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黒竜

 私の出した聖剣が次々に魔物を倒していく。

 うん、やっぱりカコイイよね。これ。


 「なんなんだ、あの数は!?」


 ココナが怒鳴ったような勢いで聞いてくる。

 何って、ココナよりちょっと多く出しただけじゃん。

 そんな強く言わなくても、


 「ちょっとって、あの数をちょっと多いだけで済ませられる訳ないだろ!」


 「それは私の方が魔力が多いからだよ」


 そんなの当たり前じゃん。

 ココナ、もしかして自分で使ってて魔力が多かったらいっぱい造れるって知らないのかな?

 自分のスキルをちゃんと理解しておくのは大事なことだと思うよ?


 「はぁ、もういい。学園長の言っていた意味が大体分かった」


 学園長の言ってたこと?

 なんだろ?

 まぁそれはいっか。それよりも・・・


 「今はアレに集中しよう」


 そう言ってココナの目線の向けた先には一匹のドラゴンがいた。

 あれは成竜かな。

 真っ黒な鱗が全身を覆っていて全長は10メートルくらい。

 私はあの種類のドラゴンあんまり好きじゃないんだよね。

 あの種類はあんまり美味しくないから。


 「チッ!やっぱり成竜もいやがったか!」


 「ぐちぐち言っていても仕方ない。行くわよラース」


 二人は黒いドラゴン目掛けて思いっきり駆けていった。

 あれは二人に任せて私は他の魔物を倒そう。


 ワイバーンが空から4匹ほどやってくる。

 やった!

 ワイバーンは美味しいから嬉しい!


 お肉を痛めないように風の魔法で首を一撃で落とす。

 これは私が倒したんだし私がもらってもいいよね?

 ワイバーンの遺体を収納魔法に入れる。


 にしても、最近おいしいご飯を食べれているのはいいけど糖分が全然足りない。

 お肉もいいけどやっぱり甘いお菓子が欲しい。

 今回のことが終わったらアンズにいっぱい甘くて美味しいお菓子作ってもらおう。

 いっぱい頑張ったら、いっぱい作ってくれるはず!






 アンズの作ってくれるだろうお菓子を想像しながら次々に魔物を倒していく。

 あー、もー、おおすぎー。

 いっそのこと大規模魔法で全部焼き払おうかな?

 でもあんまりやり過ぎるとサーシャに怒られそうだし・・・

 はぁ、面倒くさくなってきたなー。


 ココナ達はドラゴンと戦ってる。

 もう一匹現れないかなー。

 そういえば竜王がいるんだっけ?

 そんな気配全くしないけど・・・。

 もしかして・・・はったり?

 竜王だったら少しは楽しめると思ったんだけどなー。


 そんな不穏なことを考えていると上からすごい威圧感を感じる。


 おー!竜王きたー!

 しかもこの気配は美味しかったやつじゃなかったっけ?


 GRUWWWWWWWWWWWN!!!


 大きな咆哮と共に竜王がやってくる。

 全長6メートルくらいの黒竜だ。

 大きさこそさっきの成竜より小さいけど威圧感は段違いだ。


 「お、おい!な、なんだ、あれは!?」


 竜王が現れたのを見たココナが私の隣まで来た。


 「あれは竜王だよ」


 竜王は滅多に人前には現れないから多分知らないんだろうと思い教えてあげる。


 「竜王!? 」


 この反応は名前は知ってたみたい。


 「竜王といえば、ドラゴンの中でも最上位の存在と聞いたが、本当にあれが竜王なのか!?」


 正確には最上位は竜帝なんだけど、まぁ、竜帝は御伽噺のなかの存在らしいから大体は合ってるかな。


 「ルーフェス、あれに、勝てるか・・・?」


 ココナが緊張した様子で聞いてくる。

 それはもちろん勝てるよ。

 この竜王は竜王の中では弱い方だし。


 「本当か!?信じるぞ」


 ココナって私のこと完全には信用してなかったよね?

 本当に信じてくれるのかな?


 そういえばと思いココナが戦っていた成竜の方を見る。

 ココナが抜けて槍の人だけで大丈夫なのかと思ったけど、他にも人が来てるから大丈夫みたい。


 ん?また新しい気配が。


 「竜王は私に任せてココナはあっちをお願い」


 新たな気配の方を指差しココナにお願いする。

 新たに現れたのはまたまたドラゴン。

 こんどは古竜だ。

 しかもまた黒竜。

 これらのドラゴン達は目の前の竜王の配下のものなのかも。


 「っ!またドラゴン!一体どうなってるんだ!」


 ココナは文句を言いながらも古竜の方に行く。

 一応古竜だから気をつけてとは言っておいた。


 さて、そろそろ私もやりますか。


 「命が欲しかったら今すぐここから逃げた方が良いよ?

 それでもいいって言うなら私が相手になってあげる」


 逃げるように促す。

 こうしないとあの子(竜帝)に怒られたちゃうからね。

 昔竜王を狩りすぎた時怒られて、その時竜王は殺すなって言われたんだよね。

 でも相手から来た場合はちゃんと相手に告げてからならいいと約束したからね。


 GRUWWWWWWWWWN!!


 竜王から帰ってきた返事は大きな咆哮だった。

 竜王ならしゃべれると思うんだけど。

 それに咆哮なんてされても意味わかんないよ。

 私と戦うってことでいいの?

 いいってことにするよ?


 そういう事にして、まずは軽く一発魔法を放つ。

 放たれた魔法は竜王に当たると同時に爆発したが全然効いてないみたい。


 おー、さすが竜王。頑丈だなー。

 ならもっと威力上げていくよー。


 どんどん魔法を竜王に打っていく。

 さすがに何発もくらってダメージは入ってる。少しだけみたいだけど。


 GRUWWWWWWWWWWWN!


 うわっ!うるさっ!

 今までになく大きな咆哮をしてきてすごく煩い。

 これは怒ってるって感じだな。


 じゃあそろそろ本気でやりますか。

 右手に魔力を貯めていく。

 そうすると周りに変化が起こった。

 街の方を目指して来ていた魔物たちが反対側、というか私から逃げるように離れていく。

 竜たちは流石に逃げてないけど、成竜は今にも逃げ出しそうで、どこか怯えた様子だ。


 「おい!ルーフェス!何をするつもりだ!」


 古竜と対峙していたココナが私の方に走ってくる。


 「何って、竜王を倒そうとしてるだけだよ?」


 どうしたんだろ?

 そんなに慌てて。


 まあとりあえず竜王を倒すため、右手に溜めていた魔力を魔法に変換して放つことにした。

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