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ダンジョン攻略 分かれ道

 私は極力戦闘には関わらないって言ってたのに無自覚に関わってしまっていた。

 そのことを二人に謝る。


 「まぁそれでも、二人は成長しているぞ」


 ダンジョンでの成長は錯覚だったと、落ち込んでいた二人をサーシャが慰める。

 ここまでスムーズに倒せてきたのは私のおかげ?せい?なので二人はそれで少し落ち込んでいたのだ。

 それを見てサーシャが二人に声をかけた。


 「魔力量のことはおいておいても二人は魔法の構築が速くなっているからな。

 朝と比べれば凄い成長と言えるだろう」


 そうだよ!

 確かに私が常に魔力を回復していたから全然疲れないのは当たり前だけど、二人とも魔法の構築も早くなってるし、スキルの発動もスムーズになってる。

 朝からしたら凄い成長だ。

 そこは胸を張ってもいいと思う。


 「そ、そかな?」


 サーシャの言葉を聞いた二人が私とマリンを見て疑問を顔に浮かべる。

 もちろん、それに対して私もマリンも頷いた。


 「そっか、それなら嬉しいかな」

 「はい。成長している言っていただけて嬉しいですわ」


 私たちの思いが伝わったようで、二人とも顔に笑顔を浮かべる。


 それからマリンがぽつりと呟いた。


 「そうですね。二人とも凄い成長です。

 もしかしたらルーフェスさんの支援のお陰かもしれませんね」


 「どうして私?」


 これは二人の力だと思う。

 私は関係ないよね?

 

 「常に魔力が満タンで二人は疲れることはありませんでした。

 ですので殆ど休憩なく二人とも魔法の構築などに集中できたのかもしれません」


 そっか。そうだよね。

 それじゃあ、私のやったことは二人の邪魔じゃなかったんだね。

 よかった。

 二人の手伝いが出来て。


 「おいっ!マリン!それは言うな!」


 何故かサーシャがマリンのことを怒った。

 私のことを慰めてくれてたのに、何で言っちゃいけないの?


 サーシャの言葉にみんな疑問を浮かべている。


 「ルー様が調子に乗るだろ!」


 「なるほど」

 「なるほどですわ」


 何その理由!

 別に調子に乗ったりしないよ!

 それからアンズもクレアも何で納得してるの!

 「なるほど」じゃないよ!

 そこは否定してよ!


 「そう、なんですか…‥?」


 今日会ったばかりのマリンだけはは納得していない。

 納得していないのは嬉しいけど、不思議そうにするんじゃなくて否定してほしかった。


 「そんなことないよ!ちゃんと今までの魔力譲渡のパスも切ったし、もう大丈夫だよ!」


 サーシャだけでなくみんなに言う。

 それに対し「冗談だよ」とアンズとクレアはくすくすと笑ってくれたがサーシャは疑いの目を向けた後にため息をついた。

 サーシャはこういう時全然私のことを信じてくれない。」

 

 「ルー様はこういう時いつもやらかすからです」


 そんなことはないと思う。

 サーシャは頭が固いからそう思うだけだよ。






 それからしばらく進んだところで次の魔物が来た。

 こちらに向かってくるのはスライムが一匹。

 これは今まで以上に楽勝かな?


 「ファイアーランス」


 クレアが詠唱をし、炎の槍を放った。

 炎の槍は見事にスライムに着弾する。

 そうしてスライムはあっけなく倒れた。


 「今のは少しあっけないですね」


 マリンも私と同じ気持ちらしい。

 みんなも頷いているしきっと同じだろう。

 なんでこんなところにスライムなんていたんだろう?

 中には強いスライムもいるけど、今のはそうじゃない。

 

 「次来ます!」


 不思議に思いスライムの死体を見ているとサーシャが叫んだ。

 どうやらもう次が来たらしい。


 サーシャの声に通路の奥を見る。

 こちらに向かってくるのはまたもスライム。


 さっきと同じようにクレアが瞬殺した。


 「この階層ならもっと強いはずなんですが…‥」


 マリンが顎に手を当て何かを考えている。


 「来ました」


 私も弱いスライムが出てくる理由について考えようとしたところでサーシャが叫ぶ。

 

 もう次!?早くない!?


 「アイスランス」


 今度はアンズが氷の槍を放ち、先ほどと同じようにスライムはあっけなく力尽きる。


 弱い分、数が多いのかな?

 そう考えると数は少ないような。


 ちょっと離れて襲ってきてもあまり意味がないと思う。

 数で来るなら一斉に来た方が効率的だ。


 疑問に思いながらも通路を進んでいく。

 その後も何度か弱いスライムは現れたが、アンズとクレアが交互に倒していった。


 暫く進んだところで通路が二つに分かれている。

 

 「どっちに行く?」


 今までも何度か通路は分かれていた。

 どっちに行くかはアンズとクレアに決めて貰ぅていた。

 マリンによるとこれも訓練の一環らしい。


 「そうだね…‥」


 アンズとクレアが通路の先を見ながら考える。

 通路の先は狭かったり、坂になってたりと色々なのでされを見て考えているらしい。

 通路の奥の方は離れすぎていると見えないが、見える範囲で出来るだけ楽に進めるようなところを選んでいる。


 「右でどう?」

 「そうですわね」


 どうやら右に行くことになったらしい。

 左の道と比べてみると、右の方が少し道幅が広いかな?

 広いとその分動ける範囲が広がるからね。

 狭いと横に避けたりするのが難しくなるし。


 クレアが紙に何かをメモしてから右の通路へと進んだ。

 メモは帰りに迷わないようにするため。

 迷っても転移もあるし大丈夫だよ、と言ったけどこれも訓練だからと自分たちでしかっりとメモを取っている。


 二人とも偉いなぁ。

 私だったら迷ったらすぐに転移魔法を使うのに。

 スキルで対処も出来るけど転移が一番速いからね。



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