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ダンジョン攻略 方針

 お昼ご飯を食べた後、少し休憩をとってから再び攻略を再開することにした。


 「そういえば、いつまでここに居るの?」


 私の疑問にマリンが答ええてくれた。


 「三日ほどで帰る予定です。

 今日は進めるところまで行って、明日はその辺りに滞在、明後日に帰る予定です」


 明後日には帰るのか。

 それだったらあまり進めないかな?

 どうせなら一番下とか行ってみたかったんだけど。


 「それはクレアたちのことを考えると厳しいですね」


 サーシャが反対の意見を言ってくる。

 確かにそうかもだけど、私が全力で守れば行けると思うけど。


 「それはそうでしょうが、今回は二人のレベル上げですよ」


 うっ。

 そうだった。

 でも、一番下に何があるか気になるなぁ。

 

 ダンジョンには必ずダンジョンマスターが居るはずだから、それが何か気になるんだよね。

 

 「それだったら明日引き返して、三日目に下まで行ってみる?」


 諦めきれない私を見てアンズがそんな提案をしてくれる。

 

 アンズ優しい!


 「そうですわね。高いレベルの戦闘を見るというのも勉強になりますし」


 クレアもアンズの意見に賛成みたい。

  

 ありがとう。二人とも!


 「ですが…‥最下層にどんな魔物もいるか分かりませんし…‥そんな危険な場所にクレア様を連れて行くわけには…‥」


 二人の言葉を聞いたマリンが考えるような素振りをする。

 マリンは反対のようだ。


 「それなら大丈夫ですわ。ルーさんが守ってくれますもの」


 「ね」と私の方を見るクレア。

 

 「もちろん!何が来ても傷一つつけないよ!」


 そんなのダンジョンに入る時から決めていたことだ。

 例え相手が魔王でも勇者でもドラゴンでも二人に傷なんてつけさせない!


 「お前もルー様のことは聞いているのだろ?

 ルー様に任せれば大丈夫だ」


 尚も悩んでいるマリンにサーシャからの補足が入る。

 サーシャ含め三人共私のことを信頼してくれている。

 嬉しい!


 「まぁ、ルー様はやらかすことが多いからそれは心配だが、その時は私が何とかするさ」


 私の我儘のためにありがとうと思っていたら、サーシャが余計な言葉を付け足す。

 

 それは言わなくてもいいでしょ!

 それに私、そんなにやらかしてないから!


 「…‥分かりました。お二人もそれでいいのなら、そうしましょう」


 と言うことで、今後の方針が決まった。

 





 「来ました!」


 あの後もダンジョン攻略を進めていいった。

 そして、サーシャが奥から来る魔物の接近を教えてくれる。

 サーシャの示した方を見ると近づいてくるのはオオカミ型の魔物が四匹。

 いつも通り、私が一匹を残して眠らせ、阿多は見守る。


 「二人とも頑張って!」


 一匹になったオオカミがこちらに向かってくる。

 そのオオカミに対し、二人は慣れた手つきで対処する。


 「ウォーターボール」


 水の玉を放ち地面を濡らす。


 「〈属性変換〉」


 水を氷に変え、オオカミの足を凍らせて止める。


 「ファイアーランス」


 そして、クレアが最後に炎の槍を打って。オオカミは絶命した。


 ここまでの工程はもう何回も繰り返されていて、すごくスムーズになっている。

 魔法の構築もスキルの発動もダンジョンに入って来たより速い。

 

 まだ一日も経ってないのに二人とも凄いなぁ。


 「二人とも凄いですね」


 マリンが感心した様な声を漏らす。

 私もマリンに同意して、首を何回も縦に振る。


 学園の先生にも褒められてる。

 やっぱりすごい!

 

 「ありがとうございます。けど…‥」

 「はい。自分で言うのもおかしいと思うのですが、何故かあまり疲れないのですよね…‥」


 褒められた二人が何故か不思議そうな顔をしている。

 確かに二人の言う通り、最初に比べて全く疲れているように見えない。

 

 でもそれは二人が成長したからじゃないかな?


 「…‥ルー様、何もしてませんよね?」


 なぜかサーシャに疑われてしまう。

 もちろん何もしていない。

 何もするなって言われたから。


 「本当ですか…‥」


 ジトっとした目で疑ってくる。


 「な、何もしてないよ!…‥多分」


 そこまで言われると自信がなくなってきた。


 「多分?」


 うっ。

 もうその目やめて!


 魔法もスキルも使ってないはず!

 それに使ったらサーシャも気づくでしょ!


 「ルー様なら、気づかれないように使えますよね?」


 確かに使えるけど…‥。

 けど、本当に私なにもしてないよね?


 「あっ!」


 してるじゃん私。

 

 「何かしてたのですか?」


 やっぱりと言う顔を向けてくるサーシャ。

 

 忘れてただけだから!

 呆れた顔もやめて!


 「それで、何をしたのですか」


 私が悪かったので素直に答える。

 私がしてたのは簡単に言うと魔力譲渡。

 魔法やスキルの使い過ぎで魔力切れを起こした時に魔力を上げた。

 その時のパスがまだ繋がっていたみたい。


 パス切るの忘れてた。

 それで全然疲れなかったんだね。


 「はぁ、何でそれで気づかないんですか。

 普通魔力がずっと抜けていたら気づきますよ」


 それは…‥。

 気にしてなかったから…‥。


 「私たちも気づかなかった…‥」


 アンズとクレアも落ち込んで住まう。


 そうだよ。

 受け取っていた二人も気づいていなかったんだから私だけが悪いわけじゃないよ!

 お相子だよ!


 「それは仕方ないだろ。それもルー様の仕業だからな」


 私の仕業って。

 それに関しては私、関係ないよね?


 「二人とも最初にルー様から魔力を受け取ったとき何か感じたか?」


 サーシャの質問に二人とも首を横に振る。

 それは当たり前だ。

 魔力譲渡するときに違和感がなくなるようにしたんだから。


 「それで自分の魔力が減らなくなったのにも気づかなくなったのだろう」


 あっ。そういうことか。

 体内の魔力が一気に変化すると酔う時がある。

 それを避けるために魔力譲渡と一緒に精神安定の魔法も使ってるんだ。

 この魔法はちょっと下限を間違えると、ちょっとした違和感とかに気づきずらくなるんだよね。

 それを利用もしてるんだけど。


 「ごめんね!二人とも!」


 結局私が全部悪かった。

 気づかなかった二人も悪いとか、勝手に悪者にしてごめん!


 二人とも優しいから許してくれたけど、次から気をつけよう。

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