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炎は恥ずかしい

 オルトラニーを拘束するため、さっきよりも強く睡眠魔法を放つ。


 「くっ、」


 今度は完全にはレジスト出来なかったようで頭を押さえて非常に眠そうになっていた。

 それでもまだ寝るには至っていない。

 今の威力なら確実に寝ると思ったんだけどなー。


 「こうなったら、奥の手です!」


 そう叫んだオルトラニーは水晶のようなモノを取り出す。

 また何かの魔道具かな?

 そう思い鑑定しようとした直後、オルトラニーが持っていた水晶を自分のお腹あたりに押し付けると、水晶はそのままオルトラニーのお腹に入っていった。


 「ふははははは、凄まじい力です!」


 オルトラニーの体が怪しく光った後、オルトラニーは笑いながらそんなことを叫ぶ。

 確かにすごい力を感じる。

 今までの分に更にドラゴンの力を追加したような。


 「オルトラニー!今のは何だ!」


 サーシャがオルトラニーに問う。


 「ははは、今使ったのは『竜の加護』と言うものですよ。

 これは使用者に竜の力を与えてくれます」


 竜の力が追加されたようなと思ったら、本当に竜の力が追加されていたんだ。

 でも、そんなことして大丈夫なのかな?

 竜の力を無理やり体内に取り込んだりしたら身体の方がもたないんしなないかな?


 「これで今度こそあなたを倒してみせますよ」


 オルトラニーは先程と同じように炎の魔法「インフェルノ」を放ってくる。

 それだとさっきと同じようになるよ?

 そう思いながら〈属性変換〉を発動して「攻撃」の属性を「回復」に変えようとしたんだけど何故か失敗した。


 あれ?なんでだろ?


 疑問に思ってるとオルトラニーの放った魔法が私に直撃してしまった。


 熱っ!

 魔法をもろに受けてしまってすごく熱い。

 それに、服が燃えて私はほとんど裸になってしまう。


 うわっ!

 早く新しい服を着ないと!


 私はこれでも女の子なんだから男の人の前で裸なんて、流石に恥ずかしい。

 皮膚もすこし火傷しているみたいだけど、今はそっちより服を着る方が先だ。

 オルトラニーの放った炎のお陰で私の裸は多分誰にも見られてないはず。

 炎が消える直前で新しい服を着て、服が燃えないように着替えるのに成功した。


 「ちょっとー!私も女の子なんだから服を燃やすなんて酷いことしないでくれる!

 女の子の服を燃やすなんて変態さんのすることだよ!」


 オルトラニーに強く文句言う。


 「ルー様、そんなことより大丈夫ですか。

 顔や手が火傷で酷いことになってますが」


 おっと、そうだった。

 スキル〈自己再生〉を発動させ火傷をなおす。

 それよりサーシャ、そんな事っていった?

 男の人の前で裸にされたのをそんなことって酷くない?

 サーシャだってそんなことされたら恥ずかしいよね?


 「はぁ、ちゃんと普段から防御結界なりを張っておいてください。

 そんなんだから怪我をするんです」


 えっ?

 まさかここでお説教!?


 「まあそれは後で話すとして、

 オルトラニーよくもルー様を傷つけたな!」


 お説教のことに文句を言おうと思ったんだけど、サーシャがオルトラニーにすごい怒ってるみたいだから口を出すのはやめておいた。

 だって、こわいからね。


 「サ、サーレイシャ様、お、落ち着いてください•••••」


 ほら、王様なんて顔が青を通り越してすごい変な色になってるよ。


 「な、なんですか、その力は!」


 あれ?

 それさっきサーシャがオルトラニーに言ったのと同じだよね。

 それを今度はオルトラニーがサーシャに言ってる。

 なんか面白い。


 「オルトラニー、お前にもルー様と同じ目に遭ってもらうぞ!」


 そう言ってサーシャはオルトラニーに炎の魔法を放つ。


 「ちょっと、そこまで怒らなくても•••••」


 「いいえ、ルー様の綺麗な肌を傷つけたんです。

 いくら治ったからと言って許せません」


 相変わらずサーシャは私のことになると大げさになる。

 嬉しいけど、あんまりやり過ぎるのは良くないと思う。


 サーシャの放った「インフェルノ」はオルトラニーに直撃した。

 その威力はさっきオルトラニーが放った「インフェルノ」と同じくらい。

 オルトラニーの姿が炎で見えなくなる。


 ちょっと。もうちょっと威力抑えて!

 ここには王様達もいるんだから!


 私は王様と伯爵の人に防御結界を張ってあげる。

 巻き込まれたら多分死んじゃうからね。

 ついでに部屋全体にも同様に防御結界を張っておいた。

 これで火事にはならないと思う。


 「ほう、あなたもなかやかやりますね」


 「インフェルノ」の炎が消え、無傷のオルトラニーが出てきた。

 どうやら簡単に防いだみたい。

 今のをあっさりと防ぐなんて、流石は竜の力を付与しているだけはある。


 「ふんっ、防いだか。

 だが、この程度で終わると思うな」


 サーシャが更に「インフェルノ」を威力を上げて放つ。


 「こちらもこの程度だとは思わないでくださいね」


 オルトラニーも威力を上げた「インフェルノ」を放つ。

 二人の放った「インフェルノ」の威力は同等。

 それはぶつかり合い、更に炎は激しくなっていく。


 ちょっと!そんなに威力上げないでよ!

 熱いって!


 王様たちの方を見てると汗が滝のように出ている。

 防御結界で炎自体は防げても熱までは防げていないから、汗があれだけ出ていても仕方がない。

 というか、あんなに汗を流したら脱水症状になるんじゃないかな?

 そう思い、二人の防御結界に遮熱の効果も追加しておく。

 もちろん私とお城にも遮熱結界は張っておいた。

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