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お祭り イチゴタルト

 美味しそうな香が色々な方向から漂ってくる。

 私が特に気になるのが甘い香だ。

 その甘い香りを嗅ぐたびにわくわくした気持ちが高ぶっていく。


 「ルー様。楽しいのは分かりましたから、子供みたいに走り回らないでください」


 甘い香りに誘われるようにあっちこっちに行っていたらサーシャに叱られてしまった。


 「ごめんごめん」


 そう言いながらも私の足は甘い香りの方へと進んでいく。


 「全然反省してませんね!少しは落ち着いてください!」


 だって仕方ないよ。

 こんなにいろいろなところから美味しそうな甘い匂いがしてくるんだよ!?

 

 「こうして見ると、本当に子どもに見えるね」

 「そうですわね」


 アンズとクレアが私に温かい視線を向けてくる。

 二人とも微笑んでいて楽しそうだ。

 やっぱりお祭りは楽しいね!


 「サーシャもそんな顔してないで、もっと楽しそうにしようよ!」


 「ルー様がもっと落ち着いてくれればなるかもですね」


 うー。

 サーシャに皮肉を言われてしまった。

 でも皮肉を言っていたサーシャの顔は少し緩んでいたように見えた。


 




 「わ~!なにこれ~?」


 イチゴの乗った甘い香りのするお菓子に目を向ける。


 「お嬢ちゃん、これはイチゴタルトっていうんだよ」


 私の疑問の言葉に店のおじさんが教えてくれる。

 

 イチゴタルトっていうんだ。

 イチゴの下にクリームが塗られたいて、そのクリームからも少しイチゴの香りがする気がする。


 「これ貰うね」

 

 「はいどうぞ」


 お金とイチゴタルトを交換する。


 イチゴタルトを鼻に近づけて匂いを嗅ぐ。

 イチゴの香りが鼻の中に広がっていく。

 美味しそう!速く食べたい!


 「いただきます」


 イチゴタルトと一緒に貰ったフォークで一口分切り分け、口にに運ぶ。


 美味しい!

 このイチゴは甘いだけじゃなくて少しの酸味があるけどそれがまた美味しくて。

 クリームからもまろやかなイチゴの味がしてくる。

 下の茶色い生地?の部分もサクサクしている。


 甘いだけのお菓子もいいけど、フルーツの乗っているのは、フルーツ特有の酸味もあって、それが甘さを引き出してくれて美味しい。

 やっぱりお菓子は最高!


 「ルー様。もう食べているんですか」


 追いついてきたサーシャが少し呆れた顔をしながら使づいてくる。


 「うん!これすごく美味しいよ!」


 美味しくてテンションの上がっていた私は、ついついサーシャに顔を近づけてしまう。


 「ち、近いです!」


 そうすると肩をつかんで押されてしまった。

 その時一瞬サーシャの顔が赤くなった気がしたけど気のせいかな?


 「二人とも速いよー!」


 サーシャに少し遅れてアンズとクレアも私の近くまで来た。


 「これ!すごく美味しいんだよ!」


 手に持っているイチゴタルトをみんなにアピールする。


 「美味しそうだね」

 「美味しそうですわね」


 アンズとクレアもそう思うよね!

 実査に食べても美味しかったから!


 「うん!すっごく美味しいよ!

 ほら!あーん!」


 さっきのように一口分切り分け、アンズの口に近づける。


 「え!?えーと…‥あーん」


 驚いた顔をした後何故かもじもじしながらイチゴタルトを口に含む。


 「クレアも!あーん!」


 「わ、わたくしもですか!?あ、あーん」


 クレアにもあーんとイチゴタルトを口元に近づけると似たような反応が返ってきた。

 サーシャの方を見るとサーシャも欲しそうな顔をしている気がしたので同じように近づける。


 「サーシャも口開けて!あーん!」


 「いえ、私は…‥」

 

 「いいから、あーん!」


 少し強引に口を開けさせてイチゴタルトを口に突っ込む。


 「美味しいでしょ?」


 「は、はい…‥」


 少し歯切れも悪く、何故か後ろを向いてしまったけど、満足はしてくれたと思う。


 次は何を食べようかな!

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