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アンズの行動

 「おい、あれって・・・」


 「なんであんなのが・・・」


 「ウルフ・・・ロード・・・?」


 私がウルフロードの死体を出してから少しの静寂が訪れて、そしてその後にガヤガヤと騒がしくなってきた。

 ガヤガヤと騒いでいたため人もどんどんと増えてくる。

 何をそんなに騒いでるんだろう?

 ウルフロードが珍しいからかな?

 そんなに騒ぐほどの事じゃないと思うけど。


 「どうしたの?」


 ここまで案内してくれた受付の女の人に訊いてみる。


 「どうしたのって・・・これ、どうしたの?」


 「これって、ウルフロードの死体?

 倒してきたんだけど?」


 「・・・倒した?

 それにどこからこんな大きなものを・・・?」


 「収納魔法だけど?」


 「!?収納魔法!?

 そんな高度な魔法が使えるんですか!?

 それにこんな大きなものが入る容量の収納魔法なんて・・・」


 私のことを子供だと思ってるからすごく驚いてるのかな?

 それなら納得かも。

 子供がこんな大きな魔物を倒すなんて信じられないもんね。


 「何の騒ぎだ!

 って、なんだこれは!」


 そう大声を出してやってきたのは身長2メートルぐらいある大男だ。


 「ギルマス!

 これは・・・こちらにいる方が・・・」


 そう言って受付の女の人が私に視線は向けてくる。


 「この少女が?

 ふざけているのか!」


 どうやらこの人も私のことを子供だと思ってるようだ。


 「そうだよ。

 私が出したの。」


 それから私がウルフロードを倒してそれを買い取ってもらうためにここに持ってきた事を伝える。


 「話はわかった。

 お前の話が本当なら、お前は一体何者だ?

 普通の子供にこんな強力な魔物は倒せない。」


 そう聞かれたのでアンズにした自己紹介をここにいるひとにもドヤ顔でする。


 「私はルーフェス・クフフル。[理不尽魔王]と呼ばれる最強の魔王よ!」


 そしてしばらくの静寂の後、周りにいた人たちの一部から笑い声が聞こえてくる。


 「くふふふふ・・・魔王だって」


 「ちょっとすごい収納袋持ってるからって、調子乗ってるじゃないのか?」


 「くふふ、子供の言ってる事だ、くふふ、笑ってやるな、あははは」


 これってすごくバカにされてる?


 「お前たち静かにしていろ!

 ウルフロードの買取だな、

 おい、解体できるやつをここに集めろ!」


 「おいおい、ギルマス、

 こんなガキの言ってる事信じるのか?」


 「信じるしかないだろ。

 こうしてウルフロードの死体がここにあるんだから。」


 「そんなのどうやってか用意したに決まってる!

 異常な容量の収納袋があるんだ、どぅかの貴族でウルフロードの死体をも強い冒険者に用意させたかもしれないだろ!」


 「そんなことする理由は?」


 「自分の功績だと言うためにきまってるだろ!

 魔王だとか、意味わんねぇことも言ってんだしよ!」


 なんか面倒臭い人が出てきたな。

 どうしよ?


 「おい、ホントにお前が倒したって言うなら俺と戦えや!

 それで俺に勝てたら認めてやるよ!」


 「倒せば良いの?それじゃ、」


 私は男の顔を躊躇いなく殴った。

 もちろん、手加減はしたよ?

 これで気絶すると思ったんだけど吹っ飛んでいった男は顔を抑えながら起き上がってくる。

 思ったより頑丈だ。


 「てっ、てめー、いきなりなにしやがる!クソガキーー!」


 何って、倒せばいいって言ったから殴っただけなのに、どうしてそんなに怒ってるの?


 「殺してやる!」


 「落ち着け!

 喧嘩売ったのはお前だろ!」


 ギルマスって人が宥めてくれるが男は全然落ち着いてない。


 「おい、ルーフェスだったな?

 着いてきてくれ。

 皆そいつを抑えといてくれ。」


 周りにいた人達に指示を出してギルドの方へ歩いていってしまう。

 それに私もついていき、しばらく歩いたところでアンズと会った。


 「なんかすごい騒ぎになってるけどルーフェスちゃん大丈夫?」


 「うん、なんにも無いよ。

 それより私これからこの人に付いて行かなくちゃいけないみたいだけど、アンズも来る?」


 「えっ、ギルマスさんに?

 何かあったの?」


 そんなやりとりをしていると、後ろから殺気を感じた。

 これは多分私が殴った人だな。

 悠長にそんな事を考えながら後ろを振り向こうとした時、隣からアンズの声と、私を押す衝撃が伝わってくる。


 「ルーフェスちゃん、危ないっ!」


 突然のアンズの行動に反応できなかった私はそのまま押し飛ばされた。

 そして、押し飛ばされた私の目に入ってきたのは、さっきの男に剣でお腹を刺されるアンズの姿。

 突き刺さった剣は貫通して背中から出ている。


 「アンズっ!」


 アンズに剣を刺した男はギルマスに取り押さえられる。

 ギルマスは男を取りおさえていなかった事で周りの人を叱っている。

 でも今はそんな事はどうでもいい。

 早くアンズを治療しなと死んじゃう。

 ますはアンズに刺さってる剣を抜かないといけない。


 「アンズ、ちょっと痛いけど我慢して!」


 剣をおもいっきり引き抜く。

 大量の血が出て、アンズも短い悲鳴をあげる。

 それからアンズの額にキスをし、回復のスキルを発動させる。

 回復スキルは無事成功し、アンズのお腹の傷は綺麗に塞がった。


 「っえ?

 痛みが・・・なくなった?」


 アンズは手で自分のお腹を抑えて不思議そうにしする。


 「もしかして、ルーフェスちゃん?」


 私はアンズの言葉に涙目で頷く。

 傷が治って本当によかった。


 「大丈夫か?」


 ギルマスがアンズの無事を確認してかる。


 「なんともなくて良かった。

 それより・・・あの傷を一瞬で治すか・・・」


 アンズを刺した男を他の人に任せて私に視線を向けてくる。

 何?

 それよりあの男にアンズがされた事を仕返ていい?

 いいよね?

 

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