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お祭りへ

 「起きてください、ルー様!」


 今日もいつも通りサーシャに起こされている。

 でも、


 「今日は、休みでしょ」


 確か今日は学園がお休みのはず。

 だから、どれだけ寝ていても大丈夫。

 それなのにサーシャは私の身体を揺すり、起こそうとしてくる。


 「確かに学園は休みですけど、今日は祭りが行われるんですよ」


 祭り?

 そうなの?


 「昨日ココナが言っていたではないですか!それでアンズたちと行こうと話になったはずです」


 ん~。

 全然思い出せない。

 その時本当に私もいたの?


 トントン


 そんな時部屋の扉がノックされる音が聞こえる。


 「ほら、アンズたちが来ましたよ。

 二人とも入ってくれ。すまないがルー様の用意がまだなので少し待ってほしい」


 サーシャが扉を開けて二人を室内に招き入れる。


 「おはよう。サーシャさん、ルーちゃん」

 「おはようございますわ。サーシャ様、ルー様」


 「おはよう」


 二人に挨拶を返しながらベッドから立ち上がる。

 お祭りのことは全然覚えていないけど、こうやって二人も来てくれたことだし、用意を済ませてお祭りに行くことにする。

 それにお祭りもたのしそうだしね。






 学生寮から出て街に来てみると大勢の人が居てとても賑やかだった。

 確かにここは王とらしいので人が多いのはいつものことなのだけど、今いる人の数はいつも比ではない。

 皆も今日のお祭りがそんなに、楽しみなのかな?

 まだお昼なのに織田家を飲んで酔っ払っている人もいるみたいだし。

 封印から出てきてここまで賑やかなのは初めてだ。

 封印される前にも何度かお祭りに行ったことがあるけど、やっぱりこの雰囲気は楽しくなってくる。


 「すごい人だね。私こんなにたくさんの人を見たの初めてかも」


 アンズもジトの多さに足を止めて感心している。


 「確かに。ここまでの賑わいはココナ先生が勇者になられたときのお祭り以来だと思いますわ」


 ココナが勇者になったときのお祭り?

 確か、数年前の魔物の侵攻の時の話だよね。

 その時まお祭りがあったんだ。


 あれ?

 そういえば今日は何のお祭りなんだろう?


 「はぁ、本当に何も覚えてないんですね。昨日ココナが授業中に言っていたとき居眠りしていましてね」


 サーシャがジト目で私を問い詰めてくる。

 その言葉に慌てて首を横に振って否定する。


 「ね、寝てないよ!授業中に寝るわけないでしょ!」


 そんな私の言葉にサーシャは無言でジト目を向けて来るだけ。


 「そ、そうだ!さっきサーシャも私がアンズたちと約束したって言ってたでしょ!

 だから寝ていたなんてあり得ないよ!」


 アンズとクレアは「確かに」と頷いてくれたのだがサーシャは何かを考えるようなそぶりで納得していないみた。


 「確かに約束はしましたが…‥何かのスキルを使えばルー様ならなんとかなるのではないですか」


 バレた。

 流石はサーシャ。あっさりとバレてしまった。


 昨日どうしても眠たかった私は〈自動化〉というスキルを使って寝ていた。

 このスキルは色んな事が自動でできちゃうすきるで、これを自分に使い、昨日の授業を受けていた。

 スキルに任せて私自身は寝ていたので記憶は全くない。

 だって寝ていたんだもん。

 

 「そんなことより、今日は何のお祭りなの?」


 強引に話を変えて追及から逃れることにする。


 「はぁ。そうでしね。今日はこの前の魔物の侵攻を防いだための祭りです」


 呆れるようなため息を吐かれたけど何とか話は変えられた。

 流石私!


 今日のお祭りは先日の魔物の侵攻を防いだから行をれるらしい。

 数年異一度魔物の侵攻があると聞いたのでそのたびにお祭りがあるのかと思ったけどそうではないらしい。

 この間のは竜の数体出てきたし、私が「空間消滅」を放つ際に溜めた魔力とかで祭りが行われることになった。

 その魔力は学園長が竜を倒すために溜めたということにして皆の不安をなくしたのだけど、それでも不安な人はいるだろうと少しでも和らげるために行われた。

 




 街道にはたくさんの屋台が出ていて、そこから漂ってくる美味しそうな匂いにわくわくしてくる。


 「ルー様!一人で走っていかないでください!」


 あれ?

 いつの間にか私、走ってた。

 けどこれは仕方ない。

 だって凄く美味しそうな匂いがしたんだもん。

 とっても甘くて美味しそうな匂い。

 私を誘惑するとは、なかなかだ。


 「ほらほら皆も早く!美味しそうなものがいっぱいあるよ!」


 三人に手を振りながら先を急がす。

 今日は美味しものを食べつくしてやる!

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