっと私のためなんだと思う。

 私はサーシャを信じてるから。

 困ったことがあったら相談してくれるし、大丈夫。

 サーシャはいつも私を一番に考えてくれる、とっても優しい子だから。


 少し、寂しい気もするけど……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ