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魔物の軍勢

 何したらいいか分かんないので、取り敢えず王様の部屋に行く。


 「サーシャ、私これから何したら良いの?」


 サーシャに話しかけたのに言葉が返ってきたのはオルトラニーからだった。


 「なんですか、あなたは。子供が何故こんなところに?」


 「まさか忘れたのかオルトラニー。

 貴様も相当頭にガタが来ているようだ」


 「忘れた?こんな子供を私が、しっ、て・・・

 ま、まさか、ありえない!

 そんな訳があるはずない!」


 私の顔を見て喋ってる途中でいきなり焦りだした。

 もしかして、会ったことある?

 魔王オルトラニー・・・全然、思い出せない。


 「やぁ、久しぶり。元気だった?」


 取り敢えず覚えているふりだけしておく。


 「あなたは、本当に、[理不尽魔王]、なのですか。

 封印、されていたはずでは、」


 「うん、最近出てきたんだよ」


 「ルー様、何普通に話してるんですか!

 こいつは魔物の軍勢を送ってきたんですよ!」


 そういえばそうだっけ?


 「じゃあ私はこの人を捕まえればいいの?」


 「はい、お願いします」


 うん、じゃ、ちゃっちゃとやっちゃいますか。


 「大人しくしてね」


 「そう簡単に捕まるわけにはいきませんよ」


 魔法で拘束しようとしたんだけど、オルトラニーに先に魔法を使われちゃった。


 オルトラニーから放たれた火の攻撃魔法が飛んでくる。


 あっ!

 いいこと思いついた!


 防ぐのは簡単だけどここは・・


 「ルー様!」


 私は無抵抗のまま魔法を受けた。


 「どうしたんですか。あなたともあろうものがこの程度簡単に防げたでしょう・・・

 ・・・どういうことです!

 どうしてなにもしていないのに全くの無傷なんですか!」


 私の新技の結果だよ。

 ふふふ、説明してあげよう。

 そう思ったんだけどオルトラニーの出した映像にココナが映ったのが視界に入ってきて、そっちに視線を奪われてしまった。

 映像に映るココナの周りには剣が宙を舞っている。


 うわ〜。

 何あれ。すごーい。


 何本もの宙を舞う剣は多くの魔物たちを攻撃している。

 あれって、〈聖剣創造〉で造った剣かな?

 すごく、カッコいいんだけど!

 〈全能〉でコピーして私も使いたいところだけど、さすがに映像越しじゃスキルの構成を読み解くのは難しい。


 よし!

 ここはサーシャに任せてココナのところに行こう。

 転移魔法を阻害する結界も張ってるし、多分逃げられないよね。


 サーリャに「ちょっと行ってくる」と告げて転移魔法を発動する。






 「やっほー、ココナ」


 ココナの隣に出て挨拶をする。


 「っ!あなた、何しに来たの!?」


 「ちょっとね、」


 じーっと、宙を舞う剣を眺めてスキルの構成を読み解いていく。

 よし、

 解析完了!

 多分これで〈聖剣創造〉を使えるようになったかな。


 「おい!ココナ!なんでこんなところに子供がいるんだ!」


 槍を持った男の人がココナに話しかけてきた。


 「いや、私も分からん。

 ルーフェス、何しにきたんだ?」


 「もう、目的は済んだし、帰るよ?」


 「待て!何しにきたか知らんが、力を貸してくれ。

 このままでは私たちは、魔物の群れを抑えきれない」


 ん〜、どうしよ?

 別に協力するのはいいんだけど、力を隠さなくていいの?


 「緊急事態だ、頼む」


 ココナが頭を下げて頼んでくる。

 これは強力した方がいいよね?

 一応確認の為にサーシャに念話の魔法を繋ぐ。


 『少し力を貸してあげてください』


 よし、サーシャからの許可も貰ったことだしココナを手伝おうかな。


 「りょうかーい。私に任せて!」


 胸を張ってココナに告げる。


 「おいっ!こんな子供に何ができる!」


 槍の人がココナに怒鳴ってる。


 「安心しろ、ラース。この子はこう見えて私たちよりも強い」


 「こんな子供が?そうは全然感じないが・・・」


 ふふふ。

 なら、私の力の片鱗を少し見せてあげようではないか。


 槍の人を少し威圧してみる。


 「ッ!!!!?な、なるほど、確かに、俺たちより、遥かに、強そうだな」


 「どうした、大丈夫か。顔色が悪くなってるぞ」


 槍の人は顔の色を真っ青にして、汗もだらだら出てきている。

 威圧は槍の人にしか向けなかったからココナは何があったか分かってないみたい。

 にしても、そんなに強くは威圧してないのに、思ったより顔色が悪くなってる。

 この人、思ったよりも強く無いのかな?


 槍の人への威圧を解いて魔物の群れの方を向く。

 うん、改めて見るとすごい量。

 そんな時、ちょうど魔物が一匹私を襲ってくる。

 襲ってきた魔物はゴブリンロード。

 ロードか、この魔物なら私の初めての聖剣の犠牲には悪くない相手だな。

 〈聖剣創造〉を発動させて聖剣を造る。

 性能はココナが今持ってるのと大体同じものにした。


 「・・・あなた・・・まさか・・・」


 「おい、それ、聖剣か!?

 まさか、お前も聖剣をつくれるのか!?」


 ココナも槍の人もすごく驚いてるけど、今はそんな場合じゃないと思う。

 もう目の前にゴブリンロードが来てるんだよ?


 驚いてる二人を横目にゴブリンロードを横から剣を振り真っ二つにする。

 おお、さすが聖剣!すごい切れ味!

 とっ、そうだ、どうせなら称号も変えたこう。

 〈称号作成〉で[勇者]を作る。

 やっぱり聖剣を使うなら[勇者]だよね。

 あっ、[魔王]を消すの忘れてた。

 これだったら私は[魔王]なのか[勇者]なのか分かんないよ。

 ・・・まぁいっか。どっちもってことで。


 「まさか、ゴブリンロードを一撃・・・」


 さっきから二人が固まってて動かない。

 驚くのは良いけどそのままだったら魔物に襲われちゃうよ?


 魔物はまだまだ沢山残っている。

 もう一度〈聖剣創造〉を発動させ、今度は宙を舞う聖剣を造る。

 数は1000ぐらいでいっか。これらの性能もココナの宙を舞う聖剣と同じにしてある。

 出来上がった数多の聖剣を一気に放つ。

 お〜。やっぱりカッコいい!!


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