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ダンジョン攻略 どうして?

 アンズとクレアが何度も魔法を打っているが、なかなか影の魔物は倒れない。


 「ねえ、あれって効いてるの?」


 あまりにもなかなか倒れないから不安になってサーシャに訊いてみた。

 するとサーシャも首を傾げながら、あいまいに答える。


 「効いてると…‥思いますが…‥」


 魔法が当たった魔物は一瞬怯むだけで。こちらへの歩みは変わらない。

 魔法が当たるたびに少し後ろに下がるから、全然進めてないけど。


 これって、永遠に続くんじゃない?

 このままだと、流石に二人もしんどいかも。

 私も参加しようかな?


 「このままだと、二人の魔力が尽きちゃうかもだし、私も参加していい?」」


 聞かないで参加したら、また怒られちゃうから一応確認してみる。

 まぁでも、多分ダメって言われると思うけど。


 「…‥そうですね。少しなら。いいですよ」


 「いいの!?」


 まさか、いいって言ってくれるとは思ってなかった。


 「ただし、やりすぎないでくださいよ。あくまで二人の支援ですからね」


 サーシャの了承も得たことだし、張り切って頑張ろう。

 もちろん、手加減は忘れないよ。


 それと。気になってたことも試したい。

 何で、さっき私の魔法が当たったのか確かめよう。


 「ファイヤーボール」


 まずはさっきと同じ魔法を試す。

 でも今度は、火球は魔物の身体をすり抜けていった。

 やっぱり、実体を持つ魔法はダメみたい。


 「ファイヤーボール」


 もう一度火球を放つ。

 今度は事前に「当たれ」って思いながら打った。

 さっきサーシャに言われたから実験だ。

 すると、火球は魔物の身体を擦り抜けることなく命中した。


 「…‥何してるんですか?」


 「実験だよ」


 呆れた目で訊いてくるサーシャに返す。

 

 だって、何で当たるのか気になるんだもん。


 「そうだ。アンズも当たれって思いながらさっき当たらなかった魔法打ってみてよ」


 もしかしたら、誰でも当たれって思いながら打てば当たるんじゃないかと思ったので、アンズにお願いする。


 「うん。アイスアロー」


 だけど、氷の矢は魔物の身体をすり抜けていく。


 「う~ん。本当に何でだろ?」






 結局何故だか分からないまま時間が過ぎる。

 だけど、全然影の魔物を倒せる気がしない。


 「これ、やっぱり効いてないよね」


 「そうみたいですね。ルー様がここまでして倒せないとなると、ダメージは入ってないと思います」

 

 あれから、私も二人に混ざって何度も魔法を打ってるけど、魔物はまだまだ元気だ。

 サーシャも効いてないって言ってるし、もうちょっと威力を上げて試してみようかな?


 「シャイニングランス」


 光の槍を今までよりも威力を上げて放つ。

 光の槍は魔物に当たったけど、倒すことは出来なかった。


 「今ので倒せないとなりますと、何かあるのかもしれませんね」


 サーシャとマリンが考え込んでしまった。


 「私たちはどうする?」


 「ルーさんの魔法も効果だありませんのなら、わたくしたちには何も出来ないと思いますが」


 アンズとクレアも魔法を打つ手を止めて悩みだす。


 でも、二人とも凄い。

 結構な量の魔法を休まずに打ち続けてたけど、まだまだ余裕そう。


 「ルー様。一つ確認ですが、何もしてませよね?」


 してないよ!?

 それって、どういうこと!?

 いつもいつも、私を疑って!?

 

 「すみません。一応、念のために訊いただけです。

 昨日の魔力譲渡のこともありましたし」


 うっ。

 それを言われると何も返せなくなる。

 

 …‥。

 私、何もしてないよね?

 うん。大丈夫。

 何もしてない。


 「それでしたら、あの魔物を一度倒してくれませんか?」


 「どうやって?」


 それが出来ないから困ってるんだと思うけど。


 「空間消滅なら倒せるはずです」


 そうなの?

 まぁ、サーシャがい言ってるんだし試してみる。


 「空間消滅」を打つと、影の魔物の姿は完全に消滅した。


 「やっぱり凄いね、ルーちゃんは」


 「とても素晴らしいです」


 アンズとクレアが褒めてくれる。

 サーシャは何か考え込んでいるみたいだ。


 「結局、どういう仕組みかは分からなかったけどね」


 倒せたんだし、考えても仕方ない。

 だから進もう。


 アンズとクレアが警戒態勢に戻り、再びダンジョンを進むことにした。


 でも、やっぱり気になるな。

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