ダンジョン攻略 どうして当たったのかな?
影の魔物に魔法を当てたら何故かサーシャに怒られた。
確かに私は手出しするなって言われてたけど、殆どダメージは入ってないんだし別にいいじゃん。
それに、何で攻撃が当たるのかなんて、言われても困る。
「それは、槍系の魔法じゃないからじゃないの?
二人とも、さっき槍系の魔法で当たらなかったから、それ以外の魔法で当たると思ったから。
それが答えじゃないの?」
私の考えをとりあえず言ってみる。
だけど、サーシャにすぐに否定されてしまった。
「違います。そんなことは関係ないです」
違うの?
でも当たったんだし正解でしょ?
ん~。
それじゃあ、何が違うのか。
…‥。
あっ!
そっか、私は魔法を無詠唱で打ったから、それが良かったのかも!
「それも違います」
そう思って、サーシャに言ってみたら、またすぐに否定された。
「そもそも、あの魔法では本来当たらないはずなんです。
だから、今ルー様が使った魔法のことは忘れてください」
どこか呆れたように言うサーシャ。
でも、当たったんだし、サーシャの知らない条件とかあるかもじゃん。
もう一回魔法打って試してみようかな?
「ダメですよ。もう、ルー様は何もしないでください」
ちょっと魔法を打とうかと思っただけなのに、サーシャに心を読まれてしまった。
本当にちょっとしか思ってないのに、その言い方は酷いよ。
「え、えっと…‥それでは、どんな魔法なら当たるのでしょうか」
サーシャの視線から逃げようとしていたところでクレアが助け舟を出してくれた。
そんなクレアにアンズも話に乗っかる。
「そうだね。う~ん、他の属性とか試してみる?」
「そうですわね。色々と試してみましょう」
アンズの提案にクレアも賛成し、二人で交互に色々な魔法を打っていくことになった。
「当たった!」
あれから暫く色々な魔法を打っていき、ようやく魔法が影の魔物に当てることに成功した。
当たったのは光の魔法。
それまでに、土だったり風だったり、他にも威力なんかを変えて打ったりしたけど、「シャイニングアロー」が影の魔物にダメージを与えたのだ。
「光の魔法が有効なのでしょうか?
――シャイニングボール」
ダメージは与えられたと思うけどけど、まだまだ元気な魔物に対して今度はクレアが光の魔法を放つ。
その魔法も身体をすり抜けていくことはなく、みごとに当たった。
そっかー。
正解は光だったのかぁ。
でも、考えてみれば簡単だよね。
影に光を当てたら消えるし。
でも、二人より早く気づきたかったなぁ。
ちょっと悔しい。
「やっぱり光の魔法なら当たるね。
でも、結構体力あるね。どれくらいダメージ入ってるかもわかりずらいし」
魔法の当てられた魔物は今もゆっくりとこちらに近づいてきてる。
アンズの言った通り、どれくらいダメージが入ってるのかすごく分かりずらい。
さっきより、ちょっと小さくなってるかな?って感じだ。
「良く気づいたな。
まぁ、当たるまで打ち続けたんだからいつかは当たるだろうが。
それでも、いろいろな種類の魔法を使えなければ出来ないことだし、上出来だと思うぞ」
サーシャが二人を褒めている。
マリンもサーシャに続いて褒めていた。
「あの魔物は実態を待つ攻撃は全く効かない。例外はあるようだが。
だから、非実体の光は当たる、と言うかあいつにとっては弱点だろう。
他にも闇の魔法も当たるぞ」
そう言ってサーシャが魔物に闇の魔法を放つ。
その魔法もきちんと当たった。
だけど、例外があるって言った時、私の方をわざわざ見なくてもいいよね?
そもそも言う必要ないと思う。
「でも、全然倒せないよ?」
サーシャの解説を聞いたアンズが首を傾げながら質問する。
「あいつはタフだからな。何度か魔法を打てば倒せるだろ」
今度はざっくりとした答えを返すサーシャ。
それに二人は頷いて魔法の詠唱に入った。
「ところで、どうしてルーフェスさんの魔法は当たったんでしょうか?」
アンズとクレアが交互に魔法を放ち、影の魔物の体力をじわじわと削っているとき、マリンがそんな質問をサーシャにした。
それは私も気になる。
「はぁ。どうして本人が分かってないんですか。
恐らくだが、ルー様が当たれと思われたからじゃないか?」
ため息をついた後に質問に答えるサーシャ。
当たれって思ったから?
どういうこと?
確かに思ってたと思うけど、そんなの関係ないよね?
何を思っていようが効果のない攻撃が当たるなんておかしいし。
私の疑問はマリンも同じようで再びサーシャに質問を返す。
「それはルー様が[理不尽魔王]だからだな」
そう説明したサーシャに納得が言ったように頷くマリン。
何でそれで納得できるの?
ていうか、全然説明になってないよ!?
全く、昔からそれで何で皆納得しちゃうのか。
私の中ではちゃんと理屈の通ったことしかしてないのに。
だから、今回はちょっと納得いってない。
だって、何で当たったか自分の中でも分からないもん。
何か、気になってきた。




